
その3 加減速Gと旋回Gそして速度制御①
これはTEINが公表している32Sのデモカーのセッティングです。
前回、触れたように、このまま33Sに設定して走ると
「ふにゃ足」で注釈にあるような
高速やワインディングではとてもとても。。。
という感じになる。
では、注釈にあるように基準段数を上げてみればどうか?
メモリー1では、12段ぐらい硬くすると限界に達するので、
基準段数が52となる。
そして、「しっかり感がアップ」と説明のある
メモリー2では、なんと64より硬く設定できない!!
もっと正確に言うとメモリー1では52、
メモリー2では64より基準段数を上げると
もっとも4輪のバランスが問われるGの値の大きい時に
せっかく設定しているそのバランスが崩れるのである。
その理由がわかりますか?
加減速G、旋回Gともに -64~+64まで好きな調整値を入れることはできるのですが、
実際には、かなり選べる数値は決まっています。
たとえば、一番わかりやすいところをピックアップします。
旋回GのR5の数値を見てください。
リアのIN側が-24、OUT側が-44となっています。
もちろん0km/hで0.55Gなんて発生しないので、
少なくとも80km/hぐらいで走行中であるはずです。
そうすると速度制御として-20が入力されていますので、
-44と-20で-64となり、この時の段数は0となり、
これ以上硬くならない状態になります。
ですから基準段数をもし、少しでも硬くしてしまうとその速度に至る前、
あるいはその旋回Gに至る前にリアのOUTが0となってしまい、
せっかくとってある4輪のバランスが崩れてしまうことになります。
前後Gを見ると
特にメモリー1は、このままでは33Sには不向きだと考えます。
理由は加速と減速が同じ値になっているからです。
33Sはフロントの荷重が約1.8倍あります。
そのことが全く考慮されていないのです。
一方、メモリー2では、それが考慮されているので
前後Gについては、こちらの方がいいでしょう。
旋回Gは、メモリー1も2もフロントとリアが全く同じです。
これもやはり33Sの特性というものが全く考慮されていません。
もちろんFLEX Z単体よりは、このセッティングでもインストールして走れば、
車体の姿勢は安定し、走りやすいでしょう。
取説にあるプリセットされているセッティングよりはずいぶんマシなので、
EDFC取り付け直後は、このデータを入れ、ここをスタート地点にするのも
ひとつの方法だと考えます。
今回、触れた内容からもやはり「理解」が進むと
1粒の砂を探す面積はずいぶんと狭くなることがわかります。
次回は前後G・旋回G、速度制御について②です。
Posted at 2019/05/15 18:50:53 | |
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EDFC ACTIVE PRO セッティング | 日記