【応援メッセージ】今震災について

　国難……そう、本当に国難としか言いようのない事態だ。
　東北地方太平洋沖地震に始まる東日本大震災―――。
　（NHKは「東北関東大震災」と呼称しているが、北海道・北信・東海にも被害が及ぶスケールから、「東日本」の方が適当だろう）

　地震の揺れにはほとんど耐えたにもかかわらず、入り江の町、海岸線の伸びる町のひとつひとつが津波に飲み込まれ、そのひとつひとつにつき数百から数千の人間がむくろと化した。
　僅か一週間前まで、会社へ勤め、学校や幼稚園で学び、漁へ出かけ、土を耕し、それぞれ生活を営んでいた人たち……。エコカー補助金やエコポイント終了間際で駆け込み購入した人も多くいただろう。統一選を睨み支持固めに奔走する人、それに空返事する人もいただろう。要するに、われわれとまったく変わらぬ同胞、はらからが、「人権」という言葉もむなしく響く瓦礫と泥土、あるいは海底に横たわっているのだ。
　同じ日本人として、こんなに胸が痛むことはない。
　あらためて、今震災の犠牲となった御霊のご冥福をお祈り申し上げます。

　震災後、被災地以外の多くの方が、
　「自分に何かできることはないか」　と自問している。
　私も考えた。なるべく簡潔に。

　自答したのは、
　「その人 本来の務めを全うすること」―――勤め人は仕事に、学生は学業に、幼子は遊びに―――
　と
　「納税すること」―――すべての公共を信じて―――

　余力があれば、手持ちのお金を「寄付」すればいい。
　未だ稼ぐことのできない子供なら、街角で周りから「募金」をお願いしてもいい。
　時間のある人なら、自らの体で「ボランティア」として奉仕するのもいいだろう。
　ただ、稼げる人が他からお金を募ったり、勤め人がそれを休んでボランティアに赴いたりするのは、やや軽佻に思える。
　一番の本筋、大事なのはやはり、「勤めを果たし税を納める」ことだと。

　近年の情報通信の発達により、先の震災には（ほとんど）無かったケータイでのメールやブログやツイッターが、今震災には幅を利かせている。
　しかしこれらは、通信の「早さ」と「より広くへの伝播」については桁外れに高まったが、情報の「質」については一寸も伸びていない。悪い面がより強く出ることすらある。これらの手段は過大評価することなく使いこなしたいものだ。
　また、秩序意識の際立った日本人ではあるが、己が家族のためであろうが買いだめに走る。ほとんどが善意によるものであろうが過剰に危機を煽る。
　警察・消防・自衛隊、都道府県・市町村の行政、種々のインフラその他の公共を信じ、冷静でありたい。
　「節電する」「買いだめしない」「不確定情報を広めない」等の心掛けとともに、日本国民が一体となって各々の務めを果たさば、必ずこの国難は乗り越えられると私は信じる。



　最後に、福島第一原発―――
　上空からの放水が有効なら、人工降雨の努力もしてはどうだろうか？