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Danny Wongのブログ一覧

2025年06月06日 イイね!

遅いは正義

遅いは正義前回のブログで書いたように、125ccのセパハンバイクが気になっている。

しかも、4月に書いた『モーターサイクルショー行ったらいろいろ勉強になったよ』を読み直したら、そこでもしっかり「国産小型スポーツが欲しい」と既に書いてあった。

ということはあれだ。もうすっかり欲しがりモードだ(汗

ということで、YZF-R125を半日レンタルすることにしました。

今回の試乗でどうしても確認しておきたいことは3つあって、

1. おいらの身体は、SSの乗車姿勢にまだ耐えられるの?
2. 125cc・15psのパワーは、箱根で遊ぶのに足りるの?
3. 高くていい足回りを使っている大型バイクに比べて、安い原付2種は本当に安全・安心なのか?

という点。

さっそく出発です。

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走り始めて最初に感じたのは「加速しないなあ」と「けっこうアグレッシブなバックステップだなあ」ということ。

トルクは街中走るのに充分なだけあるけど、まあそりゃ大型バイクと比べれば、スロットル一捻りでストレスなく加速していったりはしない。まあでも、「こういうもんだ。これはこういう乗り物なんだ」と気持ちを切り替えりゃいいんだ。切り替えてしまえば、10分も走ってるうちに慣れた。加速がバイクの命だなんて誰が言った?

バックステップは、マイルド系SSである私のドゥカティスーパースポーツSとは明確に違う。久々のアグレッシブさに、ちょっとワクワクする。ボディサイズにゆとりがあるので窮屈感はない。

各種レビューでさんざん言われていて心配だった前傾については、「ああ、これくらいならなんとかなるよ」というレベルだった。そこまで本格的レーサー仕様ではない。実を言えば、MVアグスタがちょっと前傾きつくて降りてから、セパハンバイクでの上手な街乗り方法を少し調べたのだ。

つまり、
「戦闘態勢じゃないときは、ハンドルに体重をかけてもいい(四六時中背筋で支えている必要はない)」

というのと

「教習所乗り(背中を逆に反らして胸を張る)すると首が楽」

という2点。

後者については、どこかのユーチューバーが「女子乗り」とか呼んでたな。女子は股間の構造が男子と違うので、背を反らせて腰の前部をタンクに押し付けても痛くならないのだそうだ。

うん、ぼく、まだまだ乗れるよセパハン、行けるよSS!(※短時間限定)
そんなわけで確認点その1「乗車姿勢」はクリアです。

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さて、お店から渋滞気味の街中を30分ほど走ると、三島塚原の国道1号線上り口にたどり着く。

いつも箱根へのアクセスに使っている伊豆縦貫道は自動車専用道路なので使えないのだ。まあ、時間的には大した違いではない。

国道1号線を上っていくが、道中スロットルほとんど全開だよ。初代スーパーマリオカートでいうところのノコノコだ。いくらパワーないほうが操る楽しみがあるといっても、ずっと開けっ放しじゃスピードコントロール面で操る要素がなくなっちゃう。

ここの道、上り2車線で一部カーブには中央分離帯バリアーもあり、中速コーナーが多いので、大型だと調子に乗って速度超過しすぎないよう気をつけなければいけないところだが、このバイクだとさすがにアンダーパワー&オーバーヒラヒラな感じ。ロングなコーナーではピタッと旋回姿勢が安定する感じは大型より薄い気が。ここらのコーナーならもう少しどっしりしてたほうが安心感がある。

このへんのトルク不足感からすると……YZFを買うならR15のほうがいいかな、という気がした。あとちょっとだけパンチ力があれば、必要充分になりそう。

そうして椿ラインを通って大観山を目指す。

その椿ラインもね、直接は行けないんですよ。

いつもは箱根新道経由で入るんだけど、あれも自動車専用道路なので、いったん道の駅・箱根峠の横を通って芦ノ湖畔に降りてから、駅伝ミュージアムの交差点から椿ラインに入り直さなければならない。

さらに箱根・芦ノ湖スカイラインも伊豆スカイラインも自動車専用道路だから、箱根で遊ぶには原付2種だと走れる道が限られてしまう。それらの道は制限速度も高めなので、125ccスポーツだとちょうどよさげなんですけどね。

これ、サブバイクとして原付2種を選ぶときには以外な盲点で、「このバイク、ロングツーリングには使わないつもりだから高速乗らないよ」と思っていても、変なところにさりげなく自動車専用道路があったりするんだ。ふだん気にも止めてないので漠然と「自動車専用道路=料金所のある道路」みたいにイメージしていたら、そういうわけでもなかった。事前に調べておいてよかった。

そういった意味でも、155ccのYZF-R15という選択肢が魅力的に見えてくる。
いやでも、制約があり行けない道があるからこそ、「大型で来るときとはあえて違う道を楽しもう」という考え方もあるぞ。

確認点その2「125ccでの過不足」は……とりあえず判断保留。ここで「もっとパワーを」とか言い出すと、じゃあ250ccにしよう、いやどうせなら400ccにしよう、となって、けっきょくは元の木阿弥なのだ。ダウンサイジングには「足るを知る」が肝要です。

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それにしてもこのバイク……カッコいいよね。

私、たまたま下調べして来たからこれが125ccだと知っているけど、いきなり見かけたら中型SSと言われても信じたかも。

見た目にしても操作感覚にしても、とにかくちゃちいところ、安っぽいところがほとんどないんだ。

ここがライバルであるスズキGSX-R125との大きな違いで、あちらはボディサイズやフロントフォークの細さに「小型感」が溢れている。あれにはあれで割り切りの美学がある。

私の求めるものにあっているのはどっちか?正直まだ迷っている。

これが免許とって初めて買うバイクだったら、あるいは学生時代にバイトしたお金で買うバイクだったら、YZFの「本物感」は貴重な価値だ。「原付2種なのに大型バイクのような存在感」というのにはたまらない訴求力がある。

だけど、大型からダウンサイジングしてここにたどり着くのなら、その大きさゴージャスさは何か大型バイクへの未練のようにも思えなくもない。「だったらそのまま大型乗ってりゃよくない?」と。

せっかくダウンサイジングするんなら、あからさまに軽量小型なバイクに乗りたい、という気持ちがどこかにある。

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まだ1時間半くらい走り回る時間があるので、椿ラインをそのまま伊東方面に向かってみる。

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重ね重ね言いますが、このタンクの造形カッコいいよね。

途中の椿台(しとどの窟)で折り返す。このあたりの道は、軽さがいちばん活きる場所。全開くれてもスピードは大して出ないし、バンクはさせやすいし、自らの重さを感じずヒラヒラ走れるので、本当楽しい。

足回りに不安なところは全然ない。タイヤのグリップを信用して操るんだけど、かといってタイヤのグリップを信頼しきってすべてを預けるわけでもない、ってのが、大型スポーツに乗った感覚との違いかもしれない。しかしこれバイアスタイヤなのね。そんなスペックなんて気にしたって意味がないってことがよく分かる。

ブレーキはよく効く。効かないって意見をレビューで見たけど、下りでも特に不安はないし、公道で常識的速度で走るのならこれで充分なんじゃないですかね。レバーの位置調節機構は付いていないけど、握り応えはしっかりしていて握りやすい。そもそも上りじゃ強力なブレーキングが必要なほどスピード出ないし。

クラッチはワイヤーが外れてるんじゃないかってくらいに軽いし、使う必要もそんなにない。クイックシフター(アップのみ)は、アクセル開度にもよるけどややギクシャクする印象。回転がピタっと合ったときの「熱したナイフをバターにいれる」と形容されるようなスムーズさがもうちょっと欲しい。

一方のダウンは、クラッチを切らなくてもアクセル操作だけで思う通りシフトダウンできる。これはアシスト&スリッパークラッチも効いているんだろうな。

これだったら、クイックシフターはとりあえず最初は無しで注文してもいいかもしれない。

と、そんなわけで確認点その3「足回りのしっかり感」は、充分合格。

半日走ってみて、この控えめパワーはこれはこれで癖になる。なんだか久しぶりに自然吸気エンジンと対話したような感じ。どんな場面でもバイクが「なんとかしてやりまっせ」とサポートしてくれるんではなくて、バイクに対して絶対的に生殺与奪権を預けてしまうのではなくて、バイクもライダーも非力だからこそ「お互いがんばって支え合っていきましょうや」みたいな。そんな感じ。

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※写真は道の駅・箱根峠ですが、後ろにいる2台はたまたまそこにいた見知らぬ方々です。こうやって大型(らしきもの)といっしょに写っても遜色ないよね。


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さてさて、こうなるとGSX-R125のほうも乗ってみたいぞ。どっちかというとそっちが本命だし。

ところが、近場でレンタルできるところがない。都内にはあるようだが、山道走れないんじゃ意味がない。だいたいこの初夏の陽気のなかをあんなちっこくて前傾のバイクで都心の渋滞の中を走るなんて、冗談じゃないスよ。

そして試乗車もない。あっても、ディーラーの中身はみんな独立した町の個人バイク店というイメージがあるので、試乗だけしといてそこで買わないというのはなんだか悪くてできない性分の私。

なんだかもう見切りでえいやっと買っちゃっても後悔しないような気がしだしているのですが、さてどうなりますことやら。
Posted at 2025/06/06 17:04:43 | コメント(0) | トラックバック(0) | バイクの感想 | 日記
2025年06月03日 イイね!

セパハン中毒のための大型デトックス

セパハン中毒のための大型デトックスセパハンのバイクが好きなんです。

という一文を書くにあたって、はて?私の好きなのはSSなの?レーサーレプリカなの?それともセパハン&フルカウルバイクと呼ぶべきなの?という定義に迷った末に書いたのが前回のブログでした。

別にSS好きというわけではない。もっといえば狭義のSSなんて乗ったこともない。でももうちょっと広い意味でのセパハンバイクは好き。だからそう書くことにする。

そう、私はセパハンが大好き。

免許を取って2台目に買ったアプリリア・RS250に始まり、これまでに計6台のセパハンバイクに乗ってきた。ちょっと書き出してみる。

(1) アプリリア RS250
(2) ドゥカティ 400F3
(3) ドゥカティ 851SuperBike
(4) アプリリア RS250(買い直し)
(5) ドゥカティ SuperSportS
(6) MVアグスタ Superveloce800

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うち、ドゥカティのSuperSportS(スパスポ)だけ、まだ手元にいる現職さん。

この中で単独所有していた(1台だけで運用していた)バイクは2回目のアプリリアと、リターンバイク1台目だったスパスポの最初の2ヶ月だけで、あとは複数所有バイクの中の1台だったけど、心の中ではどれもその時の「メインバイク」の位置づけだった。

バイクにまた乗ろうと決めたのも、身体に残っていたセパハンの感覚のおかげだった。

数年前にリターンを考えはじめたとき、自分が本当にまだ乗れるのかどうかを確かめようと、2台レンタルしてみた。最初に借りたW800は「うん、まあこんなもんかな、一応まだ大丈夫そうだね」という感じだった。でも次に借りたCBR650Rに跨って走り出したとき、「これだよこれ!」と、忘れてた感覚がすぐに蘇ってきた。20年近く失われていた身体の一部が戻ってきたみたいな感じ。それでもう答えは出て、結果的にセパハンの中でも前傾が楽で足つきの抜群にいいスパスポが私のリターンバイクとなった。

古いほうの所有バイクが、前傾度や特性の上でどのくらいアグレッシブだったのかはあんまり覚えてないけど(というか、20代の頃の感触と50代になった今の感触では比較できないじゃないか)、現職スパスポが激マイルドだとしたら、アグスタがややマイルド、残りはハードモード、というところだろうか。

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それでも、スパスポくらいのマイルドSSも含めて、セパハンバイクが手元になきゃ寂しいって人はたくさんいることだろう。

私はあのセパハン独特の、ほうきに乗って空を飛んでるような感覚が好きだ。乗り物に乗って身を任せているというよりも、スキーの板を履いているような、バイクが自分の身体の一部になったみたいな感触。それに比べるとクルーザーなんかは空飛ぶ絨毯に座ってるみたいな感じ(もちろん、それはそれでまたよい)。

だから歳を取ってだんだんきつい前傾が耐えられなくなってきても、反射神経が追いつかなくなってきても、まったり景色を楽しみながらトコトコ走るほうが楽しくなってきても、それでも1台はセパハンのスポーツバイクをいつも手元に置いて置きたいんですよ。

そんなことないですか?

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私は現在バイク3台体制でやってるんだけど、他のバイク(ドゥカティ・スクランブラーとトライアンフ・スピードマスター)に比べて、スパスポの出撃頻度は明らかに少ない。

ほかの2台が「行ってみたいところがある」「走ってみたい道がある」というような動機で出動するのに対して、スパスポだけは「バイクとひとつになりたい」みたいな、バイクそのもののが目的化したような選び方になる。
だからこいつには荷物を乗せることもないし、走る道もだいたいいつも同じ。1日に乗る時間もずっと短い。

別に走り屋やってるわけじゃないですよ。全身フルつなぎの元ひざすり峠小僧のおじさんたちみたいなアタオカなことはしません。でもまあ、私なりに全身の身体感覚を研ぎ澄ましてタイヤのグリップと対話しながらスポーツライディングをするわけです。そしてその行為そのものが目的なわけです。セパハンバイクに乗るのって、やっぱりすごくスキーに似てる。

そして、我がスパスポは前傾が楽だから首を無理にそらしたり上目遣いをしなくてもいいし、足付きも私はかかとがちょっと浮くくらいだから神経使わないですむ。比較的たまにしか乗らないバイクだけど、それだけで持っておく価値あるよなあ。

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とそんなふうに思ってたのは、つい先週までのこと。

2ヶ月ちょっとぶりにスパスポを引っ張り出して箱根を走ってみて、思ったんですよ。

このパワーと重さはもう私には要らないかもなって。

スパスポはSS的な顔とツアラー的な顔が高度に両立していてどっちにも使えるんだけど、複数台持ち(特にドゥカの複数台持ち)するなら、大型ツアラー要素のほうはもう要らないんじゃない?って。

そして何より、たとえ本格SSじゃないマイルドSSだとしても、もうこんな大型バイクのパワー(109ps/210kg)要らないし、使いこなせないし、ワインディングで使うべきでもない気がする。世間の目と警察の目を割としっかり気にする私としては、傍若無人な大型SS的カットビ世界観はもはや公道で楽しめる気がしない。

そもそもこのテスタストレッタ・エンジンの上3分の1の回転域なんて使ったこともないよ。

そんなんだったら、少ないパワーの小排気量エンジンを上まで使い切りたい。カタログスペックなんてどうでもいい。軽い車体を操って、バイクにどんな力を加えるとどんな挙動になるのかという運動力学の基礎をあらためて知りたい。そう思っちゃったんですよ。(そう思っちゃったのは、こないだたまたま現行型マツダ・ロードスターに試乗したせいもあるかもしれない。あれもまた、「足るを知る」を体現したような車だ。)


そうすると、スパスポにはもはや大型ツアラー要素しか残らないんです。昔のドゥカにも通じるドコドコした味わいは捨てがたいけどね。
そしてツアラーとしては他のバイクのほうが優秀なのですよ。というか、スパスポをツアラーとして使うのはなんか本来のキャラとは違う気がして、個人的にはしっくりこない。こいつはやっぱり、年齢や体格的にフルSSがキツい人がそれでもSS的スポーツライディングを楽しめるように歩み寄ってくれたスポーツバイクなんだ。

はい。そんなわけで、125ccクラスのセパハン・スポーツバイク(つまり、スズキのアレとヤマハのアレ)を検討しはじめてます。

ポジションは今までよりきっときつくなる。でも、近所のワインディングを1周するための専用マシーンとして、今までよりずっと低い速度領域でも思い切り楽しめるんじゃないかな、という期待をしています。

「125ccなんて遅くてつまらんよ、900ccからダウンサイジングするならせいぜい600ccくらいにしとけば?」なんて、生粋の公道レーサー(笑)たちはアドバイスしてきます。でもそうじゃないんだよ(ていうか一体どんなスピード感覚してるんだか)。小さい軽い遅いは、ぼくらの手の届かない世界に行ってしまった乗り物(4輪も2輪も)と生身の人間との一体感を、もう一度取り戻してくれるんだよ、きっと。
Posted at 2025/06/03 19:37:47 | コメント(2) | トラックバック(0) | 欲しがり | 日記
2025年05月30日 イイね!

マイルドSSというジャンルのバイクたち

マイルドSSというジャンルのバイクたち5月後半、なんだかすっきりしない天気が続いていて(そのうえ富士山がまた冠雪したりして)バイクで出かけづらい日々ですね。

先日、久しぶりに半日ほど日が差したので、しばらく乗ってなかったスーパースポーツSを動かしに来客の合間を縫って2時間ほど出かけました。
箱根まで20分のところにいると、こういうときにありがたい。

さて、このドゥカティ・スーパースポーツS(以下、「スパスポ」)ですが、なんていうジャンルと呼んでいいのかいつも悩む。だいたい、名前が「スーパースポーツ」なのがよけいややこしい。

「SS」
SSじゃないよね、これ。

もともとスーパースポーツとかスーパーバイクというのはレースのカテゴリーとリンクしていたはずなので、本来はわりかし明確な排気量の定義があったはずだけど、昨今では「SS」という言葉がほとんど「セパハン・フルカウルで前傾のきついスポーツバイク」と同義に使われている感がある。それにしても、SS=「公道よりもサーキットに照準を合わせたバイク」という定義は外せない。

そこ行くとスパスポはセパハン・フルカウルではあるけど、前傾はきつくないし明らかに公道での乗りやすさを重視しているので、どんなに見た目がパニガーレに似ていてもパニガーレとは商品カテゴリーが根本的に違う。

じゃ、「スポーツバイク」
そうね。そうかもね。

でもそうすると、ストリートファイターなんかも「スポーツバイク」と呼んでよいよね。オフ車だってスポーツバイクだ。だいたい、バイクに乗るという行為自体がぜんぶ「スポーツ」じゃないか。そんなこと言いだしたら、新聞配達のカブや信用金庫のベンリー以外、全部スポーツバイクだよもう。

となると「スポーツツアラー」
うん、あえて言うならそれかもしれない。

だけど、最近はスポーツツアラーってどっちかというとヤマハ・トレイサーGTとかトライアンフ・タイガースポーツみたいな、バーハンドルで乗車姿勢が楽で、ウインドスクリーンが大型の、少しアドベンチャー系の血統が濃いバイクに対して使われることが多くないですか?

昔の「スポーツツアラー」といえばホンダのスーパーブラックバードとかトライアンフのスプリントGTとか、あるいは現行車種ならスズキのGSX-8Rとかハヤブサとかカワサキの非SS系ニンジャみたいな、「上付きセパハン・フルカウル・それなり前傾&控えめバックステップ・パニアオプションあり」みたいなバイクのことだったように思うけど、これらを前述のアドベンチャー血統とは区別して呼ぶための呼び方が欲しい。

いや待てよ、世間的には「その2つのジャンルを区別する必要ないよ」という判断なのか?

まあたしかに、その違いはセパハンかバーハンドルかという点だけである。

そしてスポーツツアラーの上付きセパハンなんて、トップブリッジより高いところにあるから乗車感覚はバーハンドルと変わらないじゃないか、と言えるかもしれない。

でも違うんだよ。それでも私はセパハンに乗りたいんだよ。SSより楽チンだけどSSみたいに刺激的でかっこいいバイクが欲しいんだよ。

で、スパスポはその(私の中での)ジャンルにフィットするし、考えてみたらさっき挙げたスポーツツアラーとはまた方向性が違う気がする。

だいたい、スパスポは言うほどロングツーリング向きじゃないし。私の中ではあれは150kmレンジ選手で、それ以上はかったるい(それは私の体力のほうの問題かもしれませんですけど)。
パニアも(無遠慮にデカいやつが)純正オプションで付くけど、あれを付けちゃうと私が個人的に求めるスパスポの存在意義とはズレてしまう気がする。

つまるところ、スパスポみたいなのは新たに分類し直すべきなのである。たぶんトライアンフの新しいデイトナ660とかは同じジャンルで、あえて呼ぶとしたら「マイルドSS」もしくは「セミSS」というところかなあ。

ツアラーのような旅バイクではなく、あくまでスポーツライディングすること自体が目的。SSとの違いは、使用想定がサーキットか一般道か、という点。それは公道用に最適化されたデチューンドSSであり、高齢者用のやさしいSS。「お達者SS」とか呼んでもいいけど。

ちなみに私の中でのSSとマイルドSSの境界線は
・首が痛くならない
・眼球がずっと上目遣いを強いられず、コンタクトが外れそうにならない
・ブレーキングで睾丸が痛くならない
・交差点の左右確認で、ちゃんと横が見える
のすべてに合格したらお達者くらぶ御用達のマイルドSSです。

今回は、うちのドゥカティ・スーパースポーツSの魅力と限界について書くつもりだったけど、その前に言葉の定義をしておこうと思ったらその話だけで終わっちゃいました。

また次回。
Posted at 2025/05/30 13:42:37 | コメント(1) | トラックバック(0) | RANT | 日記
2025年05月17日 イイね!

上質なカジュアル車から、本格的高級車への脱皮

上質なカジュアル車から、本格的高級車への脱皮中期型(MY2018)のIS350Fスポーツを気に入りすぎて、またISにしました。
7年8万キロ乗った350は、高級感とカジュアルさの両立が絶妙でドライバーに気を遣わせないところが好きだったんですよ。下駄代わりに乗り回せる気軽さがあるのに、作りもそれなりに高級で安っぽい我慢を強いてこないところが。

そのIS350があと1年半くらいで乗り換え時期かな、ということで、長納期を見越して次に乗る車を探し始めたのですが、結果的に納期も想定よりずっと早く(ISは生産停止中だったのが再開)、またレクサス自体の製品耐久性が異常に高く10万キロくらいじゃまだ全然シャキッとしてるので、その気になればもう少し引っ張ることもできた乗り換えでした。

今回、500が納車されたあと10日くらい経ってから350の引き取りだったので、少しの期間だけ2台を行ったり来たり乗り比べることができました。

7年経った車と新車の比較だし、そもそも私は足回りの動きだとか内装の質感だとかの違いの分かる男では全くないので、ほとんど「なんとなくそんな気がする」レベルのレビューとなり、大して参考にはならないかもしれません。

という前置きのうえで感じたことを書きますと、エンジンの違いをさておいても、後期型になってより高級感が増している気がしました。
ドアを閉めるときの重厚感、車内の静粛性、乗り心地のまろやかさ、オーディオの音、内装の質感、などなどがより熟成されている感じがして、基本同型車への乗り換えだけど新型車として十分満喫しています。

内装は、後期型では材質等がコストダウンされているものだと勝手に思い込んでおりましたが、実際に触ってみるとむしろ良くなっている気すらします。細かい一例を挙げれば、エアコンのルーバー。中期の長方形から後期の丸型へと変更されていますが、後期型は動かしたときの触り心地が実にいい。
ただ天井内張りは、ジャージみたいな目の粗い後期型よりも、習字の下敷きみたいな柔らかい中期型のほうが好きでした。

レクサスは値引きをしないので、じゃあモデル末期の車はどこでお得感を出すのか?というと、やっぱりメカの熟成と、使用素材のグレードアップにより、製造コストの低減分を還元してもらえればありがたいですね。(実際に内装素材をグレードアップさせているのかどうかは知りませんけど。)

そんなわけで、エンジンの余裕と乗り味・質感の向上により、中期型よりもワンランク高級な車になったような気がして、より丁寧に乗るようになりました。そのぶん、下駄感覚のカジュアルさは少し薄れたかもしれません。

おまけに白本革シートを選んだので、子どもを乗せるのもちょっと気を使うようになりました。
でもこの白インテリアはいいですよ。白黒コンビネーションがとても落ち着いていて。

さすがに今どき5Lで8気筒あると、街をすれ違う1セグメント上のメルセデスやBMWの最近モデルに対して変な優越感を感じます(笑)。
Posted at 2025/05/17 14:32:52 | コメント(0) | クルマレビュー
2025年05月08日 イイね!

42歳の逆走事故に思うこと

42歳の逆走事故に思うこと道路交通に関する話題のなかでも、逆走ネタは注目を集めやすいようで。

GW直前の4月26日に発生した東北自動車道(栃木県那須塩原)での逆走事故も、大いに話題となりましたね。逆走した本人とそれに巻き込まれた対向車の運転手が亡くなったのに加えて、派生して起こった渋滞でさらにトラックによる追突死亡事故が起こったことや、逆走車が侵入したと思われるインターが信号機と平面交差による分かりにくい構造になっていたことなど、なにかとニュース性の高い事故でした。

しかし何より注目を集めたのは、逆走車の運転手が42歳だったという点でしょう。しかも、飲酒や薬物の形跡も見られなかった様子。

そんな若い人間が逆走なんてするはずがないんだから、きっと自殺願望があったに違いない。SNS上では、そんなことを主張するコメントを多く見ました。
(その後の報道によると、特に希死念慮的傾向も見られなかったとのこと。)

そもそも逆走というニュースネタが騒がれやすいのはなぜかというと、その危険性と同時に「一体なにをどう間違えるとそんなミスを犯すんだよ」という、発生メカニズムの理解不能さに理由がありそうです。

アクセルの踏み間違いなんかもそうなんですが、ふだんちゃんと集中して運転している身からすると「自分がそんなことをやらかすはずがない」と思う。

正直、私もそう思う。

そんな我々の想像力の及ぶ範囲で考えると、「認知症の高齢者だから逆走などするのだ」という結論がいちばん分かりやすいんですよね。

そう考えて安心していたところに42歳が逆走などしたものだから、これまでの想定がひっくり返ってしまって当然世間はざわつくわけです。

だから「飲酒」とか「薬物」とか「自殺願望」みたいな別の分かりやすい理由をなんとか探したくなるのが人間の心理というものなんですが、そんな簡単な説明がいつも用意されているとは限りません。

つまり、こういうことです。

もしかしてこれって「大丈夫と思っている人でも、意外とやりかねない」ことなんじゃないでしょうか。

いや、最初に間違えちゃったところではなく、間違え続けちゃったところの話です。

たぶん誰もが疑問に感じたのは、逆走方向に入ってしまったミスの部分よりも、「なぜ、そのまま逆走に気づかずに何キロも走ってしまったのか」という部分ですよね?

認知力がしっかりしているはずの42歳が、自分が逆走していることに気づかないはずがない、と。

私、今回の逆走案件のニュースを見て、実際に当事者になってみないと分からない心理がそこに働いているんじゃないかと思うようになりました。

おそらく、この逆走してしまった42歳男性は自分が逆走していることを疑いもしなかったのではなくて、「逆走などするはずがないという自己認識」と「自分が逆走していることを示唆する目の前の光景」との間の矛盾に耐えきれずにパニックになってしまったのではないか。そんな気がします。

認知心理学用語で言う「認知的不協和」というやつです。

TVやSNSでよく見る「(認知症の疑われる)高齢者が逆走事件を起こした」なんて情報ばかりが印象に残っているので、健常なはずの自分が逆走を「しているらしい」なんていう事実を受け入れるのは耐えられない。

これは、逆走した人を叩けば叩くほど、いざ自分が間違って逆走方向に入ってしまったときに認知的不協和が大きくなって冷静な対処ができなくなることを示唆します。

もちろん間違ってはいけないんだけど、たとえ間違っても最初の一歩目で冷静に対処すれば大事にはならずにすむはず。

なのに、「自分は間違ってしまった。自分はアホだ」と言う状況を受け入れるのに時間がかかって、最悪の方向に進んでしまう。

カーナビで道を間違ってしまったときに「とりあえずそのまま進んでみよう」と突き進んでしまう心理にそれはちょっと似ています。

詐欺にはまりそうになったときに「いや、疑っちゃ悪いから」とそのまま騙されてしまう心理にもちょっと似ています。

ギャンブルで大負けしたときに「いや、このまま打ち続ければ次は勝って負けを取り戻せるはずだから」とずぶずぶはまり込み、挙句の果てに他人のお金にさえ手をつけてしまう心理にも近いかもしれません。

どれも同じ、目の前で起こっていることの重大性を過小評価してしまうという、いわゆる「正常性バイアス」です。

私自身がそんな逆走者心理の罠にはまり込む可能性があるか?と聞かれると、たぶんないと思っています。少なくとも今のところは。

だけど、絶対にないとは言い切れないし、何かの拍子にそこに陥ってしまったときにふだん想像しているみたいに冷静でいられるとは限らない、ということは、誰もが意識しておくべきだと思います。万が一ミスをしちゃったときにどういう対処をすればいいのか、一度頭の中でシミュレーションしておきたいですね。


(画像はFNNプライムオンラインより拝借)
https://youtu.be/8jP1n8DhPrU?si=MrnI0Qrn6C_oTbX_
Posted at 2025/05/08 18:19:19 | コメント(1) | トラックバック(0) | RANT | 日記

プロフィール

「125ccはライトウェイトスポーツたり得るか(バイクの話) http://cvw.jp/b/2933928/48709419/
何シテル?   10/13 15:49
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