
仕事の面でまあいろいろと大変な局面に突入しまして、こんなに苦労せなあかんのなら何かごほうびもなきゃ、と思って、じゃあ17年ぶりにまたバイクに乗っちゃおう!と決めた。
そこで(奥さんの説得のほかに)やっとかなきゃいけないのが、自分が本当にまだバイクに乗れるのか、そして乗りたいのかを冷静に考えること。
身体がもう動かなくなってしまっているかもしれない。
乗り方を忘れてしまっているかもしれない。
そもそも、乗りたい気もちが本当に残っているのだろうか。
バイクに乗りたいと思ったのはただの17年越しの執着心だった、なんてことは十分ありえることで、実際に買って乗ってみたらもうあまりライディングを楽しいとは思わなくなっている、かもしれない。
そういったことを確認しようと、レンタルバイク屋を探した。検索するといろいろ出てくる。レンタルやサブスクなど、バイクを取り巻くインフラは昔よりもずっと整っている気がする。
そうしてまず借りたのが、これ。
カワサキW800。
正直、かつての私の好みとは全然違うバイク。
昔はセパハンのスポーツバイクばかり乗っていたので、こういう平和で牧歌的なオートバイはどっちかというと興味の対象外だった。
それでもこれを選んだ理由は簡単で、最寄りのレンタルショップにあった大型バイクの中でいちばん敷居が低そうだから。
パワフルなやつや前傾のきついやつにいきなり乗るのはさすがに躊躇するし、かといってあまり小さすぎたのでは、まだ乗れるかどうかの確認にならない。W800ならとりあえずいろんな意味でスタンダードだ。
朝お店を訪れ、ひととおり説明を聞いたあと、内心の緊張を店員に悟られないよう隠しながらおそるおそる跨る。
はじめの100mは、何をどういう順番で操作するのかすっかり忘れていて慌てたけれど、最初の交差点を曲がり終えるころにはすべて思い出していた。勘というのは意外とあっという間に取り戻せるもんだ。
沼津駅前のレンタルバイク店で借りて、旧国一沿いの千本松原から富士宮・白糸の滝方面を通って田貫湖へ向かってみた。季節は1月。路肩に雪がところどころ残る。考えてみれば、バイクに季節が重要なことなんてすっかり忘れていた。
うん、まだ全然乗れる。そして楽しい。W800は相変わらず好みじゃないけど。
よし、これならもうちょっと刺激的なのでも大丈夫そうだぞ、と思って次に借りたのがホンダCBR650R。W800から約3週間後、あいかわらず1月。
17年前バイクを降りたとき、最後に乗っていたのがアプリリアのRS250で、だからもしもう一度バイクに乗るとしたら、体力が追いつく限りセパハン・カウル付きのスポーツバイク(あえてSSとは言わないけど)がいいと、いつもぼんやり思っていた。これからの購入検討の本命ジャンルに乗らないわけにはいかない。でも、はたしてまだこの手のとんがったバイクに乗れるだろうか?
と、前回よりはいくぶんか緊張も解けつつも多少の不安も伴いながら、今度は新東名・清水SAのショップ(今は閉店)に行って、半日乗ってみた。海沿いの国一バイパスを抜けて、芝川から富士川の上流へ。
うん、前回のW800より断然楽しい。そうそう、バイクってのはこうやって体重移動して曲がるんだよね、という感覚を思い出させてくれた。腰痛になるんじゃないかと心配していた姿勢も、なんとか持ちそうだ。
しかし昔に比べると、フルカウルバイクのデザインの方向性はなんとなく変わった気がした。2000年頃のバイクよりお尻が小さくなったような。シートの後ろがやけに短くて、途中で切り落としたように見える。エンジンも、昔のフルカウルよりも露出ぎみに見える。昔はもっと完全に覆われていたような気がするけど。
それからやっぱり、4気筒より2気筒がいいなぁ、と思った。ドコドコと昔みたいな音のする2気筒バイク、まだあるかなぁ。
何はともあれ、セパハンのスポーツバイクでもまだなんとかなりそうだぞ、と安心したところで、車に乗り換えたその足でそのまま、マイヘルメットを買いに近所のライコランドに向かったのでした。
Posted at 2024/02/01 18:52:23 | |
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