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2025年05月07日

オートモビル・カウンシルに行ってきた話

オートモビル・カウンシルに行ってきた話 もう1ヶ月ほど前になりますが、初夏の暑さになってきた4月中旬の話。
4/11(金)〜13(日)に幕張メッセで開催された『オートモビル・カウンシル』に行ってきました。
今年は行く予定なかったんだけど、何しろジウジアーロが来るというもので。
しっかり氏のトークショーも聞いてきました。

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さて、今年で10周年になるというこの『オートモビル・カウンシル』、どんなイベントなのか一言で言うのは難しい。クラシックカーの即売会のようでもあり、自動車の歴史を綴る出張博物館のようでもあり。

カーグラが長年築いてきた人的ネットワークの集大成、と言っちゃっていいのかな?主催者は実行委員会名義で、カーグラフィックは特別後援という位置づけですが、やっぱりカーグラ的世界観ありきで成り立っているイベント。

では、そのカーグラ的世界観とは一体なんなのか。

それは、同じエキスポ型イベントであるモーターショーやオートサロンなんかとは全然違う空気なんだけど、じゃあ何がどう違うんだろうか。

表層的な違いとしては、コンパニオンのお姉さんが(ほぼ)いない代わりに、おしゃれに決めたナイスミドル紳士たちが主役だという点で違う。要するに、品がいい。

例えば今回のキービジュアル。
クルマのイベントなのにクルマではなく、いかにも趣味人という出で立ちの男性がモチーフ。このあたり、カーグラ的な世界観を象徴しているよう。
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ついでにいうと、カーグラ代表の加藤さんをモデルにしているとしか思えない。

で、表層よりもう少し深く見てみると、それは「ヒストリックカー」と「現代の車」のシームレスなつなぎ方、というのかな、自動車文化の歴史的コンテクストのうえにがっちり足を下ろした、視点のバランスのよさ、と言えるかもしれない。

スポーツカーや旧い車のイベントは数あれど、このオートモビル・カウンシルの会場の空気がそれらと違うのは、クラシックカー至上主義・外車至上主義・スーパーカー至上主義になっていない点にある気がする。

旧車イベントに行くとたいてい、「ああ旧い車はいいなあ、それに比べて現代の車はつまらないなあ」というムードで帰宅することになる。もしかしたら私だけかもしれないけど、とにかく「今でもここでもない、自動車が輝いていた時代」への懐古主義的な後味だけが残るんですよ。

ところがオートモビル・カウンシルの会場にいると、なぜかそれを感じない。旧いクルマと現代のクルマが同じ連続性の上に存在している感じ。それは、大手メーカーが過去から最新作に至る自らの車を時系列で持ち込んで、その歴史を語ったりすることもひとつの要因かもしれない。

たとえば、ホンダ。今回はプレリュードの初代から最新型まで持ち込んでるのが面白かった。友人が免許取り立ての頃に中古10万キロ超の2代目プレリュードを買い、そいつに乗っていっしょに旅行に行ったけど、まあ要するにプレリュードってのはそんな庶民の若者のための存在であって、スーパーカーやレースカーみたいなアイドル性なんて本来何もない。会場の反対側に展示されていたイタリア・マカルーゾ財団コレクションのランチア・ストラトス・アリタリアカラーやX1/9プロトティーポなどと比べれば、別に際立った華があるわけじゃない。
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だけど、こうやって歴史的コンテクスト込みで展示されているプレリュードみたいなクルマと対峙していると、ただの来場客に過ぎない僕らも、このイベントの当事者として、さらにいえばクルマ文化を作ってきた当事者としてここに存在している気がしてくるんですよ。

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クルマのイベントって、名車を持ち込んで出展・参加している側とギャラリーとして観に来ている側との間に乗り越えられない壁があることが多い。それは「メーカー」と「消費者」の関係だったり、「アイドル」と「ファン」の関係だったり、「お金持ち」と「庶民」の関係だったり。大黒PAでのミーティングですらそうだ。すごいスーパーカーを見せびらかしにやってきたすごいお金持ちと、それを指をくわえて眺めて喜んでいる庶民のギャラリーとの越えられない壁、みたいな。

でもオートモビル・カウンシルを見て回っていると、過去半世紀のクルマ文化が、まさにカーグラ読者みたいな一般のエンスージアストたちと、メーカーやショップの情熱との相互作用のなかで作られてきたんだということがわかる。もちろんそれを繋いでいたのはカーグラのようなメディアによるストーリー・テリングだ。

つまりカーグラ的世界観とはつまり、「モノだけでなく関わる人のストーリーありきのクルマ趣味世界」と言えるかもしれない。

だからこのイベントの雰囲気が、展示型クルマイベントの中ではほとんど例外的に好きなんですよ私は。
(会場で売られている名車たちのとんでもないプライスタグに呆れることはいくらかあったとしても。)

ちなみにこの300SLは300,000,000円。さんおくえん、って……ぜったい300の語呂あわせで決めただろ笑。新春のマグロ競りみたいなもんだ。
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でもこれから先、どうなっちゃうんだろうね。

カーグラのような紙の「オールドメディア」の力はだんだん弱くなり、一方でYoutubeでは実にくだらないたくさんの新車レビューチャンネルと、そこそこ参考になる少々の新車レビューチャンネルがひしめきあってるけど、しょせん彼らは消費財たる製品そのものに対する通り一遍の評価以外のことはしないし、できない。
その車を作ってきた人々、乗り継いできた人々の思いのこもった、ヒストリーや文化性にまで深堀りしてるチャンネルなんて、それこそカーグラon the airくらいしかない。

日本でクルマ文化を支えてきた団塊の世代の人たちが死に絶えちゃったら(あるいは高齢のため免許を返上しちゃったら)、ぼくらだけでこれからのクルマを趣味として成り立たせ、あるいは新しく作り、そしてさらに下の世代に伝えていくことはできるんだろうか。

そんな一抹の不安が残るんだよな。
ブログ一覧 | イベント | 日記
Posted at 2025/05/07 17:27:24

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この記事へのコメント

2025年5月7日 19:16
CGがマスメディアだったのか(ちょっと小さい気もします、笑)は微妙ですが、現状の発行部数は往年の頃より大きく減ってるでしょうね。
寂しいですが、相対的にクルマに対する憧れが減ってるのが現実な気がします。
ごく少数の好きモノの間では熟成され続けるとは思います、希望的かな〜😰
コメントへの返答
2025年5月7日 20:30
ヤドカリさんこんにちは。
雑誌が縮小してくと同時に、雑誌的な切り口での特集の組み方も消えていくんでしょうね。
たとえば特定のテーマで10台集めて一気乗り、みたいな。
Youtube主体だと、10台借りたら10本動画撮らないともったいない、という話になってしまうので。

あと、取材したりカウンシルで展示車を貸してくれる個人のオーナーとのコネクションも、雑誌のブランド力があるからこそできる、というのもありそうです。

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