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Danny Wongのブログ一覧

2026年01月04日 イイね!

【ライテク】習うより慣れ、考えるより感じろ

【ライテク】習うより慣れ、考えるより感じろ私の地域では快晴続きのおだやかな正月だけど、年末にちょっとした怪我をしたせいでバイクも車も乗れず、仕方ないのでずっと家で本を読んだり映画を観たりしながら、その合間にYoutubeのライテク動画を漁っている。

働いている力学が直感的にわかりやすく、乗り方の「正解」へのコンセンサスがある程度とれている四輪(スポーツドライビング)の座学と比べて、二輪(スポーツライディング)の座学というのはその物理特性の複雑さゆえか人によって言ってることが全然違ってたりして、複数のチャンネルをハシゴしてるとだんだん混乱してくるけど、そこがまた面白い。

四輪の理論とは、突き詰めていけば4本のタイヤのグリップを最大限引き出すためにハンドルと2つのペダルという限られたインターフェイスに何をどう入力するのか、ということに尽きるんだけど、二輪にはそういった「入力系」の操作と同時に、自分自身がバイクのマス=運動体の一部となって運動力学に直接関与するという「荷重系」の操作も存在するから、そのぶん話が複雑なのだ。

バイクの傾け方一つとってもそうだ。ある人は「ハンドルをこじらず体重移動で自然に傾けて生じるセルフステアを活かせ」と言う。別の人は「体重移動だけでは曲がらないんだから逆ハンを意識しろ」と言う。最後まで動画を見ると、たいていは「でもまあどっちも必要よ」みたいな結論にはなるのだけど、そのどちらをより意識するかのスタンスは人によってけっこうきっぱり分かれる(いくつかの動画を観た印象だと、自然リーン派はモータージャーナリスト系の人が多く、逆ハン積極活用派はプロレーサー系の人が多い気がする)。そしてその背後には、それぞれを信奉する我々一般ライダーがたくさんいるはずだ。

四輪だと、はっきりと意見が分かれる(つまり、論争ネタになりうる)トピックって「コーナリング中にクリッピングポイントまでブレーキを引っ張る」か「直線でブレーキングを終わらせて早めに脱出体制を作る」かみたいなことくらいしかぱっと思い浮かばないから、やっぱりバイクは奥が深いなあと思う。

で、そんなふうに異なるライディングセオリーを信奉する複数の流派が生まれる理由って、一体どこにあるんだろう。

たとえば、それはバイクに乗り始めた時代の違いなのかもしれない。

我々リターンライダーの多くは、若い頃に読み漁った数十年前のライテク本や雑誌がそのライディング理論の基礎になっていることと思う。

そんな本を書架の奥から引っ張り出してあらためて読んでみると(トップ画像参照)、最近のライテク動画とは真逆のこと言ってるなー、みたいな記述もちらほらある。当然のことながら、20年、30年の間に車体もタイヤも進化して、前提条件となる運動特性が変わってしまっている。また、当時は一般に信じられていたけど実は間違いでした、みたいに、歪められたまま独り歩きしてたセオリーも結構あると思う。

たとえば昔はハングオフといえば、頭はバイクの鉛直線上に残し、弓を引っ張るように腰をイン側に入れて体幹をしならせる、みたいなのが定説で、当時のタイヤ性能ではそのくらいが限界だった。だから今でも、頭をトップブリッジ上から外さないよう意識して乗っている人もけっこういるんじゃなかろうか。

また、私が免許をとった頃の教習所では、背筋を伸ばして「逆反りぎみ(胸を張る)」にして乗るよう教えてた記憶があるが、一方で今手元にある30年前のライテク本を見ると、上体の姿勢は「猫背」を推奨している。現代では昔の教習所寄りの、背筋を伸ばしたまま骨盤ごと前傾するというのが一般的なように思う。昔の本の「猫背」理論が当時として一般的だったのかあるいはその本の著者の独自のスタンスだったのかはわからないが、おそらくこの30年の間にサスが進化したおかげで、上体をしならせて路面ショックを吸収する必要性が薄れたのだろう。

リターンライダーの我々がバイクから離れていた間、ライディングセオリーも変化してきたはずなので、何がまだ通じて何がもう古いのか、ひとつひとつ確認しながら知識をアップデートしていくのはけっこう骨が折れる。

それからもちろん、想定している場面の違いというのもある。多くのプロレーサー系ユーチューバーは「公道もサーキットも基本はいっしょです」なんてことを言うが、旋回姿勢を取る時間の長さが全然違うので、コーナーでやることの優先順位は変わってくると思う。サーキットでは深く長くバンクを維持して旋回能力を最大限引き出したいけど、不確定要素だらけの公道では大きな姿勢変化を避け、なるべく短時間のうちに浅いバンクで旋回を終わらせたほうがいいんじゃないか、と私は思う。

ただ、そういった時代だとか想定状況といった違いとは別に、複数のチャンネルのそれぞれのライディングセオリーを聞いていて感じたのは、これらってただの人それぞれの言語化の仕方の違いでしかなくて、けっきょくのところ同じことを言ってるんじゃなかろうか、ということだ。

リーンのときに、ある人はハンドルを操作する腕の方により意識が向いていて、別の人は体重移動する腰や足のほうに意識が向いていて、でもやってる一連の流れには本質的な差はないのかもしれない。

とくにYouTubeだと「こっちが間違いでこっちが正しい!」みたいな断定的なナラティブのほうがビューを稼ぎやすいし、短い時間の中で言葉で結論を示さなきゃいけないからよけい混乱を招きやすいんだろうけど、YouTubeだろうと対面だろうと、そもそも身体感覚を客観的に言語化すること自体が本来はほとんどムリな話なんじゃなかろうか。

個人的には、これまでやってきた身体感覚系スポーツで、コーチに言われたり技術教本で読んだことで「なるほど!」と腑に落ちて身につけられた経験なんてほとんどない(わずかにはあるけど)。だいたい私はレッスンみたいなので人に教わるのがひどく苦手なのだ。アドバイスをもらえばもらうほど混乱するタチで、たいていはレッスンが始まったときより終わる頃のほうが下手になっている気がする。

まあこう書くと、教える側じゃなくて教わる側の問題のような気もしてくるけど、私みたいに「身体をこう動かしなさい」みたいな教わり方をしてもピンと来ないししっくり来ないという人というのはそれなりにいるはずだ。

そんな我々にいちばん合っている上達方法はたぶん、「ステップを踏め」とか「内ハンドルを押せ」とかいった操作方法を習いそれを頭に叩き込んですぐ実践してみることじゃなくて、「バイクはなぜ曲がるのか」みたいないちばん根っこにある運動力学を理解し、かつそれをいったん頭の奥底にしまいこんで数ヶ月から数年熟成させることなんじゃないかと思う。

私が若い頃に読んだライテク本に書いてあったセオリーって、読んだときは正直なんのことかさっぱりわからなかった。そしてわからないまま言われたとおりやってみて、それが実際にバイクの挙動に狙った効果が出てるのかは関係なく「言われたとおりにできているかどうか」を目的化していた。

でも20年近くのブランクの間にそんなセオリーの細かいところなんて忘れてしまい(だってバイクなんか二度と乗ることはないと思ったんだから)、でも運動力学の大事なエッセンスみたいな部分はなんとなくイメージとして心の片隅に残っていたように思う。

そのおかげか、20年後に再びバイクに乗ってしばらく乗っていたら、不思議なことに昔よりはるかに自然に、はるかに落ち着いてバイクを操れていることに気づいたのだ。その間にライテク本も動画も何も観ていないにも関わらずである。それはつまり、「考えながら乗る」ことを無意識のうちにやめていた、ということなんだと思う。セオリーの部分を意識しすぎると、身体より思考が優勢になってぎこちなくなる。セオリーなんてものは誰かが無意識にやっていることを無理やり言語化したものに過ぎない。

じゃあ何を持って「正しく乗れているか」をチェックするかと言うと、それはもうタイヤと車体と自分自身の状態をその瞬間ごとに感じ取るメタ認知能力を高めるしかない。それぞれの関係性が自然でどこにも無理がかかってないように感じたのなら、つまり「乗りやすいなあ」という心地よさを感じたのなら、それはきっと自分にとっての正しい乗り方なのだ。

だからさ、いろんなライテク動画やライテク本やスクールの投げかけてくる大量のセオリーを貪り頭を悩ませながらバイクに乗る必要なんて全然なくて、座学は座学として「ふーん」と聞いて頭の片隅に追いやっておけばいいんですよ。

今さら誰かに教わった理想フォームをなぞるよりも自分の直感を信じるほうが(特に経験値と反比例して人に教わる力が弱くなっている中高年ライダーにとっては)役に立つし、ブルース・リーじゃないけど「考えるな、感じろ」、ジェダイじゃないけど「今この瞬間の生きたフォースに集中しろ」なのである。
Posted at 2026/01/04 23:53:26 | コメント(3) | トラックバック(0) | 運転 | 日記
2025年12月13日 イイね!

年末の断捨離大会(※断つとは言ってない)

年末の断捨離大会(※断つとは言ってない)私、わりかし「新年の抱負」みたいなのはきっちりクリアするタイプなんですが、2025年度の抱負「新しい乗り物を買わない(発注ベース)」は、新年早々のドゥカティ・ムルティストラーダV2Sの発注により1ヶ月も持たず失敗に終わりました(IS500納車も決まってたけど、こちらは24年中の発注だったのでセーフ)。

振り返ってみれば2022年にはバイク3台(ドゥカティ・スーパースポーツS、ハーレー・ファットボブ、MVアグスタ・スーパーヴェローチェ800)、2023年はバイク2台と車1台(トライアンフ・スピードマスター、ドゥカティ・スクランブラーと、アルピーヌA110)と、ここ数年タガが緩みぎみだったので、2024年つまり去年は「新しい乗り物を買わない」という抱負に決めたんでした。その24年は年末のIS500発注によりぎりぎりのところで失敗したので、25年度は同じ抱負に再チャレンジ、というのがことの経緯でございます(つまりIS全然セーフじゃなかった)。

そうして「新しい乗り物を買わない(発注ベース)」を心に誓ったはずの2025年は、しょっぱなのムルティから心のタガが緩みまくりで結果さんざんだったと言わざるをえません。ちょっと前のブログ「増えちゃった(均衡崩壊の序曲)」で書いたように、所有ラインナップの均衡が失われて流動化してしまったのが大きい。その後GSX-R125も買っちゃったし。ニダボも買っちゃったし(え?初耳だって?)。だってさ、福助みたいな顔した黒服の男が「あなたの心のスキマ、お埋めします」って言いながらYouTubeのバイクチャンネルを次から次にリコメンドしてくるんだもの(←妄想に責任転嫁)。

ただ25年度の進歩として、大型外車ばっか買ってた22年、23年と違い、25年は国産の小型・中型バイクが中心だったことを挙げたいと思います。それが褒めるに値することなのかどうか知らんけど。

そして2026年は「新しい乗り物を買わない」に再々チャレンジするか?というとそんなこともないんですが、とりあえず「所有ラインナップを安定させる」ことを目標とします。少なくとも増えた分は減らさなきゃいかん。

そんなわけで2026年度の布陣計画を以下に発表します。

【長距離ツーリング枠】
ドゥカティ・ムルティストラーダV2S
お楽しみはまだまだこれから、ということで、変わらず稼働予定。来年はどこか遠くまで複数泊ツーリング行きたいなあ。

トライアンフ・スピードマスター
今までありがとう。この子は断捨離し、これにてクルーザー枠を廃止とします。

エンジンの気持ちよさよりも旋回の気持ちよさのほうを大事にする方向に、私のなかのバイク観が変化したんだと思います。

【短距離ツーリング枠】
ドゥカティ・スクランブラー
伊豆半島の酷道を満喫するための起動力系として、また軽量な空冷ドゥカ枠として、変わらず稼働予定。

【セパハン・スポーツバイク枠】
ホンダ・CBR250RR
納車したてです。これぞ私の求めていたセパハンバイクの滑走感。命に優しい、ちょうどいい速度レンジ。さっそく気に入りまくりで、スポーツバイク枠は当分こいつで落ち着きそう。

詳しくはまたレビュー書きます。

スズキ・GSX-R125
ご期待いただいた皆さま、ごめんなさい。半年乗ったこの子も断捨離します。

有料道路の走れない原付2種はやっぱり楽しみ方が限定されてしまい、ここまでのダウンサイジングは必要なかったという結論に達しました。ミニサーキット専用化という選択肢も考えましたが、そうすると今度はトランポ運用が必要になるし、どっちにせよ似た立ち位置のバイクを2台持っていても仕方がないので、ニダボにスポーツバイク枠を譲ることにしました。

【所有満足枠】
クラシック系?スペシャルモデル系?カフェレーサー系?のイタ車
すぐにではないですが、1台くらい「眺めてるだけで満足できちゃう」「たまに車庫から引っ張り出し出撃したときのワクワク感が半端ない」系のスペシャルなやつを、ゆっくりじっくり狙い続けます。スーパーヴェローチェがそれに近い立ち位置だったけど、「公道じゃ速すぎて回せない楽しめない」と思って手放しちゃったのよね。

狙い目は90年〜2000年代のイタ車。851を復活させる?タンブリーニ系行く?ポールスマート(ドゥカ)やスポーツ1000(ドゥカ)のようなネオクラ・カフェレーサー系行く?もう1回2スト行く?どっかのメーカーから私好みのスペシャルモデルが出そうな予感もするし、旧車にこだわってるわけじゃないから安全・安心な新車ならそれに越したこと無いです。来年1年間かけて落ち着いて考えてから、2027年くらいに動くかも。

【スポーツカー枠】
アルピーヌA110
こっちもすぐにではないですが、あと1〜2年くらい乗ってから手放すかもしれません。

来年3月で受注終了らしいので、下手したらアルピーヌセンターも無くなっちゃったりして。わざわざ特別店用意するには、A110以外のラインナップじゃ弱いんじゃなかろうか。

乗れば現代最高にバランスの良いスポーツカーであることに間違いないのですが、実のところ、現代車はもう普段乗り枠とサーキット専用車の2枠だけで充分、っていう気になってます。普段乗ってるISが心地よすぎるせいかもしれません。


その代わり↓

とある旧車
60年代から90年代にかけての、いくつかの車種。若い頃にこっそり惹かれてた記憶が未だに脳裏に漂っています。そのうちの数車種は、淘汰されたのかあるいは本当に長く乗る覚悟の好事家のガレージに落ち着いてしまったのか、市場でも路上でもなかなか見なくなりましたが、一方でそれほど高騰することなくたまに売りに出ている車種もあります。

まだふわっと考えてるだけで候補が複数ある段階ですが、数年後でもいいので、あらためて研究しながらよい個体との出会いを待ってみようと思います。

さて、そんなわけで来年2026年は
「所有ラインナップの安定化」
という、達成したんだかしなかったんだかどうとでも取れるふわっと感あふれる目標を掲げ、じっくり長く乗れる車・バイクを探求していきたいと思います。

そんなふわっとした状態がいちばん心地良いのよね。買う意思を明確化しちゃうと、あとは買うしかなくなっちゃうから。
Posted at 2025/12/13 13:28:00 | コメント(5) | トラックバック(0) | 欲しがり | 日記
2025年12月06日 イイね!

電熱ウェアをまだお持ちでないあなたへ

電熱ウェアをまだお持ちでないあなたへ全国のホシガーリでヘソマガーリな中高年の皆さん。

皆さんの若い頃には存在しなかったハイテクガジェットで溢れかえる世の中を横目で見ながら、やれ「デジタルミラーは老眼にきつい」だの、やれ「バイクにスマートモニターなんか付けたら危なくてしょーがねーよ、ハンドル周りはシンプルが一番」だの、意地はって現代技術の恩恵から目を背けていませんか?

はい、私もそんなへそ曲がりの一人でした。冬の寒さなんて着込めばオッケー、電熱ウェアなんて電気のムダだろワケわかんねーよ、って思ってました。

ところが、です。

ある寒い朝、今年も本格的な冬が来たなあ、なんてこと思いながらもこもこ着込みスズキGSX-R125に跨って箱根に出発したら、考えが変わったんですよ。

着ぶくれして動けねぇ!!

まず首回りが窮屈すぎて、首が上に向かない。これは前傾のきついセパハンバイクだと致命的。上半身に着ている下着、インナースウェット、内ジャケット、外ジャケット、それにネックウォーマーと、すべてのレイヤーが首の後ろに挟まることになる。

夏の間は全然気にならなかったけど、冬になったらセパハンバイクの前傾がけっこうこたえることに気づいたのでした。体力というより体型的に。

さらに着ぶくれした身体が重すぎて、心がどんなにやる気でも肉体のほうは手抜きなリーンウィズ以外のことをしたがらないという超怠け者運転に陥る。これじゃSS乗ってる意味ねーぜ。

そんなわけで、レイヤーを減らすしかないと思い電熱ウェアを買いに街へ出かけました。

ーーーーー

某バイク用品店に行ったとき、最初に薦められたのはこれ。

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ヒートマスターというブランドらしい。

うん、いいんじゃない、これください、いや待ってこれ4まんえんもするの?(イメージしてた予算の3倍だよ)、バッテリーは?え?バイクに直結?

とかなんとかやりとりした末、とりあえずその日はおうちに帰ってリサーチしてみることにしました。

おうちで調べた結果、電熱ジャケットを選ぶにあたっては次のようなことを考慮しなきゃいけないらしい。

1. 給電方法・・・携帯バッテリータイプかバイク直結タイプか。
2. 形態・・・長袖タイプかベストタイプか。インナーかアウターかの違いも。
3. 部位・・・上半身だけじゃなく、タイツ、靴下、手袋もあるよ。
4.スイッチの位置・・・バイク専用品は、乗車しながら操作できる位置にスイッチが伸びていたり、リモコンだったり。汎用品はそこまで考えられていない。

まず給電方法について考える。バイクのバッテリーからコネクタを伸ばしてジャケットに繋ぐバイク12V直結タイプのほうが、途中でバッテリー切れせずしかも高電圧でパワフルなので良いらしい。

でも、うーん、ぼくにはぜったい無理だなあ。下車するとき、バイクと繋がってることを忘れてきっと何かしらやらかすよ。そうに決まってる。

気づかずにバイクを離れようとしてコネクターを引っ張って壊しちゃったり、最悪バイクごと倒しちゃったり、逆に自分がすっ転んだり。少なくとも、グローブしてバイクに跨ってさあ出発、ってときに繋げてないこと思い出してもう一回グローブ外すはめになるなんてのはしょっちゅうやりそうだ。それやこれやが心配だから、私はバイク用エアバッグもディスクブレーキに付ける盗難防止ロックも使うのを諦めているのだ。

そもそも全部のバイクにコネクタ取り付けるの面倒だし、小排気量車じゃ発電機の容量が追いつかない可能性もある。

そんなわけで、携帯バッテリータイプのほうにする。

次に形態。長袖は腕が冷えることを心配しなくてよさそうだけど、携帯バッテリータイプだと選択肢のほとんどがベストタイプっぽい。じゃ、ベストでいいや。

そして部位。私の場合、これまで寒かった経験はやっぱり上半身の胸のあたり。風が真正面から当たるからね。下半身が寒かった記憶はあんまりない。そしてグローブは電熱うんぬんよりもやっぱりフィット感で選びたいので、ヒートグリップで充分。だいたい、手が冷えて困るのは厚手のグローブを付けている真冬よりも、レザーグローブを使っている秋口や春先の朝や夕暮れどきだけだ。

あとネックウォーマー型のものもあるようだけど、首なんか電気で温めたら眠くなること必至なんじゃなかろうか。頭寒足熱と言うじゃないですか。

そんなわけでとりあえず上半身用を買い、使い勝手がよければ下半身用も検討することにする。

で、最後にスイッチの位置。上述のヒートマスターは携帯バッテリータイプのベストも1万円台後半で出してるんだけど、バイク専用でなく汎用ユース想定らしくスイッチが胸位置にある。操作はアウタージャケット脱がなくても触れる位置にないと。

信頼できるブランドでちょうどいいのないかな、と探していたら、コミネがよさそうなのを出していたのでそれにした。EK-108というやつ。

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コミネからはEK-115という、ベストに加えて前掛けみたいに2本のべろが膝までべろーんと伸びているタイプと(これ↓)、
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EK-101という救命ベストみたいな形のタイプ(これ
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それに今回買ったEK-108というふつうのベストタイプの3種類があるようだ。EK-108はHPから消えているので、もしかしたらちょうど型落ちしたところなのかもしれない。

スイッチが下に伸びているのが気に入ったのと、EK-115みたいに膝まで伸びてると腰の動きを阻害したりパンツの中でずれてイラッとしそうなので、このEK-108に決めた。救命ベストみたいなやつは……着るタイプじゃなく肩に載せるタイプなので、なんだか落ち着かなそうな気がして候補に入れなかった。

そんなわけで、さっそくGSX-R125に再び跨り12月初旬の伊豆・箱根で使ってきました。

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結論としては、暖かさは充分。身体の動きも阻害されない。腕に寒さを感じることも別にない。今まで躊躇していたヘソマガーリの皆さん、これは買いです。

ただ、そもそもこの手の商品って、「どこに住んでてどういう使い方をしてるのか」によって評価が大きく違ってくるはず。宮崎、愛媛と並ぶ日本の南国県と称される静岡県住みの私が、東洋のハワイたる伊豆半島で3時間ていどのショートツーリングで使った感想だということを申し上げておきたい。

「より暖かく」を求めて電熱ウェアを買う人もいるだろう。でも南国住まいからしてみれば、これらの商品の価値は暖かさそのものよりも、「真冬でも晩秋くらいの感覚でバイクに乗れる」ことのほうが大きい。

そもそもの購入動機だった、身軽化・薄着化による動きの柔軟性は確保できた。それに、特に収納スペースのないスポーツバイクでは、気温が出発時の想定より寒くなったり暑くなったりしたときに予備のインナーを1枚着たり脱いだりすることができないので、スイッチひとつで温度調節できるのは非常に助かる。

ただし、そのためには「電熱ウェアに頼り切る!」という覚悟が必要だ。慣れるまではついつい「寒くなったときの念のため」とか言って、ふだんの真冬の服装に加えたプラスアルファの装備として考えたくなる。それじゃ意味ないので、勇気を持って薄着で出かけよう。

そのかわり薄着で出発して途中でバッテリー切れでもしたら目も当てられないので、予備のバッテリーは必ず持っていくことにしたい。


といったところで細部を見ていく。

バッテリーは、内ポケットに入れる仕様。専用品も使えるしスマホ用モバイルバッテリーも使える。

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私は充電ジャンキーではないけど何かの販促品でもらったモバイルバッテリーを一つ持ってるには持ってる(使ったことはない)。だけど専用品(7.4V)のほうが出力が高いし小さいので、この際だからこれもいっしょに買うことにした。1個だけのものと2個セットのものが売られている。途中で凍え死にたくないので当然2個セットだ。


バッテリーサイズも小さくて邪魔にならないので予備を持って歩くのに困らない(参考までにインペリアル・シャトルとのサイズ比較を置いておきます)。

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前述のとおり、スイッチは舌べろみたいに下に伸びてるので、アウタージャケットの下に出して乗車中に操作できる。長押ししてスイッチオン。あとはクリックするごとに強(赤)・中(オレンジ)・弱(緑)が入れ替わる。フルフェイスを被っていると直接は見づらいので、ミラー越しに確認するのがよい。

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ところがこれが、乗車中にいつの間にかスイッチに触れてしまうらしく、気づいたらやけにポカポカしてるなあ、と思ってみると強に変わってたりする。前傾バイクだけの現象なのか、アップライトポジションでも起こることなのかはさらなる検証が必要だけど、けっこうこれは重大な欠点だった。何らかの対策が必要かも。

外側も内側も肌触りはすごくいい。内側は毛足長めで艶のあるベルベットみたいな感じで、キャバクラの黒服が着ていそうなシャバダバ感がある。あるいは、マタギが山に入るとき着てそう。ようするに熊っぽい。
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バッテリーの持ちは、基本「中」設定で(途中でスイッチ誤作動で強になったり弱になったりしたけど)1本につき3時間持った。気温は下で12度くらい、山の上で4度くらいだったかな。冬にロングツーリングなどまずしないので、2本6時間持てば充分だろう。

とまあそんなわけで、スイッチの位置以外は満足なんですけど、そんなことよりGSX-R125で伊豆箱根をツーリングするのはえらい疲れたよ。

ユニークで面白いバイクなんだけど、有料道路使えないのは私の求める使用環境にはどうにもこうにも不便だし物足りない。

箱根の上のほうのいくつかのコーナーで独特な気持ちよさのコーナリングを味わあせてくれるんだけど、そこに行き着くまでが大変。

輝く場面がものすごく限定されてしまうんだ。

このバイクはやっぱりトランポに積んでミニサーキットで楽しむのが正解な気がする。それから、街乗りでもスポーツバイクのスタイルと乗車姿勢を楽しみたいという若い人が都会で通学とかに乗るのにはいいかもしれない。

ちょっと前のブログで書いたニダボとZX-4Rの試乗記も踏まえつつ、まあそういう方向に行くもんだと思っておくんなせえ(と、さりげなく違う話題の伏線を張って締めくくる)。
Posted at 2025/12/06 15:05:52 | コメント(1) | トラックバック(0) | 日記
2025年11月12日 イイね!

人はなぜクルーザー・バイクに乗るのか

人はなぜクルーザー・バイクに乗るのか……という疑問がふとよぎったのは、ええかげん1台売らなあかん状況に私がいるから。今減らすとしたら、スピードマスターしかないじゃん。まいったね。

あ、スピードマスターというのはトライアンフから出ている、ボンネビルシリーズをクルーザーにアレンジしたバージョンのバイクです。

ついでにバイクに詳しくない人のために説明すると、クルーザーとは昔で言うところのアメリカンバイクのこと。要するにハーレーを筆頭にした、脚を投げ出してどかっと乗るあれです。

私自身、ここしばらくは所有バイクのなかにクルーザー枠というものを設けていて、手元に常にクルーザーが1台ある状態です。これまで3台乗った。ハーレー2台とトライアンフ1台。

でも、そいつらがメイン・バイクを務められるかというと、そういうわけでもない。いつだってそれは、大好物のスポーツバイクの合間に乗る箸休め的な存在。

1台売らなきゃいけないというのは、1台増えちゃったからにほかならない(こちら参照)。

クルーザー枠存続の必要性を疑問視する声も一部(※)から出てきており(※脳内自分会議にて)、そんな声への反駁も兼ねて今日はクルーザーの意義を考えてみたいと思います。

ちなみに、前にも似たようなこと書いたような気がしたので見返してみたら、ありました。「人はなぜ、人生で一度はハーレーに乗ってみたくなるのか」も合わせてお読みください。

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さて、クルーザーの魅力って一体何なんでしょう。

あらためて考えてみると、バイクとしてはかなり特殊です。SSとネイキッドの差みたいなのとは本質的に違います。クルーザーだけは別ジャンルの乗り物に近い。車に例えると、SSとネイキッドがそれぞれ2座ミッドエンジンスポーツカーと4ドアホットセダンだとしたら、クルーザーはピックアップトラックぐらいかけ離れてる。

大きくて重くて鈍重なクルーザーは、機動性が乏しくて、細い林道などに迷い込むとえらい難儀する。

本来のバイクの大きな魅力であるはずの運動性能が低くて、曲がるのがあんまり気持ちよくない。ステップはすぐにガリガリと擦るし、思い通りに動いてくれないから、テクニックを駆使して車体を上手に操ろうなんて気にはならない。

いや、こういう車体をこういう車体なりに思い通り操るテクニックもあるにはあるんだけど、それやったところで大して楽しくないので、バカバカしくなってけっきょく大人しく走ることになる。

その代わりに、エンジンを一定開度で回し続けるのが気持ちよくて、ただただ真っ直ぐ走っているのが似合ってる。

高回転まで回す喜びはない代わりに、荒馬に引っ張られるような低速トルクがある。スポーツバイク・エンジンの気持ちよさが頭で感じる脳汁系だとしたら、クルーザー・エンジンの気持ちよさは腹で感じる内臓系だ。(まあ中には、スポーツバイクのフル加速を2つの精巣にヒュンと感じるのを楽しむひゅん玉系の人もいる。)

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いつかどこかの誰かが「クルーザーってあれ、要するに音のやけにいいビッグスクーターだよね」と言っていた。

それに対して私は反論の言葉が見つからなかった。

でも今冷静になって考えてみれば、スクーターのような便利さや気軽さがないので、スクーターとはやっぱり違うと思う。

じゃあ、クルーザーは「不便なスクーター」なんだろうか?

クルーザーはスクーターみたいな日常使いの利便性が低い代わりに、ファッション性、それも、ときには真剣なコミットを伴う自己表現としてのファッション性を体現しているところが違う。ハーレーはただのバイクではなく乗り手の人生観・世界観つまり「生き様」の発露なんだと言う人がいるように。「これが俺たちのIKIZAMA!」みたいな。

じゃ、クルーザーは伊達とオシャレで乗るIKIZAMA系の乗り物なんだろうか?

それだけじゃないんだよね。伊達でもオシャレでもない私でも、クルーザーは好き。何が好きって、夜の都会を走ってるときがいちばん好き。

通勤・通学・実用バイクは置いておいて、趣味のバイクって本質的には「田舎の乗り物」なんですよ。山が似合う。海が似合う。湖が似合う。服装だって、鎧のようなジャケットにしても派手でごついブーツにしても、人里離れてるからこそ許される大げさなものばかり。緑色のKawasakiロゴ入りライディングジャケットなんて、山道だからよいものの都会の風景には馴染む気が全くしない(カワサキ乗りの皆さんごめんなさい)。

でもクルーザーだけは例外的に、都会が似合う。バイクを停めてそのまま銀座のオシャレなバーに入っても怒られない程度のアーバンでカジュアルな服装でも似合うし許される、気がする。銀座にバイク停められる駐車場があんのかどうかは知らんけど(飲酒運転?私は下戸なので、どうせバーに入ってもミルクココアくらいしか飲めません)。

それは周りから受ける目線というより、自分自身の中での納得感の話。クルーザーに乗るときだけは少しくらいの軽装が気にならなくなるんです。バイク専用のウェアじゃなくても、インナープロテクターを中に仕込まなくても、「ま、飛ばすわけじゃないし、ふだんよりユルくてもいいよね」という気になるんです(さすがに手足は露出しないけど)。あれ?そのへんもスクーターと似ているな。

そして都会を走っているかぎりは、タイヤに負荷をかけたりバンク角の少なさで困る場面はない。逆に、夜の高層ビルを見上げながらのん気に流すのにクルーザーほど気持ちいいバイクはない。田舎の道と都会の道の違いは、カーブがあるかどうかと、視界の上のほうに目を楽しませてくれるものがあるかどうか。田舎の頭上には空しかないけど、都会の頭上にはキラキラしたものがたくさんある。そして、田舎の暗く静まり返った夜なんて、そもそもバイクじゃ走れません。鹿もおるし熊もおるし。

つまるところ、ファッション性とか世界観とか関係無しに(あるいはまさにその世界観の持つストイックなイメージとは正反対に)、クルーザーに乗ってるときは「ゆっくり走っていいよ、気合いれなくてもいいよ、気楽にユルく乗ってればいいよ」という、バイクという高リスクな乗り物が生来もつ「真剣勝負」的モードをスイッチ・オフにできることこそが、私にとってのクルーザーの魅力なんですよ。

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ここまで読んで「いや、モダンクラシック系ネイキッド(たとえばボンネビルやRnine-T)だって都会に似合うぞ」と反論するかもしれない。でも違うんですよ、それらのバイクは「山道もビルの谷間もどっちも走れるバイク」なんです。生命力が強くてどんな環境でもすぐに適応できるアライグマみたいな。やろうと思えばどこでもそこそこがんばれちゃうバイクだから、どうしても真剣勝負モードが首をもたげてしまう。

それに対してクルーザーは、ワインディングでは窮屈で生きづらさを感じるけどそのぶん都会のネオンの中で最高に輝ける、生きる世界がとことん限定された存在。中国やチベットの限られたエリアでしか生きていけないレッサーパンダみたいなものなんだ。アライグマとレッサーパンダは似てるけど全然違うでしょ?目の周りが黒いのがアライグマでほっぺたが白いのがレッサーパンダ。ついでにそのレトリックで言うと、狸はカワサキ。日本在来種だし、緑色だし。

さあ、書いているうちに結論が出てきたぞ。

昔、東京人だった頃にはクルーザーでの首都高ナイトクルーズを楽しめたけど、田舎住まいが板についた今となっては夜の都会に繰り出す機会というのがまったくなくなってしまった。ライフスタイルが変わってクルーザーの出番がなくなってしまったのだ。少なくとも私の考える「クルーザーの魅力」を楽しませてくれる出番が。だからもうクルーザー枠は潮時なのかもしれない。

そうか、うーん、やっぱり手放すとしたらスピードマスターか……。

ここまで読み返してみてなんだかカワサキとハーレーをディスっているように読めてしまう箇所が少数ありますが、決してそういう意図がないことを申し上げたうえで、本日の筆を置かせていただきます。
Posted at 2025/11/12 20:18:15 | コメント(4) | トラックバック(0) | バイクの感想 | 日記
2025年11月08日 イイね!

CBR250RR vs ZX-4R

CBR250RR vs ZX-4R前回の続き的な。

セパハン・クエストの一環としてこの2台にレンタル試乗してきた。

ニダボ(CBR350RR)との比較ならZX-25Rじゃないの?と疑問に思われそうだけど、ちゃんと理由がある。

若者が中型免許取ってから2台目くらいのバイクとしてSSに乗りたい、っていうのであれば同じ排気量同士の比較でいいのかもしれないけど、今回の趣旨はさんざん大型も乗ってきたおっさん世代がダウンサイジングするならどれ?という点にあるからだ。

ZX-25RとZX-4Rはほぼ同じ車体で重さも5kg程度しか違わないので、大型乗りが上の排気量から下りてくるのならまずはトルクに余裕のある4Rのほうを検討したほうが自然なはず。エンジンの希少性がより際立つ25Rは、もはや他車種と比較して選ぶというよりもそれ自体にロマンを感じる人が指名買いする変態商品、なんじゃなかろうか。中高年25Rオーナーの皆さん変態呼ばわりしてすみません。

(ちなみにさっき中型免許を取ってから2台目くらいの、と書いたけど、免許取ったばかりの若者(とは限らないか)がフルカウルバイクに乗りたいのなら、1台目にこいつらのような前傾きつめのSSを選ぶのは全くおすすめできない。操作技術の話だけじゃなく、左右の安全確認がしづらいので、バイクならではの危険予測の勘どころを掴むまではこういうバイクはよくない。)

さて、そんなわけでCBR250RRとZX-4Rの比較である。ほんとは25Rもレンタル予約してたんだけど、雨でキャンセルしてしまった。それから実際に借りられたのはリアサスが調整式になっている4RRのほうだった。

さんざん前フリしておいて申し訳ないんだけど、「どっちも気持ちいいバイクね」というのが私の感想でした。エンジン音で選ぶならZX-4R、軽さで選ぶならニダボ。メインで持つならZX-4R、サブで山道限定ならニダボ、といったところね。以上、おしまい。

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とここで終わってしまいたいくらい、実は私の中ではあっさり結論が出ちゃったんですよ。どっちもそれぞれ魅力的だけど、もし私が買うなら断然CBR250RR。

というのもですね、やっぱり私、2気筒好きだと気づいたんですね。

ZX-4Rのエンジン音は素晴らしい。単に4気筒だからというだけじゃなくて、しっかりと吸気音を聞かせてくるドラマチックな調律が施されている。大型ツインに乗り慣れていると中回転までのトルクはやっぱり薄く感じるけど、だからこそ高回転まで回したくなる。そして、回せば回しただけ、アクセルを捻れば捻っただけ上へ上へと伸びてくれる。

まさにそれがね、公道でストレスに感じたんですよ私は。

サーキットに持ち込むつもりなら話は全然違う。このカーンと回るエンジンはサーキットなら絶対楽しいはず。それから高速道路を主体にツアラーとして使う場合も、ついつい加減速を繰り返して遊んでしまいそう。

でもね、ワインディングにおいては、回して楽しむエンジンって怖さを感じるんですよ。エンジンの要求に応えるまま高回転域に吸い込まれ、そのうち奈落に向かって自由落下していくようなトランス状態に入っていってタナトスを垣間見る、みたいな。

だから個人的には、トップエンドでパワーを絞り出しているエンジンよりも低速からの幅広いトルクバンドを持った懐の深いエンジンのほうが公道では断然楽しいと感じるんです。

そんな意味で、ニダボの並列2気筒エンジンは粘り強くて楽しい。のんびり流したいときもちょっと鞭入れたいときも、自分が走りたい速度に柔軟に応えてくれる。ZX-4Rのほうはどっちかというと、主導権がバイクにあるというか、走るペースをバイクのほうに決められてしまう感じ。そういうのが気持ちいいという人もいますけど(笑)。

実は足回りについても同じような印象で、CBRのほうが軽い分(ZX-4Rより20kgほど軽量)どんな曲がり方をしても受け入れてくれそうな感触がある。多少の破綻をしても(GSX-R125ほどではないにしても)自分の体重でなんとか抑え込めそう。一方の4Rのほうは、旋回のための動作を起こすのにコーナー出口までを正確に思い描きながら丁寧に「入力」してあげる必要がある、といった印象。

どっちも接地感はちゃんとあるし、どっちも自然に倒れ込むし、旋回していて気持ちいい。ただ、ニダボのほうが路面状況や屈折率が想定と違ったときでもリカバリーしやすそうに感じた。

つまるところ、ZX-4Rのほうがよりサーキット向きのバイクなのだ。状況が予測しやすい環境下で、針に糸を通すようなシャープで精密なライディングをしたときこそ一番楽しく真価を発揮するタイプ。

でも今回のセパハン・クエストにおいては「中高年がワインディングを安心して気持ちよく走れる小中型スポーツバイク」を見つけるのが目的なので、CBR250RRのほうがより今の私のニーズに合っている、という結論だ。

もちろん、求めるものが変わればZX-4Rのほうが魅力的になるのは言うまでもない。とくに1台だけ持つとしたら、ZX-4Rのクラスを超えたしっかり感、安定感も捨てがたい。

ただそうなると、「じゃ、大型でもいいんじゃね?」という疑問がついて回るのもZX-4Rの悩ましいところだ。つまり、400ccにダウンサイズするといっても、4Rはまるで準大型みたいなポジショニングなので、免許の制約さえなければ「400ccじゃなきゃいけない理由」が希薄なのもたしかなのである。

そこ行くと、ニダボのほうは250ccじゃなければ味わえない軽さとパワーのバランスがある。遅過ぎもせず、速すぎもしない、ちょうどいい速度域。GSX-R125ほどの異次元の軽さはないけど、どっちかといえばそっちの世界に近い。

ついでにいうと、ニダボの2気筒のエンジン音も私は好きだ。圧縮の高いレーシングエンジンみたいなパンチ感があって、音だけで選ぶとしても実はZX-4Rに負けてないと思う。

そんなわけでCBR250RRをたいそう気に入ったという結果になった私でした。あえていえば、やや高額とはいえ希少性のない国産中型クラス人気車種なのでマニアックさが足りない点ですが……どうする?買っちゃう!?
Posted at 2025/11/08 18:11:16 | コメント(3) | トラックバック(0) | バイクの感想 | 日記

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