
5月後半、なんだかすっきりしない天気が続いていて(そのうえ富士山がまた冠雪したりして)バイクで出かけづらい日々ですね。
先日、久しぶりに半日ほど日が差したので、しばらく乗ってなかったスーパースポーツSを動かしに来客の合間を縫って2時間ほど出かけました。
箱根まで20分のところにいると、こういうときにありがたい。
さて、このドゥカティ・スーパースポーツS(以下、「スパスポ」)ですが、なんていうジャンルと呼んでいいのかいつも悩む。だいたい、名前が「スーパースポーツ」なのがよけいややこしい。
「SS」?
SSじゃないよね、これ。
もともとスーパースポーツとかスーパーバイクというのはレースのカテゴリーとリンクしていたはずなので、本来はわりかし明確な排気量の定義があったはずだけど、昨今では「SS」という言葉がほとんど「セパハン・フルカウルで前傾のきついスポーツバイク」と同義に使われている感がある。それにしても、SS=「公道よりもサーキットに照準を合わせたバイク」という定義は外せない。
そこ行くとスパスポはセパハン・フルカウルではあるけど、前傾はきつくないし明らかに公道での乗りやすさを重視しているので、どんなに見た目がパニガーレに似ていてもパニガーレとは商品カテゴリーが根本的に違う。
じゃ、
「スポーツバイク」?
そうね。そうかもね。
でもそうすると、ストリートファイターなんかも「スポーツバイク」と呼んでよいよね。オフ車だってスポーツバイクだ。だいたい、バイクに乗るという行為自体がぜんぶ「スポーツ」じゃないか。そんなこと言いだしたら、新聞配達のカブや信用金庫のベンリー以外、全部スポーツバイクだよもう。
となると
「スポーツツアラー」?
うん、あえて言うならそれかもしれない。
だけど、最近はスポーツツアラーってどっちかというとヤマハ・トレイサーGTとかトライアンフ・タイガースポーツみたいな、バーハンドルで乗車姿勢が楽で、ウインドスクリーンが大型の、少しアドベンチャー系の血統が濃いバイクに対して使われることが多くないですか?
昔の「スポーツツアラー」といえばホンダのスーパーブラックバードとかトライアンフのスプリントGTとか、あるいは現行車種ならスズキのGSX-8Rとかハヤブサとかカワサキの非SS系ニンジャみたいな、「上付きセパハン・フルカウル・それなり前傾&控えめバックステップ・パニアオプションあり」みたいなバイクのことだったように思うけど、これらを前述のアドベンチャー血統とは区別して呼ぶための呼び方が欲しい。
いや待てよ、世間的には「その2つのジャンルを区別する必要ないよ」という判断なのか?
まあたしかに、その違いはセパハンかバーハンドルかという点だけである。
そしてスポーツツアラーの上付きセパハンなんて、トップブリッジより高いところにあるから乗車感覚はバーハンドルと変わらないじゃないか、と言えるかもしれない。
でも違うんだよ。それでも私はセパハンに乗りたいんだよ。SSより楽チンだけどSSみたいに刺激的でかっこいいバイクが欲しいんだよ。
で、スパスポはその(私の中での)ジャンルにフィットするし、考えてみたらさっき挙げたスポーツツアラーとはまた方向性が違う気がする。
だいたい、スパスポは言うほどロングツーリング向きじゃないし。私の中ではあれは150kmレンジ選手で、それ以上はかったるい(それは私の体力のほうの問題かもしれませんですけど)。
パニアも(無遠慮にデカいやつが)純正オプションで付くけど、あれを付けちゃうと私が個人的に求めるスパスポの存在意義とはズレてしまう気がする。
つまるところ、スパスポみたいなのは新たに分類し直すべきなのである。たぶんトライアンフの新しいデイトナ660とかは同じジャンルで、あえて呼ぶとしたら「マイルドSS」もしくは「セミSS」というところかなあ。
ツアラーのような旅バイクではなく、あくまでスポーツライディングすること自体が目的。SSとの違いは、使用想定がサーキットか一般道か、という点。それは公道用に最適化されたデチューンドSSであり、高齢者用のやさしいSS。「お達者SS」とか呼んでもいいけど。
ちなみに私の中でのSSとマイルドSSの境界線は
・首が痛くならない
・眼球がずっと上目遣いを強いられず、コンタクトが外れそうにならない
・ブレーキングで睾丸が痛くならない
・交差点の左右確認で、ちゃんと横が見える
のすべてに合格したらお達者くらぶ御用達のマイルドSSです。
今回は、うちのドゥカティ・スーパースポーツSの魅力と限界について書くつもりだったけど、その前に言葉の定義をしておこうと思ったらその話だけで終わっちゃいました。
また次回。
ブログ一覧 |
RANT | 日記
Posted at
2025/05/30 13:42:37