2011年03月09日
高嶋哲夫の小説です。
M8の続編に当たります。
M8は阪神・淡路大震災から10年後が舞台。
津波はM8から6年後が舞台になります。
つまり、2011年、今年って事ですね。
M8の登場人物も6年分の時間を経て、
それぞれの地位で登場してきます。
しかし、主人公は市役所に勤務する災害対策課員です。
元は、地球物理学を専攻していた大学院生で、
前作M8の主人公も一目置いていた人物です。
6年前に発生した、東京を襲った直下型地震以降、
東海・東南海・南海地震がいつ発生するか注目が集まっていた。
しかし、前回活躍した地震シミュレーションにはその兆候は現れていなかった・・・。
そんな中、東海地震の前兆とされるプレスリップが観測された。
しかし、発生しない地震。
緊張感が緩み始めたころM7級の地震が発生し、東海地震であると、
発表されたが、それは恐怖の序章でしかなかった・・・。
M8といい津波といい、地震の恐怖や津波の恐怖が描かれていて、
きちんと地震に対する備えをしなければと、思わされました。
この作品は津波が何であるか、どういうことが起こるかが描かれていて、
私自身が、誤解していたことを修正してくれました。
誤解していたこととは、”津波”と”高潮”は違うということ。
私は、言葉が違うだけで似たようなものだろうと思っていたのですが、
実は全くの別物。
高潮は台風や低気圧などの海面上における変化。
津波は地震などを原因とする海水の変化。
ということ。
わかりやすく言うと、高潮は風で水面を波立たせている状態で、現象的は水面の一部が動いている感じですね。
一方津波は、水の底を持ち上げて水全体を動かす状態なので、水面が盛り上がる感じです。
なので、高潮よりも津波のほうが、エネルギーが大きいので被害が大きくなるらしいです。
しかし、沿海にいる船舶にとっては、津波より高潮のほうが被害が大きいらしいです。
もう一つこの小説で知ったことは、”長周期地震動”。
この”長周期地震動”は、地震の揺れの周期が2秒から20秒の間隔で発生し、
低層よりも高層階に大きな影響をあたえる地震動らしいのです。
地震の規模にもよりますが高層ビルの高い階などでは、ゆれ幅が10mにもなるという
検証結果があり、しかも耐震・免震構造の建物だとしても、”長周期地震動”に対して、
脆弱な可能性があるという意見もあるらしいのです。
高層ビルは、地震などの揺れに対して、建物を揺らして、揺れのエネルギーを逃がす
構造をとっているのですが、”長周期地震動”の場合、建物の揺れと、地震の揺れが、
”共振”してしまい、許容範囲以上の揺れになり、ビルが倒壊するということだそうです。
う~ん怖い・・・。
地震や台風などは自然現象のメカニズムがわかっても、決して、とめることが出来ないく
必ず起こるもの。
くどいようですが、日頃の備え、心構えが重要ですね。
Posted at 2011/03/10 10:33:44 | |
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