最近の車はどんどん車幅が大きくなっていますね。衝突安全のためだとか言われていますが、結局は北米や中国では車幅が大きくても売れるからだと思いますけどね。中身の人間の大きさは変らないので、車幅大きい方がその分造形に自由度が出て、デザイン的には絶対有利ですから。
イヴォークも幅1.9 mもあるので、購入前はかなり心配でした。実際乗ってみると、車高が高くて見切りがいいのと、認識しやすい形なので、それほど運転で困ったことはありませんでした。ただし、それも車幅というよりは、全長が短い(4.3 m)のと、前後オーバーハングが極端に短いからだと思います。これが長いとさすがに路地で右左折する時も気を使うことになっていたでしょう。
プリウスが4,540 mmですから、イヴォークの4,371 mmというのはかなり短い方だと思います。その分荷室も短いですが、後席は思ったよりも狭くありませんでした。なぜかというとFFベースの車なので、キャビンがかなり前方に位置するからなんですね。下のイメージを見てもらえばよくわかります。小型スポーツカーと比べても、こんなに短いのです。
基準線は事情あってA110を基準にしてますが、イヴォークは86とあまり変らない全長なのです。それでいて横幅は1,900 mmもあるので、縦横のディメンションだけならスポーツカー並みです。それと横から見るとミッドシップのA110よりもキャビンが前にあることがわかります。だから、そんなに後席が狭くないんです。
また、サイドのラインが真直ぐフロントからリアにかけて上がって行き、逆にルーフラインが下がって行くことで極端なウェッジを描いているという、普通だったら絶対にできないデザインになっているのが特徴です。こんな形にしたら、後席の居住性とか視認性とかいいはずないですから真面目に作ったら採用されないデザインです。写真からも、FRスポーツとしては異例にボンネットが低い86よりも、さらにラインが前のめりなのがよくわかると思います。まあこんな比較意味ないんですが。
こうして見ると、A110はミッドシップにしてはボンネット位置がかなり高いので、あまりミッドシップっぽくないデザインですね。ここをあえて高くしないと、後ろ下がりのラインを描けないですから、昔のA110のイメージを継承するためにはボンネット位置はあまり低くできなかったと思います。前を下げるにしろ、後ろを下げるしろ、デザインでは全体のキャラクターラインが重要だと思うんですが、なぜ国産車は大事なキャラクターラインが曖昧なんでしょうね。不思議です。
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2018/10/15 13:56:22