
家電製品は消耗品、車は耐久消費財に分類されています。
先日Automobile Councile 2018に行って来ました。
往年の名車達が今も大事にされた動体車両として展示されていました。
どの車達もオーナーに愛され大事に乗って貰っていたことが、とても良く伝わってきました。
また、丁寧にレストアを受けて来られていることもこの事を可能にしているのだと思います。
昨今、代車として最近の車に3日ほど乗る機会がありました。
乗り始めた当初こそ最新の自動車テクノロジーに感心し便利さや快適性に目を見張りましたが、時間の経過と共に別の印象が頭をもたげて来ました。
「この車は名車の仲間入りが出来るのだろうか。将来に亘ってオーナーに大事にして貰い、レストアをすることが出来るのだろうか。」
気になったのは、余りにも電子デバイスの装備が多く、運転への介入も頻回だったのです。
電子部品はアセンブリ交換が原則で、基本的にオーナーがDIYで直すことはほば不可能です。
自動車部品は法律で生産終了後の一定期間は在庫保管が義務付けられていますが、これを過ぎると在庫がなくなり次第修理不可能となります。
電子部品は色々な意味でメーカーのノウハウの結晶ですから、ブラックボックスとなっている場合が多く、サードパーティメーカーが同等品を作ることには限界があります。
この現象は家電品で顕著です。
修理部品が無くなると「修理不可能」として「買い替えどきですね」と最後通牒が突きつけられます。
また、ひと昔前にテレビデオなどの複合家電なるものも流行りました。
しかし、TVかビデオのどちらかが壊れると他方が大丈夫でも、買い替えが必要になってしまうものでした。
拙はこの現象が車にも到来しつつあるのではと危惧するのです。
動力系に問題が無くとも運転をサポートしてきた電子デバイス、電子部品が駄目になり、修理パーツが入手不能となった時点でその車の命運が尽きてしまうのではないかと心配するのです。
同じ現象は一眼レフ界には既に到来しており、デジタル一眼レフは、消耗家電品となってしまっています。
殊にコンパクトデジカメではパソコンOSの更新にも大きく左右され、時と共に使い勝手が悪くなり、最後は機械機構部分に問題が無くとも使い続けることが出来なくなります。
これと同様の事が着実に車の世界にも浸透してきていることで、名車が現れにくく未来に残って行けなくなるとの恐れを持っているのです。
幸いなことに拙達が愛するNAには電子デバイスが少なく、あっても比較的単純な仕組みのため、今も皆様の手元で可愛がられています。
しかし、NAの兄弟姉妹たち、また将来の子孫たちも同じように長く長くオーナーの手元で愛され続けて行くことが出来るか、その未来に一抹の不安を抱かずには居られないのです。
ユーノスロードスター並びにマツダロードスターは自動車の歴史に名を残すに値する車になりました。
この拙達が愛して止まないロードスターの系譜が車の家電品化の波に流されてしまうことの無いように、そしていつかAutomobile Councileに並ぶ諸先輩方と笑顔で並んでいてくれることを心から願うのでした。
(長文を最後までお読み頂きありがとうございます。)
Posted at 2018/08/10 08:01:35 | |
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未来の車のゆくえ | 日記