今や鋭意NEの開発が進んでいるものと推察します。
ロードスターをビジネスとして考えた時、どの年齢層をターゲットとするかは車作りや販売上とても重要なテーマだと思います。
2シーターオープンであること、車ユーザーの掘り起こしにより自動車需要を喚起したいことを勘案すると、ターゲットとなりうる需要のボリュームは、独身若しくはDINKS世代と子育てが一段落し趣味に時間とお金を使えるようになる50歳台以降の2つの世代になるのではないかと思います。
そこで大切なことは、NEを商品として見た時、どちらの世代にも訴求力が必要だと思うのです。
車を操る楽しさを実感できる車作りはNAの頃から一貫してMAZDAが筋を通してきた大切なコンセプト。
ここは何がなんでもNEでも踏襲する事が絶対条件です。
問題は、どちらの世代からも歓迎されるシリーズ構成だと思うのです。
このように書くと大方は「そんなのはグレードで選択出来るようにすればイイんじゃないか」と仰られる方もいらっしゃると思いますが、拙はこれに疑問を呈したいのです。
現在の自動車の一般的なグレード構成は、装備を必要最小限にした廉価版から装備を充実させた最上級グレード、そしてその中間グレードといったラインナップになっています。
当然時間と経済的余裕のある中高年令世代は上級グレードを選択することが多いと思いますが、一方若者が廉価グレードを喜んで選択するだろうかと思わずにはいられないのです。
NAが発売された最も初期、グレードはザックリ2種類。
ベースグレードとSPパッケージ。
違いはパワステ、パワーウインドウとアルミホイール、等の有無程度の違いで、あとはエアコンですらメーカーオプションでした。
当時の購入者は、2種類のグレードの他、オプションカタログを眺めて自分好みのロードスターに仕立てて行きました。
当時の販売方法は、ビジネス的にも成功したのではないかと拙は考えます。
MAZDAから見てどうであったかは判然としませんが、若い購買層から見れば大変喰い付き易い販売システムだったのではと思うのです。
購入時には必要最小限のオプションのみを選択して購入。
そして疾駆り始めてから少しずつオプションを買い足す。
また、メーカー以外のサードパーティオプションもラインナップし易かったのではないかと思うのです。
かくして、ロードスターに於けるパーツラインナップは、純正オプションも含め非常に広範囲に且つ様々なベクトルを持つ社外オプションがビジネスとして成立したのでないかと思うのです。
今や車には電子デバイスの搭載は不可避となりつつあり、幸か不幸か次期ロードスターもその潮流の中にいます。
当然電子デバイスの搭載は、車の性能開発コストとは別にコスト増となります。
しかしながら、若い世代の車好きを育てスポーツカーの需要喚起を促そうと考えれば、NEには必要最小限のグレードとメーカーオプションのみで構成し、若者が買い求め易い価格帯で設定してあげて欲しいのです。
そして時間と経済的余裕のある中高年令層には豊富な純正オプションとサードパーティオプションで自分好みの1台を仕立てる楽しみを提案して欲しいのです。
このような事は、グレード構成では訴求しアピールすることは出来ないと考えます。
グレードを極シンプルにする事で、若者世代と中高年世代のスタートラインを同じにすることは、若い世代に格差意識を感じさせない効能があるのではないでしょうか。
NEと言う車の根幹をなすセグメンテーションを何処に設定するかと言う開発とマーケットの考え方と開発戦略、販売戦略、訴求ポイントだと思うのです。
車を操る楽しさをしるドライバーを増やすのは、自己の存続にも関わる自動車メーカーの大切なミッションです。
高齢者向けの事故防止電子デバイスてんこ盛りの車作りばかりしていては、将来的な自動車企業は衰退の一途を辿るのみ。
是非ともMAZDAには若者が手が届くロードスターを作って欲しいと願うのでした。
そう。
もう一度「だれもがしあわせになる」ロードスターを。
(NEの想像CG画像はSpyder7の自動車スクープより拝借しました。本当にこんなデザインになってしまうのか、少し心配しています。)
Posted at 2019/11/29 07:17:15 | |
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ロードスターのデザイン | 日記