
富士山きれいでしょ。
連休の最終日で混みそうだったので、朝早く出発。といってもたかが6時だけどね。
このバイク(GSX-R125)は有料道路に乗れないので、市街地が混む前に出かけたいんだ。
少し遠くの沖を台風通過中。おとといの雨がまだ乾ききらず、路面のところどころが濡れて光っている。
さてさてこのバイクだけど……やっぱ遅いな(笑涙
三島から1号線で箱根を上っていくのにえらく難儀する。大昔の人(=昭和40〜50年代くらいの時代)がなぜ「箱根を苦労なく登れること」を高性能の目安にしたのか、125ccで走ってみるとなんとなくわかる。現代の車じゃ想像もつかないけどね。
前を行くステップワゴンさん、気にしないで、お願いだから道を譲らないで。譲られても私には、上り坂であなたを追い越せるほどの力はありません(涙涙
でも、平地に出てしまえば実に気持ちよく走ってくれるよ。箱根でいえば、箱根峠(エコパーキング)からバイカーズパラダイス方面に向かうあたりとか、芦ノ湖畔から大観山レストハウスに向かう椿ラインの後半戦とか。椿ラインの大観山から先は濡れ落ち葉が多いかもしれないので行かなかったけどね。
このコーナリング、どう表現しよう。
実はこないだニダボ(CBR250RR)も試乗したのだけれど、あれよりもさらに軽い。大型バイクのようにタイヤががっしり地面を掴んで粘るようなタイヤとサスの性能の賜物ではなく、もっとごくシンプルに、あまりに軽くてタイヤが細いせいで動きが機敏なのだ。ネズミが象よりも早いタイムフレームの世界を生きているのと同じ。
だから、車や大型バイクならブレーキかけて前輪に荷重を載せるような低中速コーナーでも、けっこうアクセル開けたまま突っ込んでいける。
これは何かに似ているなあと思って考えてみたら、4輪で鈴鹿の130Rに突っ込んでくときの「えいやっ!」ていう感覚を思い出した。
自分の中のチキンな直感は「ちょっとアクセル戻しちゃだめ?ブレーキかけちゃだめ?」と訴える。
でもコーチは「いや、そこは思い切って踏んでけ!」と言う。
肝を据えて突っ込んでいくと、意外となんとかなる。
でも、慣れるかって言うと全然慣れず、毎回「えいやっ!」っと腹のなかで身構えてる。
そんな感覚に似ている。
もちろん、そもそも絶対速度が大したことないから公道でも低リスクでそれができるわけなんだけどさ。
これは、軽量な250ccよりさらに次元が上で、このサイズじゃなきゃ出来ない気がする。CBR250RRとの車重差は約30kg。体重70kgの人が乗った状態で比べれば1割強の違い。ニダボから見たGSX-R125の世界は、200kg前後の大型SSから見たニダボの世界と同じ、という計算か。
繰り返すけど、バイク自体が小さいからこそ絶対速度が低い領域で体感できますね、って話よ。
公道ではいたずらにコーナリングスピードを上げずに、しっかりブレーキかけ減速して小さく回るという、ネモケンさんのセオリーを実践しているつもりの私ですが、GSX-R125くらいのサイズになるとそこそこにコーナリングスピードを楽しむことも可能になるんだな。
ちなみに脚は固いしタイヤはやっぱり細いので、大型バイクの安定感どころか250ccクラスの落ち着きさえ無い。路面にギャップなんかがあるとぽこっと跳ねて後輪が突然グリップを失ってヒヤッとしたりするけど、それでも車体が小さいからリカバリーはしやすい。
そんなGSX-R125だけど、パワー不足で遅いうえに走れる道が限られるため、他のバイクに比べて出かけるときのストレスが大きいのは認めざるを得ない。今後長く付き合っていけるのかどうか、悩むなあ。
今から狙ってる人は、環境が許すなら並行輸入車GSX-R150のほうをぜひおすすめしたい。中古でほとんど出回ってないし、新車がまだ手に入るのか知らんけどね。
いや人に勧めている場合じゃない。私も150ccに乗り換えたい。差し引き30万円強くらいかなあ。あと2割のトルクと、有料道路を通行する権利さえあれば、公道で楽しむSSマシンとしてもう言うことないですよ。
でもそのくらいの費用かけるくらいなら、20年ぶりに革ツナギ買ってR125をミニサーキットで楽しんだほうが有意義かなあ。
ようするに125ccという中途半端な排気量がいけないんだ。
思うに小型自動二輪という何十年も前に作られた制約が、マーケットの足かせになって小型低排気量スポーツバイクというジャンルを行き詰まらせてる気がする。
ちょうど1週間ほど前にYoutuberの空波鳥さんが「フルサイズでアッパーエンドの125ccってもはや存在意義ないんじゃない?」という趣旨の動画を上げておられて、また同じくペンたろうさんも数日前に「YZF-R125/R15、MT-125、XSR125のシリーズは販売台数爆死してて、近いうちに生産中止になるかも」と仰っておられたんだけど……え?そうなの!?(YZF-R15をGSX-Rの対抗馬で検討していた)と思うと同時に、「さもありなん」とも思うんだよね。
大昔にできた125ccという枠組みをそのまま守ってるけど、バイクの性能(とくに2ストの存在)も社会構造(安価な小型モビリティへのニーズ)も昭和の時代とは大きく変わっている(いや、国としては速くて危ない2ストは絶滅したし安全性能は遥かに向上しているから今のほうが狙い通りなんだろうけどさ)んだから、存在意義がなくなってくるのは当然だよね。
125ccというところに線を引き、不便さと引き換えに免許やコスト面のハードルを下げているのが小型自動二輪なわけだけど、大型乗りの人間がサブバイクとして乗るには「もう一歩足りない」のが125ccという排気量であり、道路交通法上の制約なんだな。
軽自動車と同じで、制度上の線引きがあるせいでそのちょっと上のクラスの商品展開がしづらくなってしまう。
せっかく150ccクラスが東南アジアで人気なのにね。国内に入ってこない。
かといって250cc/400ccクラスはサブバイクというよりどっちかというと若者向けでエントリー的位置づけのイメージなので、今さら入っていきづらい(ニダボとZX-25Rのおかげでその様相も変わってきてはいると思うけどね。もうちょっと外国メーカーも400cc以下スポーツモデルを出してきて欲しい。壊れない品質のものをですよKTMさん。)
私の場合、あくまで軽さとコンパクトさに個性のあるスポーツバイクが欲しいんであって、原付2種のお得さが欲しいわけじゃないし、不便さを楽しみたいわけでもないんだ。
車で言えば、たとえばロータス・エリーゼS1のような軽量コンパクトで非力だけど回しきれるエンジンを持ったライトウェイトスポーツが欲しいというのと、旧フィアット500や2CVのようなミニマリストな趣味足グルマが欲しいというのとは全然違うんだ。いやどっちも好きだけど(そしてフィアット500は乗ってたこともあるけど)、それはそれでまた別のカテゴリーに関する別の話で、今はスポーツカーやスポーツバイクの話をしているんだ。
さっきのYZF-R125/R15のセールスが苦戦してるという話に戻るけど、その理由は私なりになんとなく分かる気がする。GSX-Rは軽さとコンパクトさを他の誰にもない個性にできているけど、YZFは中型バイクのほうに寄せちゃってるんだ。だから、これからアップサイジングしていく若い人は「あともうちょっと足せば250ccが買える」と思っちゃうし、我々みたいにダウンサイジングしたい中高年(あ、我々って言っちゃった!私も中高年なのか😓)は、あえてそこに行きたいほどの個性と、大型バイクとは違う世界を見せてくれそうな予感が、GSX-Rと比較すると弱いんだ。
YZF-R125はレンタル試乗して、すごくよくできたバイクだったんだけどね。たぶんバイクとしての出来だけを見るとGSX-R125より完成度高い。でも、YZFには正規輸入で中型クラスのR15という選択肢があるにも関わらず、結果的にこっちの赤白マシンを選んだのは、YZFにはGSX-Rほどには「こいつでしか味わえない」という説得力を感じなかったからなんだ。(もちろん、誰にとってもGSX-Rのほうがいいと言っているわけではなくて、使用条件や所有環境が違ったら逆の結論になるかもしれないことは言うまでもない)。
さてさてそんなわけで、私のスポーツバイク探求はこれからどこへ向かうのでしょう。
最終的にパニV2Sに乗り換えちゃったりして。
いや、ないない。