車について語るなら一度これに乗ってから

内外装ともノーマルで乗るのが一番美しい。外観のカチッとしたこのデザインが気に入っています。内装はシンプルで余計な物が付いていない所が良い。これから乗る人は是非（有用とわかっていますが、この車に限っては）ドリンクホルダーとか、カーナビ等の余計な物？を付けず乗って頂けるとこの車本来の魅力を最大限味わえると思います。（そういう私もETCとドラレコは付けています）

現代の車に比べてしまうとパワーは劣るが、もうそこは全く関係ないと思える世界感があります。

W124については排気量や年式の違いで優劣を語る方も多く、特に前期は剛性感高く、後期は経営問題からコスト削減が目立つ様なネガティブな意見も過去良く見かけました。こう言う話にはあまり当てにならない情報も多かった様に感じています。最たるものは500の前期だけがポルシェラインと言う都市伝説(実際は後期も含め全てポルシェライン)。

代車や試乗で500/400/320/280の複数台、複数年式を乗り比べた結果から言えば、シリーズ最高峰の500E/E500は基本構造が異なるので別格としても、それ以外のモデルでの差は言われる程は無く、大きな所では優劣と言うより設計の方向性や味付けの違い、後期モデルは次世代モデル寄りの設計を反映させた結果、前期とは違うソフトなテイストに仕上がったもので、結局は評価する側の好みの問題と結論づけてます。

足回りの部品を全てリフレッシュして乗れるならば、これ以上何も求める物はない。

セダンとしては充分。トランクスルーやリアシートを倒すなんていう便利機能は無いですが、この車に限っては、そんな物は要らない、何の不自由もありません。

乗り始めた当初は街乗りで10km/L、高速メインだと12km/L位だった筈なのに、最近車齢には勝てず、悪い時で6km/L、高速メインで10km/L前後が限界になりました。ここはエンジンオーバーホール、他色々試しても、どうにもならなかったところ。

この造りと品質を考えると新車時700万円は安い。また車齢30年でもしっかりメンテしていれば性能・品質を大きくは落とさず、今でも日常使いの現役メインカーとして使える、恐ろしい程の実用車であり、その意味でも総合的に格安な車だと思います。

中古車市場では何故ワゴンばかり人気あり値上がりしているのか、この車に長年乗っている者としては全く理解できません。

W124の醍醐味はセダンでこそ味わえる、セダンの中古車価格、下取り価格はこの車の真価に見合わず、市場の評価は不当に感じますし、価格が付かない事で国内にある良質な個体が多く海外市場に流出してしまったのは実に勿体無い話です。

W124の入手を考えている方には今が最後のチャンスかもしれません。少しでも多くの方にセダンの良さに気づいて頂き、セダンを選びワゴンとの差額でしっかり整備してこの車の持つ魅力を最大限味わうのが正解筋だと思います。