スカイライン250GTを借り出し長く乗る機会があったのでインプレッションします。
◆エクステリア&インテリア
ごっつい顔立ち、巨漢でパワーもある。第一印象は恐竜。外観はとりあえずイケメンであると思います。好き嫌いはあると思いますが、かっこよく仕立てたデザイナーの思いは伝わってきます。特にリアピラー付近のくぐもった力強いタメの部分とフロントフェンダーの盛り上がりのリズム感はいい感じです。もう少しソリッドなアクセントや絞り込みを聞かせるとさらにメリハリが出たんじゃないかなと思います。
インテリは、センターのナビを中心にしたコンソールはなかなかかっこよく使い勝手も悪くありません。それに比べスピードメーター、タコメーターなどの目の前の計器類が安っぽく、はたまたスポーティーなわけでもなく中途半端な仕上がりです。シートの調整、ハンドルのチルトテレスコピックなど多くの調整ファクターがあるものの、いろいろ試してもどうもこれといったぴったりくるポジションが見つかりません。その証拠に長距離を乗るとどうしても疲れてしまいます。腰が痛くなったりします。
便利な機能はいっぱいですね。左ミラー下についている幅よせようのカメラはすごく便利ででかい車に必需品だと感じました。フル加速するとナビに「スピード注意」って怒られるのはびっくりです。ナビのAV音質も悪くないです。
◆エンジン、乗り味
VQ25HRエンジンは2.5lV6としては高い回転までスムーズに回り心地よいサウンドを聞かせてくれます。パワーもじゅぶん。2500回転から4000回転ぐらいまでトルクバンドに載せると有り余るパワーでグイグイ走りますが、気がつくとスピードですぎて怖いです。ATミッションは特に特徴なく、極低速域、中速域はそれぞれスムーズな走りをしますが停止状態からわずかにラフ目にアクセルを踏むと多少ギクシャクした出方をします。
ブレーキ。これはよくないです。ブレーキを踏んだ踏力とブレーキの効きがリニアでないんです。途中までするするとブレーキが滑って最後のほうでカクンと聞く感じ。最終的なブレーキの効きとしては悪くないのですが、ブレーキコントロールなんかできたもんじゃないです。
乗りごこちは立派にラグジュアリーカー、車重もあってしっとりとした乗り味があります。ハイウエイをまっすぐ走って快適な車です。ただ直進安定性がそんなに良いわけではなくタイヤの空気圧の成果もしれませんが、常にわずかな舵補正をしながら走る必要があります。車重は1.8トンと巨体なのできびきびした走りは期待できず。車とのフィット感も得にくいです。ハンドルの中立位置がちょとあいまいで、タイヤが大きいからか地面からインフォメーションがわかりにくいです。エンジンや駆動系のインフォメーションも常用する回転域、スピード域ではラグジュアリーのために消している感じです。大きくて、重くても車との一体感は重要だと思いますが。
パワーは十分あります、シャーシ、ボディーも薄っぺらな印象はありません。しかし全体的に運転者とのフィット感が薄く、いろんな外部からのインフォメーションが消されていてあいまいな感じ、これ=ラグジュアリーなんですかねぇ。
スカイラインといえば20年ぐらい前にR32の普通のGTにちょっと乗ったことがありますが、その時の印象は、ボディーがざっくりとした余裕を感じるようなしっかりしたモノコックボディーだなと感じたことを今も覚えています。それに無理のないサスペンション、頼りがいがあるエンジンという印象でした。反面豪華なラグジュアリー感は薄いものでした。
◆総評
求めるユーザー層の変化、北米インフィニティーブランドの要求仕様に合わせ結果なんでしょうね。いろいろ書きましたが、総じて、日本車においてはいまだすぐれたFRセダンだと思います。ということで、ラグジュアリーな恐竜君でした。
Posted at 2013/04/24 12:13:27 | |
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