2011年03月08日
高嶋哲夫の小説です。
地震研究をしているポストドクター(博士研究員)は、地震シミュレーションを元に、
地震予知の研究をおこなっていた。
シミュレーションの結果では半年後、東京都市部をM(マグニチュード)8クラスの
地震が起きる結果がでていた。
しかし、静岡の観測所では、群発地震を観測し政府、各省庁は東海地震への
警戒を強めていただけだった。
主人公はかつて地震シミュレーションの第一人者であった元教授と巡り会い、
シミュレーションを修正すると驚愕の結果が弾き出された・・・。
前半は、地震や地震シミュレーターの説明、状況説明など淡々と進むのですが、
後半になると一気にラストまで駆け抜ける。
そんな感じの小説です。
正直、関東で大震災なんて起きるのかな~、なんて思ってしまいますが、
日本は、大陸プレートが幾つも交差している部分のすぐ近くにあり、かつプレートの
縁にある島国。
プレートはいわば弓が引かれていくような状態でその中にエネルギーを蓄えて、
いつかはそのエネルギーを放出する。
そのエネルギーの放出が地震ってわけです。
日時が決まってないけど必ず決行される行事のようなもの。
つまり、いつかは地震が起きる。エネルギーが全て放出されるまでは・・・。
そう考えて読み進めると防災意識をしっかりしないといけないなぁと感じました。
例えば、家具が倒れないように金具で固定したり、寝室に倒れてくるような家具を置かないように
したり、避難経路を確認したり。
我が家は免震でも耐震でもないから大地震で倒壊するかの可能性があるので、
地震が起きた際はトイレに逃げ込むのが一番かな~。
上には階段と屋根しかないし。
あ、避難する際はガスの元栓のほか電気のブレーカーを落とすのが重要らしいです。
地震発生後、電気配線に問題が起きても停電などですぐには発見出来ない場合があって、
停電復帰後ショートして火災が発生することがあるそうなので。
Posted at 2011/03/09 10:11:33 | |
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2011年03月01日
麻生幾の小説です。
麻生幾と言えば、インテリジェンスとミリタリー小説。
しかもどちらかと言うと、警察官や自衛官が主人公だったりするんですが、
今回は、民間人のキャリアウーマンが主人公。
始めは下手な恋愛小説家に転向したのか?なんて思ったのですが、
結局はインテリジェンス関連の小説なんですけどね。
あらすじはある殺人事件が発生する直前、偶然、被害者と遭遇した主人公。
その後、色々な問題が起きて精神的に追い込まれていく。
しかし、偶然の出会いと思っていた遭遇が実は…。
ミステリー小説ならば、詰まらない部類に入るのですが、インテリジェンス小説なんで
犯人探し自体はあまり重要じゃないので良いのですが、
今回のオチは伏線があったとは言え、唐突過ぎるかなぁ。
それと、自衛隊と外事警察が動いていたのだけど、主人公がマークされていた動機が
いまいち釈然としない…。
今までに無い描き方は良かったんですけどねぇ。

Posted at 2011/03/02 08:20:35 | |
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読書 | 日記
2011年02月25日
麻生幾の小説。
自衛隊の特殊部隊に所属していた隊員が、ある作戦に参加した後、
自衛隊の気風に嫌気が差し、退官。
フィリピンでダイビングインストラクターとして働いていた。
・・・ある計画を胸に隠して・・・
が、情勢は彼を無常にも事件に巻き込んでいく・・・。
麻生幾らしく、自衛官(しかも特殊部隊)ネタです。
臨場感あり、謎解きのような要素ありで、ただ自衛隊は
こんなんだよみたいな紹介小説ではありません。
”ケースオフィサー”や”瀕死のライオン”を読んだ後だと、
描写されていない部分が補完されて、ストーリーに厚みが出ます。
内容が内容なだけに、強くお勧めできませんが、読み応えがありました。
Posted at 2011/03/07 10:39:36 | |
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2011年02月23日
高嶋哲夫の小説です。
今回は銀行役員と金融庁次官の贈収賄事件を追う検事が
主人公です。
物語は、主人公が、財務省官僚を任意で事情聴取することから始まります。
事情聴取を終えた財務省官僚は、数時間後に不慮の死をとげます。
その後、警察は自殺と断定します。
しかし、主人公は財務省官僚が自殺するように思えず、
抱えている贈収賄事件とは別に死の真相の調査を開始します。
なかなか進展のない調査と、状況証拠しかそろわない、贈収賄事件・・・。
ですが、あることをきっかけに、贈収賄事件も死の真相も明らかになっていきます。
死の真相はいったい何なのか?
贈収賄事件の結末は・・・?
手に汗握るサスペンスとは行きませんね、今回は。
どちらかというと、スローテンポで、じっくり読んでいく小説です。
結末的には意外性はありますが、どんでん返しって感じではないですね。
読み応えはありますよ。
Posted at 2011/03/16 17:13:59 | |
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読書 | 日記
2011年02月22日
高嶋哲夫の小説です。
傾きかけた小さな町工場が町おこしのためと町議会から押し付けられた風力発電機の
設計図とあまりに少ない建設費用。
しぶしぶ始めたものの、どうにか試運転までこぎつけた。
しかし、それは思わぬ事故を起こし倒壊してしまう・・・。
再度、開発をおこなおうと町議会に相談するが反対にあい、
町からの支援を当てにしない資金を集めて風力発電の開発に挑戦していく・・・。
読み終わると、爽快感が残る小説です。
何冊か読んだ高嶋哲夫の小説で始めて暴力が出てこなかった・・・。
(全てを読んだわけではないので、これ以外の小説も暴力なしってのがありそうですが・・・。)
色々と挫折、葛藤、苦悩を抱えて、目標や夢なんてものを持たずに生きてきた主人公の青年が、
自分が進んで始めた事ではないにしろ、目標や夢を持ち邁進し成長する姿には、
共感できるし、今の自分が仕事に対して目標なんてものがいつの間にかなくなっていることに
気が付かされました・・・。
(色々と夢や野望があったはずですが・・・。今は、夢というより欲まみれ・・・。)
ちょっと青臭いですが、自分の夢や目標をもう一度、考えてみようかと思わされる小説です。
・・・どうしても物欲に走ってしまうんだよなぁ・・・
Posted at 2011/03/16 16:55:13 | |
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