
全国のホシガーリでヘソマガーリな中高年の皆さん。
皆さんの若い頃には存在しなかったハイテクガジェットで溢れかえる世の中を横目で見ながら、やれ「デジタルミラーは老眼にきつい」だの、やれ「バイクにスマートモニターなんか付けたら危なくてしょーがねーよ、ハンドル周りはシンプルが一番」だの、意地はって現代技術の恩恵から目を背けていませんか?
はい、私もそんなへそ曲がりの一人でした。冬の寒さなんて着込めばオッケー、電熱ウェアなんて電気のムダだろワケわかんねーよ、って思ってました。
ところが、です。
ある寒い朝、今年も本格的な冬が来たなあ、なんてこと思いながらもこもこ着込みスズキGSX-R125に跨って箱根に出発したら、考えが変わったんですよ。
着ぶくれして動けねぇ!!
まず首回りが窮屈すぎて、首が上に向かない。これは前傾のきついセパハンバイクだと致命的。上半身に着ている下着、インナースウェット、内ジャケット、外ジャケット、それにネックウォーマーと、すべてのレイヤーが首の後ろに挟まることになる。
夏の間は全然気にならなかったけど、冬になったらセパハンバイクの前傾がけっこうこたえることに気づいたのでした。体力というより体型的に。
さらに着ぶくれした身体が重すぎて、心がどんなにやる気でも肉体のほうは手抜きなリーンウィズ以外のことをしたがらないという超怠け者運転に陥る。これじゃSS乗ってる意味ねーぜ。
そんなわけで、レイヤーを減らすしかないと思い電熱ウェアを買いに街へ出かけました。
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某バイク用品店に行ったとき、最初に薦められたのはこれ。
ヒートマスターというブランドらしい。
うん、いいんじゃない、これください、いや待ってこれ4まんえんもするの?(イメージしてた予算の3倍だよ)、バッテリーは?え?バイクに直結?
とかなんとかやりとりした末、とりあえずその日はおうちに帰ってリサーチしてみることにしました。
おうちで調べた結果、電熱ジャケットを選ぶにあたっては次のようなことを考慮しなきゃいけないらしい。
1. 給電方法・・・携帯バッテリータイプかバイク直結タイプか。
2. 形態・・・長袖タイプかベストタイプか。インナーかアウターかの違いも。
3. 部位・・・上半身だけじゃなく、タイツ、靴下、手袋もあるよ。
4.スイッチの位置・・・バイク専用品は、乗車しながら操作できる位置にスイッチが伸びていたり、リモコンだったり。汎用品はそこまで考えられていない。
まず給電方法について考える。バイクのバッテリーからコネクタを伸ばしてジャケットに繋ぐバイク12V直結タイプのほうが、途中でバッテリー切れせずしかも高電圧でパワフルなので良いらしい。
でも、うーん、ぼくにはぜったい無理だなあ。下車するとき、バイクと繋がってることを忘れてきっと何かしらやらかすよ。そうに決まってる。
気づかずにバイクを離れようとしてコネクターを引っ張って壊しちゃったり、最悪バイクごと倒しちゃったり、逆に自分がすっ転んだり。少なくとも、グローブしてバイクに跨ってさあ出発、ってときに繋げてないこと思い出してもう一回グローブ外すはめになるなんてのはしょっちゅうやりそうだ。それやこれやが心配だから、私はバイク用エアバッグもディスクブレーキに付ける盗難防止ロックも使うのを諦めているのだ。
そもそも全部のバイクにコネクタ取り付けるの面倒だし、小排気量車じゃ発電機の容量が追いつかない可能性もある。
そんなわけで、携帯バッテリータイプのほうにする。
次に形態。長袖は腕が冷えることを心配しなくてよさそうだけど、携帯バッテリータイプだと選択肢のほとんどがベストタイプっぽい。じゃ、ベストでいいや。
そして部位。私の場合、これまで寒かった経験はやっぱり上半身の胸のあたり。風が真正面から当たるからね。下半身が寒かった記憶はあんまりない。そしてグローブは電熱うんぬんよりもやっぱりフィット感で選びたいので、ヒートグリップで充分。だいたい、手が冷えて困るのは厚手のグローブを付けている真冬よりも、レザーグローブを使っている秋口や春先の朝や夕暮れどきだけだ。
あとネックウォーマー型のものもあるようだけど、首なんか電気で温めたら眠くなること必至なんじゃなかろうか。頭寒足熱と言うじゃないですか。
そんなわけでとりあえず上半身用を買い、使い勝手がよければ下半身用も検討することにする。
で、最後にスイッチの位置。上述のヒートマスターは携帯バッテリータイプのベストも1万円台後半で出してるんだけど、バイク専用でなく汎用ユース想定らしくスイッチが胸位置にある。操作はアウタージャケット脱がなくても触れる位置にないと。
信頼できるブランドでちょうどいいのないかな、と探していたら、コミネがよさそうなのを出していたのでそれにした。EK-108というやつ。
コミネからはEK-115という、ベストに加えて前掛けみたいに2本のべろが膝までべろーんと伸びているタイプと(これ↓)、
EK-101という救命ベストみたいな形のタイプ(これ↓)
それに今回買ったEK-108というふつうのベストタイプの3種類があるようだ。EK-108はHPから消えているので、もしかしたらちょうど型落ちしたところなのかもしれない。
スイッチが下に伸びているのが気に入ったのと、EK-115みたいに膝まで伸びてると腰の動きを阻害したりパンツの中でずれてイラッとしそうなので、このEK-108に決めた。救命ベストみたいなやつは……着るタイプじゃなく肩に載せるタイプなので、なんだか落ち着かなそうな気がして候補に入れなかった。
そんなわけで、さっそくGSX-R125に再び跨り12月初旬の伊豆・箱根で使ってきました。
結論としては、暖かさは充分。身体の動きも阻害されない。腕に寒さを感じることも別にない。今まで躊躇していたヘソマガーリの皆さん、これは買いです。
ただ、そもそもこの手の商品って、「どこに住んでてどういう使い方をしてるのか」によって評価が大きく違ってくるはず。宮崎、愛媛と並ぶ日本の南国県と称される静岡県住みの私が、東洋のハワイたる伊豆半島で3時間ていどのショートツーリングで使った感想だということを申し上げておきたい。
「より暖かく」を求めて電熱ウェアを買う人もいるだろう。でも南国住まいからしてみれば、これらの商品の価値は暖かさそのものよりも、「真冬でも晩秋くらいの感覚でバイクに乗れる」ことのほうが大きい。
そもそもの購入動機だった、身軽化・薄着化による動きの柔軟性は確保できた。それに、特に収納スペースのないスポーツバイクでは、気温が出発時の想定より寒くなったり暑くなったりしたときに予備のインナーを1枚着たり脱いだりすることができないので、スイッチひとつで温度調節できるのは非常に助かる。
ただし、そのためには「電熱ウェアに頼り切る!」という覚悟が必要だ。慣れるまではついつい「寒くなったときの念のため」とか言って、ふだんの真冬の服装に加えたプラスアルファの装備として考えたくなる。それじゃ意味ないので、勇気を持って薄着で出かけよう。
そのかわり薄着で出発して途中でバッテリー切れでもしたら目も当てられないので、予備のバッテリーは必ず持っていくことにしたい。
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といったところで細部を見ていく。
バッテリーは、内ポケットに入れる仕様。専用品も使えるしスマホ用モバイルバッテリーも使える。
私は充電ジャンキーではないけど何かの販促品でもらったモバイルバッテリーを一つ持ってるには持ってる(使ったことはない)。だけど専用品(7.4V)のほうが出力が高いし小さいので、この際だからこれもいっしょに買うことにした。1個だけのものと2個セットのものが売られている。途中で凍え死にたくないので当然2個セットだ。
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バッテリーサイズも小さくて邪魔にならないので予備を持って歩くのに困らない(参考までにインペリアル・シャトルとのサイズ比較を置いておきます)。
前述のとおり、スイッチは舌べろみたいに下に伸びてるので、アウタージャケットの下に出して乗車中に操作できる。長押ししてスイッチオン。あとはクリックするごとに強(赤)・中(オレンジ)・弱(緑)が入れ替わる。フルフェイスを被っていると直接は見づらいので、ミラー越しに確認するのがよい。
ところがこれが、乗車中にいつの間にかスイッチに触れてしまうらしく、気づいたらやけにポカポカしてるなあ、と思ってみると強に変わってたりする。前傾バイクだけの現象なのか、アップライトポジションでも起こることなのかはさらなる検証が必要だけど、けっこうこれは重大な欠点だった。何らかの対策が必要かも。
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外側も内側も肌触りはすごくいい。内側は毛足長めで艶のあるベルベットみたいな感じで、キャバクラの黒服が着ていそうなシャバダバ感がある。あるいは、マタギが山に入るとき着てそう。ようするに熊っぽい。
バッテリーの持ちは、基本「中」設定で(途中でスイッチ誤作動で強になったり弱になったりしたけど)1本につき3時間持った。気温は下で12度くらい、山の上で4度くらいだったかな。冬にロングツーリングなどまずしないので、2本6時間持てば充分だろう。
とまあそんなわけで、スイッチの位置以外は満足なんですけど、そんなことよりGSX-R125で伊豆箱根をツーリングするのはえらい疲れたよ。
ユニークで面白いバイクなんだけど、有料道路使えないのは私の求める使用環境にはどうにもこうにも不便だし物足りない。
箱根の上のほうのいくつかのコーナーで独特な気持ちよさのコーナリングを味わあせてくれるんだけど、そこに行き着くまでが大変。
輝く場面がものすごく限定されてしまうんだ。
このバイクはやっぱりトランポに積んでミニサーキットで楽しむのが正解な気がする。それから、街乗りでもスポーツバイクのスタイルと乗車姿勢を楽しみたいという若い人が都会で通学とかに乗るのにはいいかもしれない。
ちょっと前のブログで書いたニダボとZX-4Rの試乗記も踏まえつつ、まあそういう方向に行くもんだと思っておくんなせえ(と、さりげなく違う話題の伏線を張って締めくくる)。
Posted at 2025/12/06 15:05:52 | |
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