
そもそもこのスピードマスター(正式名称は トライアンフ・ボンネビル・スピードマスターと、けっこう長ったらしい)にたどり着くまでに、自分としてはけっこう時間をかけたんですよ。
「いつかはトライアンフに乗りたいなぁ」と思い始めたのが20年ほど前。3気筒の「3」をモチーフとしたシャープなデザインの2代目スプリントSTやら、名車の誉れ高く国産ミドルSS乗りを同ブランドに多く引っ張り込んだデイトナ675やらが2005年〜06年にかけて発売となって、トライアンフというブランドはとにかく勢いがあった。というか、その時期くらいからトライアンフはやたら垢抜けててかっこいいブランドイメージに刷新していったんだと思う。正直、90年代までのトライアンフ(のスポーツモデル)はいかにも英国車的などん臭さが強かった。
で、漠然と「そのうち欲しいなあ」なんて思いながらも、ちょうどその頃にいろいろあってバイクを降りてしまったため、けっきょく縁がないままだった。
それから17年ほど経ってバイクにリターンしようと決めたときも、真っ先に検討したのはそんなわけでトライアンフだった。スポーツバイクとクルーザー、どっちも乗りたかったので、スピードトリプルRRとスピードマスターに試乗した。
スピードトリプルRRのほうは足がぜんっぜん届かなかったので速攻で候補から脱落し、結果的にドゥカティのスーパースポーツSを買うことになるのだけれど、スピードマスターのほうへの興味はずっとくすぶっていた。なんせどこにも売ってないんだもの。
だってトライアンフの正規ディーラーときたらどこも「必ず近くにトライアンフのメンテのできる店を確保してから買ってください」というわけですよ。それはそれで誠実な姿勢ではあるけど、んなこと言ってたら近所にディーラーのない田舎者は気軽に手が出せない。
一度、低走行距離で前オーナーが自前でスピードツイン900のマットシルバーにペイントしたというかなり良さげな個体↓が東京のディーラーに出ていたので見に行ったが、メンテできる店が近所になくて躊躇してたらあっという間に売れてしまった。
時は折しもコロナの最中で新車の入荷は全く目処が立たないし(そのためレッドバロンで新車を買うという選択肢も選びづらかった)、中古車市場もスピードマスターはニッチすぎるのかほとんどタマが出てこない。さらにメカニックの人手不足とかで、バイク屋さんはたいていよそで買ったバイクの面倒を見たがらない。YouTuberのバイク大好きフォアグラさんもそう言っていたし。
まあそんなこんなでトライアンフに手を出せずにいるうちに、近所のハーレーのディーラーでファットボブのよさそうな個体が出てきたので、そっちを買った次第。
で、ファットボブやスピードマスターのレビューのところでもちょっと触れたと思うけど、けっきょくファットボブに1年と少し乗ったあと(それはそれでとても良いバイク)、体格とハーレー的世界観が自分には似合わないなあと思ってもう一度トライアンフの検討をはじめることになる。
ボンネビルシリーズをひととおりレンタルしたりディーラーで試乗したりした結果、「やっぱスピードマスターはいいなあ」という結論に至り、隣の県にあるいちばん近いディーラーに行ってそこにあった在庫車に乗り換えてしまった。ああやっぱりそうなるかぁ、と自分でも思った。
なんでこんなことを書いてるかというと、スピードマスターに半年弱乗ってようやく初回点検に行くんですよ今度。で、やっぱり面倒見てくれるバイク屋が遠いのはめんどくさいなあ、と。
実際のところ別に正規ディーラーじゃなくたって基本的なメンテなんてできるはずなのよね、昔も今も。ただ最近は、コンピューターの診断機器が必要だったり、メーカー保証のことがあったりして、ユーザーはとにかくディーラーに任せるよう仕向けられている。四輪も二輪も、そういうビジネスモデルになってしまっている。
トライアンフなんて輸入車の中ではそれなりにメジャーなほうなんだから、もうちょっと各地にディーラーあってもいいのにね。
ブログ一覧 |
バイクの感想 | 日記
Posted at
2024/04/20 16:55:55