
クルマが車検から戻ってきたら、ステアリングのセンターがずれていた事はないでしょうか?
その時にメカニックに尋ねたら、「サイドスリップがずれていたので調整したため、位置がずれているのです」なんて訳のわからない説明をして来たら、そのメカニックは客の立場で整備をしていないと考えて良いと思います。
車検はあくまで法律の下に公道を走行するための手続きであって、メカニックは客からクルマを預かっている以上、“車検を通すため”に整備をするのではなく、“客のカーライフをサポートする”ために整備をするのです。
車検を通すためにステアリングがずれてしまうという理屈が通るとすれば、例えば、ドアの傷を板金修理するために修理に出したら、傷はピカピカに直ったけど、クルマのあちこちに塗料が付着して返ってくるようなものでしょう。本末転倒です。
陸事の近くにある調整屋やいい加減な整備工場では、片側のタイロッドだけ調整してサイドスリップ検査を通します。
確かにそれでサイドスリップは合格できますが、ステアリングのセンターも必ずずれます。
場合によっては元々センターがずれていて、ずれた結果位置がまっすぐになったのであればそれ以上望む事はありませんが…。
私がメカニックをしていた頃は、サイドスリップを調整した後には必ず実走して、ステアリングがまっすぐになっているか入念にチェックしていました。
ずれていれば左右同量をずらし、再び実走。
ステアリングがまっすぐ&サイドスリップがゼロになったら晴れて検査へ。
(ゼロでなくても車検は通せますが、さすがにトーインの注文をしてくるお客さんはいませんでした)
でも車検時にそういう事をしていたメカニックを見た事がありませんでした。
勘でやっていたとすればそれはそれですごい。
ステアリングがまっすぐなクルマは気持ち良いです。
…いえ、ステアリングがまっすぐなのは当たり前。ずれているのが気持ち悪い。
86のトーイン調整をして、ふと思い返しました。
Posted at 2018/12/02 00:16:38 | |
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