早く思い切り愛車と戯れたいと願っても、エンジンOH後1,000kmは3,000rpm以下で慣らし運転をしっかり行わなければなりません。
この大事な期間に下手に負荷を掛けて、内燃構造におかしな癖がついたり、エンジンの寿命を縮めるような事になったりしては、元も子ありません。
…となれば、出来るだけ短期間に慣らし運転を終わらせたい。
その様な動機で、拙と愛車は蔓延防止等重点措置になる前の平日に休みを得て、奥多摩~甲府へとドライブに出掛ける事にしたのです。
拙宅を7:30に出発。
生憎、この日は先週とうって変わって肌寒い日。
雲も多く、陽射しは少な目でした。
まるで冬の出で立ちで幌を開け放ち、愛車を駆って中央道府中スマートICから奥多摩を目指します。
幸い中央道は最高速度が80キロ。
走行車線であれば、5速3,000rpm以下で何とか流れに乗ることが出来ました。
触媒、マフラーの交換でエキゾーストノートが爆音になってしまうことを危惧していましたが、杞憂でした。
確かに低音が響く様になりましたが、音量自体はそう大きくなっていません。
テノール歌手から声変わりしてバスパートの歌手になったかのような変化。
楽器で言えば、金管楽器のミュートを着けたバストロンボーンが吹いた様なくぐもった音が、そのミュートを外してベルを響かせているような明るい音になったような音色の変化です。
八王子JCTから圏央道へ。
トラックやトレーラーの列に混じって左車線を淡々と巡航します。
時折、空荷のトラックが勢いよく追い抜いて行きます
日の出ICで圏央道を降り、一路奥多摩の大麦代駐車場を目指します。
途中、ちょっとした丘を越えるのですが、3,000rpm縛りによるトルク不足により登れないまたは流れに乗れないのでは…、と心配します。
しかし、低回転域のトルクが増しており、元気良くとまでは言えないものの、モタつく事なく登り道を走ることが出来たのでした。
悩ましかった事は、丁度3,000rpm手前からトルクの盛り上がりが顕著になり、エキゾーストノートも輝かしくなる為、その手前でアクセルを緩めざるを得ないこと。
愛車は「本領はここからだよ❗」と主張してきます。
大麦代駐車場に到着。
暫し桜をバックに撮影をして、柳沢峠とその先を目指します。
途中、
2年半前の事故現場に通り掛かります。
急な曲率の変化と狭くなる橋桁の幅員で事故が起きやすいと警察官も仰っていた親川橋。
漸く新しい橋に掛け替わっていました。
橋に至る道幅も拡幅されカーブも緩やかになっていました。
旧橋梁は既に撤去され、川を挟む旧道の両端のみが面影として残っていました。
橋の掛け替えによりこの場所での事故が、拙で最後となることを強くに願うのでした。
柳沢峠への道程。
ペースは、ランニングと言うよりハイキングと表現した方が伝わり易いでしょうか。
のんびり、ゆったりと流すように登ります。
峠の茶屋駐車場からは遠くに雲を被った富士山を望むことが出来ました。
峠から塩山に向かう下り道。
低回転域とは言え、エンジンが軽く回るようになった事を実感します。
アクセルオフやシフトダウンでエンジンブレーキを効かせると、以前よりその効きが軽くなっているのが、ハッキリ分かります。
よく言えば軽く、違う表現を使えば効きが弱くなっています。
また、即座に回転が高まるため、音もこれまでの「グゥオン」から「パン❗」と瞬発性のある音に変わっています。
高回転まで回せるようになったら、どんな変化を見せてくれるのか、楽しみです。
峠からの下り道は標高が高く、丁度ソメイヨシノが満開。
都内では、愛車と一緒に桜を見られませんでしたので幸運でした。
折しも雲間から暖かい日が差し込み麗らかな天気の中、峠を下ります。
大菩薩ラインを下り、フルーツラインへの曲がり角。
帰宅には左折ですが、去年娘と行った蕎麦屋を目指すべく右折して昼食に向かいます。
お店への到着は、11:20。
既に席の2/3程は埋まっていました。
朝食を極軽く済ませていたので、空腹です。
冷たい蕎麦と穴子天丼のセットを頂きました。
蕎麦は手打ちでしっかりとコシがあり、つゆは鰹出汁がハッキリ感じられます。
薬味の山葵は安曇野産本山葵。
穴子天丼は、衣がカリカリサクサクに揚げてあり、濃くて少な目の丼つゆとのバランスが絶妙でした。
存分に堪能して店を出ると、未だ12時を回っていないにもかかわらず、密を避けて何組かウエイトが立っていました。
一路、帰宅の途へ。
沿道の果樹園では、桃の花が咲き誇り、農家さんが手入れをされています。
この辺りの春の麗らかな風景です。
フルーツラインを勝沼に向けて走り、ICから再び中央道をのんびり流します。
2時に帰宅。
改めてたっぷりの水で洗車を施し、最初のリハビリ走を終えた拙と愛車だったのでした。
未だ250km程度ですが、エキゾーストノートは距離が延びる程に音質が変化しています。
少しずつ喉に痰が絡まったような雑音が少なくなり、プロのバストロンボーン奏者の乾いた艶のある低い音色のよう。
慣らし運転が無事に終わり、適度に回せるようになった時、どんな音色を奏でてくれるのか楽しみになったのでした。
(ODO:100,517km)