古い車に乗っていると色々な質問を受けますが
よく聞く旧車あるある的なものが当てはまらない事に驚かれる事が多いです。
ちょっとそんなのをまとめていこうと思います。
Q. 維持が大変そう！壊れたりとかしないんですか？
A. 古い車なので壊れない保証は無いですが壊れても直る車です。
一番よく言われるのがこれです。
元々が整備や修理をしやすいというコンセプトの下に設計された車ですので
パーツも少なければ整備もしやすいように作られています。
長く愛された車なので社外品も含めて流通パーツも豊富です。
整備点検を怠らなければヤバそうな兆候は事前に検知出来ることが多いですし
よく聞く故障は「整備点検をし忘れていた」か「長期間放置していた」のどちらかがほとんどです。
整備や点検と言っても特別な事をしなくてはいけないわけではなく
定期的なオイル交換やタイヤの空気圧の確認
日々の走行中に違和感が無いかどうか程度のものです。
困りごとがあれば専門ショップに行くと相談に乗ってくれます。
それすら出来ないのであれば空冷VWに限らず自家用車を持つのは難しいです。
Q. お金かかるんじゃない？高かった？
A. 普通に普通車程度だと思っています。
乗っている個体は購入価格としてはたまたま安く出ていて本体価格が80万で
納車前の整備及び車検などでトータル120万でした。
整備費が嵩んでしまったのはマフラーの亀裂があったため交換したのが大きかったです。
年間の維持費としては
車にかかる税金の他には
・ヘッドライトの交換(球切れ)
・ダイナモブラシの交換(走りすぎｗ)
・オイル交換(5000km毎)
程度でした。
これに1年点検をしてもらって総額20万程度かなと。
年間26,000km走ってもこんなもんです。
個体やショップによってかなり大きくばらつきがありますが
本来コストを下げて大量生産できるように設計されたものですので
購入や維持に多額の金額がかかるようなものではありません。
もちろんとても古くて状態の良い個体はその事自体に付加価値が付いたりもしますが…。
改造を始めたり逆にオリジナルにとことんこだわったりしても相当お金かかりますが…。
Q. 空冷でしょ？オーバーヒートしないの？
A. 9割平気。寒い方が不機嫌。
これもとてもよく言われます。
空冷には2パターンあって、自然吸気空冷と強制吸気空冷です。
バイクは自然吸気が多く、走行していないと吸気されないのでエンジンも冷えません。
ビートルは後者で、エンジンルームを開けるとファンが入った箱が奥に鎮座しています。
エンジンの大きさと考えると明らかにデカいファンを使ってエンジンを冷やしています。
逆に寒い冬はこのファンがエンジンをガンガン冷やしてくれるので
止まったまま暖気しても全然エンジンは暖まりませんｗ
ちょっと走りながらエンジンの回転数を上げ過ぎないように暖気をしてあげる必要があります。
強制吸気と言えども、熱い真夏の最中にトンネルで大渋滞とかなるとちょっと不安になります。。。
ただ知り合いに聞いてみても
エンジン周りの不具合無しにオーバーヒートまで行ってしまったケースは未だに聞いた事が無いので
なかなか起きない、という結論で良いのかなと思います。
Q. バッテリー上がりとか無いんですか？
A. 電子制御もエアコン付いてないし無い
これは最近訊かれました。
夏は三角窓で走行風を受け
冬はエンジンで温まった熱を足元から出す仕組みになっています。
いわゆるワーゲンバスと呼ばれているType2はサファリウインドと言って
フロントガラスが開くものもありますが
高速道路では目が開けられなくなるとか雨漏りするとか色々聞きますｗ
Type2は容積が大きいのでヒーターも全然温まらないとオーナーさんから聞きましたが
ビートルは正直真冬でも窓を開けたくなるぐらい暖まります。
エンジンの回転数によって暖まり方も違いますがエアコンがなくてもある程度は快適に走れます。
バッテリーの話に戻すと
那須まで行った時にチャージランプが付いてしまいましたが
東京までその状態で戻ってきて厚木のショップまで走行出来ました。
つまりはそれぐらい普段の走行では電気消費が無いので
バッテリーの不安はほぼ無いです。
Q. 運転しにくくない？
A. 慣れの問題が大きいですが普通に走ります
MT車であるとか馬力が小さいとか重ステとかで警戒されがちですが
サポートする機能がないだけに車からの反応がダイレクトにドライバーに伝わります。
クラッチが繋がる瞬間がクラッチペダル越しに足に伝わりますし
ブレーキペダルからブレーキパッドの反発を感じます。
タイヤが道路の轍に入る感じもカーブで曲がる時の遠心力もダイレクトです。
自分の操作が車にどう伝わったかも車がどういう状況下にあるかも全部返ってきます。
丁寧に扱えば丁寧な運転になりますし雑な運転をすれば車内で人が跳ねます。
今時の車よりも丁寧な運転をしなければならないですし
乗っていれば丁寧な運転に勝手に矯正されていきます。
車の乗り方は車が教えてくれます。
ひとまず思いつくだけ並べてみました。
愛車とイベントやショップなどでお会いしたオーナーさんのお話を参考に回答してみましたが
ご質問などあればお答えしますのでコメントとか残してくださいませ★
