私が初めて自分の車を購入したのは19年前だった。
社会人になって5年を経てようやく念願のマイカーを手にした。
やんちゃだった弟は、学生時代からシルビアや86を走らせていたが
私は幼少の頃の貧しい生活と
バブル崩壊後社会人になった身としては、お金がない状態で車を買うのは躊躇していた。
5年間、贅沢をせずにコツコツと貯めた資金は300万円に届こうとしていた。
幼少期のスーパーカーブームを経験していたためだろうか、
スポーツカーに憧れを抱いていた。
初めスープラを買いたいと思い、トヨタのディーラーに赴いた。
おしゃれに無頓着でお金をかけない私は、みすぼらしい格好とぼさぼさの頭で
きれいなお姉さんにカタログをくださいと告げた。
冷やかしに来たと思われたのかもしれない。
何も聞かれず、ただパンプレットを1部だけ貰って後にした。
(私には天下のトヨタのスポーツカーは売ってくれないのだろうか)
ある時、仕事の関係でSUBARUの販売店に訪れることがあった。
初めてSUBARU車のカタログを手にした。
WRCで三菱と覇権を競っていた時代。
街中でエレガントなスポーツカーよりも荒々しく、力強いSUBARU車に惹かれた。
しばらくして、LEGACYのセダンがB4(BH)として販売されるようになった。
4WD、ビルシュタインダンパー、
しかも内装も革張りシート、マッキントッシュのオーディオと
とても魅力的だった。
当時、富士重工は経営危機にあり、日本の車メーカーでは最下位、
品質も今一つ、軽自動車のイメージが強かった。
それでも実直な造りと高スペック、割安感はとても魅力だった。
今では信じれないが、値引き1割当たり前、
B4は乗り出し250万円で手にすることができたのだ。
納車の日、ディーラー営業から贈られたのが、
件のコードバンのLEGACYキーホルダーだった。
嬉しくて、楽しくて、たくさん遠出した。
そのあともB4(BL)がにy6速MTになった時に買い替えた。
12年間、ほぼ毎日乗った。
今、乗り継いだB4 2台は手元にはないけれど、
初めてマイカーを手にしたときの思いと数々の思い出は、
キーホルダーに刻まれている。
今、こうしてWRX STIを手にして、そのキーをLEGACYのキーホルダーに通した。
これからも新しい思い出と共に、古ぼけたこのキーホルダーに刻まれていくだろう。
Posted at 2017/09/01 22:07:07 | |
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