マツダは何を失敗したか

よくマツダの失敗に多チャンネル化による販売不振が挙げられるけど、この会社の一番の失敗は引き際を間違えることだと確信してる。

第一次経営危機の時は多チャンネル化の裏でいつまでもロータリーエンジンの開発に資金を注ぎ込んだことが一番の問題。
それもガソリンではなくその時やってたのが水素燃料ロータリーの開発。
作ったはいいけどとても乗用車に使えるような出力はなく、水素そのものの温度管理が難しく量産化は無理。
それでも開発費に資金を注ぎ込んで経営難に陥ることに。

フォード傘下になって開発を中断し徐々に回復。
そしてこの経営難を救ったのが初代デミオとアクセラ。

デミオは主に国内市場でアクセラはフォードフォーカスにプラットフォームをOEM供給することで地道に売り上げを回復しフォード傘下から離脱。

このとき貯めた資金を投入してやったのがスカイアクティブ技術とCXシリーズに代表される魂動デザイン。

すごい圧縮比のエンジン作りました、車体重量見直しました、一目で惹かれるデザインにしました、内装も安っぽさはありません、乗り心地は良くないですというトータルバランスとしてどうなのよという車を作って欧州でグッドデザイン賞、北米で売り上げを向上させるという芸当をやってのける。

ここまでは良かった。
ここから2度目の引き際を間違える。
フォルクスワーゲンをはじめとするディーゼルエンジン燃費偽装、いわゆるディーゼルゲート事件が発覚。

この時点でディーゼルから手を引いとけば良かったものの、ここでまた意固地になってスカイアクティブXなんてものを開発する。

ディーゼルゲート事件以降、欧州ではガソリンより軽油のほうが高くなりディーゼル車は売れてない。
ドイツだと一番高い時でリッター320円くらいだったと思う。
アメリカに至ってはほぼほぼガソリン車で全くと言っていいほど売れてない。
そりゃそーよね、ガソリンが圧倒的に安くて乗用車におけるディーゼル車割合なんて1%もねーんだもん。

いつまでもディーゼルを止めなかったんで売り上げが大幅に低下。

ついでにアメリカのキャシュバックセールに巻き込まれて販売増売り上げ減という売るだけ損という状況。

そもそもが国内市場と海外市場を天秤にかけて海外市場とったメーカーなんで国内での売り上げは見込めず、じゃあ次はどこに車を売るんだとなってるのが今のマツダ。

あ、ちなみに今やってるCX-60 CX-80なんかのラージ商品群て80年代90年代にビッグ3がやってた大きい車で大排気量で売価をガッツリつけて利益性を高めるってやり方と同じ。
そもそも使っとる素材も量も一緒で排気量が上がるだけで値段が跳ね上がるってそういうことなんで。

あとマツダって会社、過剰生産で在庫管理下手なんでデッドストックのコストも大きい。

正直単体で生き残るとは思わないし、トヨタの1チャンネル、GMで言うところのシボレーみたいな感じで残るんじゃないかなと思ってる。

こんだけケチョンケチョンに書いてるけど別にマツダが嫌いなわけではないし、BKアクセラCWプレマシーと乗り継いできたのがその証拠だしこの2台に関しては乗り心地は良かった。

ただ代車で借りた魂動のデミオに乗った時に「なんだこのガサツな箱は？」という乗り心地、乗用車でなく2トン平ボデーに乗ってる感覚に近かったので、乗りたくねぇ！って初めて思った。

これだったら多少高くても資産価値のあるトヨタ車かいろんなことを諦めて軽のハイトワゴンに乗るかなって思う人が多いと思う。