
来年の1月でイヴォークに乗って6年になります。今は次の車が到着して、乗り換えるのを待っている状態ではありますが、もし置き場所とか経済的な問題がなければ、このまま所有しておきたい位、気に入っている一台です。残念ながら来年には手放すことになるので、ここで6年乗ってみて、悪かった(気になったこと)こと、良かったことをまとめてみようと思います。
悪かったこと
やはりサイズ、特に横幅です。運転自体は慣れれば車体がボクシーなこともあり、また全長が短いため日常で困ることはありませんが、1.9 mという横幅はどうしても駐車する場所を選びます。最新のビルで、1,950のパレットを導入しているビル(表参道ヒルズ、新丸ビルなど)なら機械式にも入りますが、それ以外の通常の機械式パーキングにはもちろん入りません。通常の平置きの駐車場でも左右はギリギリとなるので、同じような大きな車の横には停めづらいものがあります。そのため出掛ける際は駐車する場所の事前確認が必須でした。
故障と呼べるものは6年乗ってもありませんでしたが、一度アイドリングがやや不調となり、インテークマニフォールド(樹脂製)に微細な亀裂があったため交換となりました。それ以外ではカメラ映像が1、2回映らなくなりましたが、これは再始動することで元に戻ったため原因が不明でした。
自分のイヴォークは初期型のため、エンジンはフォード由来のエコブースト2.0です。エンジンの性能自体は今でも問題なく、トルクフルで日常の使用に何も不満はありません。が、レンジローバーという名前が付いている割には、特に洗練されているわけでもありませんし、もちろんダウンサイズターボエンジンで、低回転で最大トルクを発生するので、引っ張っても音もフィーリングも特に感心するようなことは何もありません。
操縦性は街乗りならほとんど普通のセダンと何も変りません。山道でのコーナリングでも普通のセダン並には走れますが、車重と重心位置はいかんともしがたく、決してスポーティではありません。またブレーキの容量も少し不足しています。
ランドローバー車の特徴であるコマンドポジションというのを期待すると、イヴォークは残念ながら通常のセダンより少し視線が高いだけです。またデザイン上、後方視界もあまり良くなく、Aピラー、ドアミラーも大きいので交差点での右左折には注意が必要です。
良かったこと
何と言ってもデザインです。登場した時はかなりセンセーショナルでしたし、フォロワーが増えた今でもこれを超えるデザインのSUVは個人的にはない、と思います。外装もそうですし、高級感とは少し違いますが内装もシンプルでいて質感も高いものです。ブリティッシュ・コンテンポラリーと呼べるデザインだと思います。
自分のイヴォークはクーペなので、後席への乗降性はいいわけないですが、いったん乗ってしまえば意外に乗り心地は悪くありません。変に揺すられることもありませんし、普通に長時間乗っていられます。囲まれ感は強いので、パノラマルーフがあって良かったなと思いました。
荷室も特に広いわけではありませんが、5人乗車して旅行へ行かない限り、通常の買い物や旅行で困るようなシチュエーションは自分にはありませんでした。
今のイヴォークは通常は前輪だけで走行し、必要に応じて後輪にトルクを振るタイプになっていますが、初期型はフルタイムの4WDです。またトランスミッションも6速(後期型は9速)なので、燃費は最新型に全く及びません。が、常に四輪にトルクがかかっているので、どのような天候でも安心感があります。レンジローバーなどと違って、自分で路面状況を選択しないといけないですが、タイヤもサマータイヤでなく、オールウェザータイヤのため、多少の雨雪でも走行に全く問題ありません。ただ実際の話、イヴォークでオフロードに行った事はないので、ヒルディセントコントロールを試したことがありません。いざという時は安心、という事なのかなと思います。
もうひとつ走行性で気に入っているのはブレーキです。容量はやや不足していると書きましたが、タッチ自体はとてもよく出来ています。ストロークも適切ですし、何よりスムーズです。高級車の条件としてごくごく低速で走れて、停まれるということがあると思います。当たり前かもしれませんが、意外に止まる寸前にサーボが効いてカックンとなったり、低速でギクシャクする車が少なくありません。イヴォークのブレーキは効き自体がすごく効くというわけではないですが、低速で停まることに関してはトランスミッションも含めてよく出来ていると思います。
デザインが一番良い点であるのは変りませんが、もうひとつ、イヴォークという車は、ヒエラルキーとは関係ない、という点も良かった点です。まず、基本はどのグレードでもエンジン、トランスミッションが同じです。デザインの違いもほとんどありません。違いはオプションの有無であって、基本性能は変りません。これがBMWのX3ならベーシックモデルがあって、その上にもっとエンジンの大きな上級モデルがあり、更に同じプラットフォームなのにX4がある、というように階層になっています。
またイヴォークはユニークな立ち位置の車なので、ランドローバー内でもヒエラルキーとは無縁です。レンジローバーの廉価版というイメージもありません。入門車でもないです。むしろ上級機種であるレンジローバーのイメージを上手く使って高級感もありますし、内装で実際に触れる部分の基本パーツは上級車から流用して(ロータリーセレクターやハンドルなど)いるので、価格以上の高級感があります。(よく見れば仕上げは違いますが)
イヴォークは、来年にはフルモデルチェンジが予定されています。今やジャガー・ランドローバーグループでの中心車種ですから、きっと完成度の高い車となると思います。ただ、どうやら今より少し大きくなりそうですし、ヴェラールに似たデザインとなるようです。できればレンジローバー同様、これから何世代も続くシリーズに育って欲しいなと思います。
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2018/11/12 03:52:45