
助手席側Aピラー根元のウェザーストリップを一部外すことで負圧によりエンジンルーム内の熱害対策を講ずる奇策。
果たして本当に排熱効率が上がるのか、その効果を検証します。
【熱害対策考2022】エンジンルームの熱外対策を考える
【計画編】熱害対策の効果検証
測定は、エンジンルーム内に暫定的に設置したデジタル温度計によるエンジンルーム内の温度とエアコンアウトレットから吹き出す冷風温度。
使用する温度計はこちら。
これを可能な限り同じ条件でウェザーストリップありと一部外しとで温度差を測定して、効果を確認します。
測定コースは、拙と拙車にとってホームコースたる奥多摩周遊道路。
これを都民の森駐車場まで同じペースで往復して確認します。
先ずはウェザーストリップをつけたまま中央道から奥多摩を目指します。
走行中には、クリップボードへの記入は危険ですので、記入するチェックポイントを決め、その他は気が付いた時に信号待ち等の停車時に書くことにしました。
さて、下の画像がその記録です。

(殴り書きにて乱字は何卒ご容赦ください。汗)
【検証】
記録ではお分かりにならない部分を以下に記述します。
・水温計と異なり空気温度は変化が早く秒単位で温度が変化し、停車時に少しでも時間が経つと温度が変わってしまいます。
・奥多摩周遊道路は霧雨状態で路面はウエット。よって2往復を断念して往路はウェザーストリップ有り、復路からはストリップを外して計測・比較しました。
・ストリップ有りでは、バルクヘッド上部付近の温度計は緩やかに変化しました。
・恐らくは空気熱伝導により、バルクヘッド直前の温度が徐々に変化するものと推察出来ます。
・逆にストリップ無しにすると、途端に単位時間当たりの温度変化は激しくなります。停車時の温度変化は無しの場合より早く高温になります。
・ところが走り出すと外気が低いこともあってか温度の下がり方も早く、なしの場合より温度は低くなります。
・但し、今回の検証とは別日の猛暑日に千葉方面を走った際は高速を降りてすぐ渋滞で、温度計は一時的に90℃を超えました。
・エアコン吹出し口は、エンジンルーム内の温度変化には余り左右されず、走っている限りほぼ終日10℃以下を示し続けました。
車を停めるエンジンも停止して暫くして再始動させた場合、エアコン吹出し口は10℃を超え外気温に近づきましたが、然程時間をおかずに10℃以下になりました。但し、少しハードめに走った直後に昼食の為に30分以上停車しておくと外気温を超えてエンジンルーム内の温度に近づいていました。
・また、昔から言われていたことですが、リトラクタブルヘッドライトをアップさせると空気流入量が増え、エンジンルーム内の温度は明らかに下がりました。
・また、検証項目とは別に面白かったのは、トラック等の直後を走ると温度の上昇変化が大きい。これはF1等と同じで前方に先行する空力的遮蔽物があると空気流入量が減少し排熱効果が悪化することに起因したものと推測しました。

(お気に入りの塩山のお蕎麦屋そば丸さん。穴子が不漁の為お品書きから無くなっていたので、エビ天丼と蕎麦の定食を堪能しました。)
【考察】
以上の事から、拙は次のように考察しました。
・ウェザーストリップがある場合、エンジンルーム内の空気の殆どはエンジンルーム下側から排出される。
・バルクヘッドのストリップ付近には空気の逃げ場が無いので、熱伝導に依って徐々に温度が変化する。
・ウェザーストリップがないと、エンジンルーム下側と併せてバルクヘッドとエンジンフードの隙間からも空気は排出される。そのため、熱伝導ではなくエンジンルーム内の熱気が直接この隙間を通過するため、この付近の温度はストリップ無しより温度変化が大きい。
・ストリップ無しで停車時と走行時を見ると走行時の温度低下が顕著なので、フロントバンパー開口部からの空気流入量は多くなっていると考えられる。
・ストリップ無によるエンジンルーム内の温度差は、有りと比べ走行時で5~10℃ほど低くなる。
・エアコンの温度変化については、拙車の場合配管に断熱チューブを巻いていますが、これによる効果はかなりある。特にピーク時は2.1℃を記録したのは驚き。
【結論】
以上を踏まえて、今回の検証に対するあくまで個人的な結論として拙は次の様に考えます。
①助手席側ウェザーストリップがある場合は無い場合に比較して温度変化は穏やか且つ無しの場合より高温にならない。
②Aピラー付近に負圧が発生するかは分かりませんが、ウェザーストリップを外すと確かにエンジンルーム内の温度は顕著に下がる。
③但し、停車時の温度変化も顕著で真夏の高気温時は、助手席側ウェザーストリップ付近の樹脂類が溶解する可能性はゼロではない。
④エアコンの配管に断熱チューブを巻くことに依るエアコン効果はある。
依って、ウェザーストリップを外すことによる熱害対策は一定の条件下では効果ありと私的に結論付けました。
但し、拙車の場合はエキゾーストマニホールドを交換し、断熱バンテージを巻かずに遮熱板と断熱チューブのみの熱害対策で概ね十分と判断に至ったのでした。
以上ご報告しますが、これはあくまで拙の私的な検証であり拙車での検証結果に基づくものです。
皆様の愛車で同様の効果を保証するものではありません。
また、これを真似た行為はあくまで個人の責任に於いて行って頂き、これによって愛車を痛めたり故障した場合、拙として責任を負うものではない事をお断りさせて頂きます。
最後に今回の検証を終えての感想です。
正直もう一度同じ検証はしようと言う気にはあまりなれません。
何故なら検証中、度々温度計を見る必要に迫られ愛車とのスキンシップを堪能することが出来なかったことに依ります。
従いまして、帰宅後は直ちに温度計を撤去しました。
また、今後拙と拙車がウェザーストリップを外して走るかについては、暫く熟考したいと思います。
もしかすると真夏に少しハードめに愛車を走らせる時は外すかもしれません。
この報告を以て責務感から解放され安堵。
今後、暫くは純粋に愛車との戯れを楽しみたいと思っている拙なのでした。

(塩山から下り、勝沼のぶどう園で甲州の恵みを。シャインマスカット、巨峰、ブラックビースト。何れも大変美味でした。)
【追記】
拙もパーツを購入して装着方法を検討していたエアコンのヒーターホースバイパス化。
色々とパーツやホースのレイアウトを検討していましたが、決定・実行に至らぬまま2年ほどが経過していました。
神奈川県にあるR.S.相澤さんのネットラジオでは非推奨とのこと。
R.S.アイザワ インターネットラジオ第144回7/31公開分
理由はバイパス化に伴うヒーターホースの取り回しで、エキマニとの干渉リスクがあるとのこと。
接触や極近接化することとホースが必要以上に屈曲することで、ホースの破損、溶解等が懸念されるようです。
依って断熱チューブ巻きは、安全なエアコン効率化なのかもしれませんね。
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