
もうすぐ大阪モーターショー2019ですね。
2年前の
マツダ 魁 CONCEPT が、今や市販車としてカタチになっています。
(
マツダ VISION COUPE は大阪に来ませんでした(涙))
(今回もメテオ号で行きますよ)
MAZDA3発売時、よくコンセプトデザインをここまで残したな、と感心すると同時に、(想像通りではありましたが)後方視界の絶望的な悪さに閉口しました。
→
デミオXDの ちょっと待つんだMAZDA3!
>ただ、我が家のニーズで考えてみると、視界の悪さが酷過ぎて おそらく嫁が運転できないので、このMAZDA3の個性は なかなか受け入れられませんね…。
>視界の確保は、安全のための一丁目一番地なので。
MAZDA3はとりわけ酷いですが、
マツダが視界性能を訴える時は、ドライバーより前の視界のことしか言及していません。
→
人間特性の研究から生まれた、マツダ独自の視界性能。
>人間を中心に発想したマツダの視界性能は、
>(1)パノラマ視認性、(2)連続視認性、(3)夜間視認性、
>大きくこの3つの視認性を追求しています。
マツダの開発者たちは前方だけを見て運転しているのでしょうか?
いや、必ず、ミラーや目視で 後方・斜め後方を見るでしょう。
実際の運転状況を考えて欲しいです。
「(4)後方視認性」も加えてください。
また、(車線変更時の後方確認目的の)
後方センサー(準ミリ波レーダー)ありきのクルマづくり、
後方センサーの抱き合わせ販売は止めて欲しいです。
無用な装備とは言いませんが、必須ではありません。(後方は低速時用のカメラ・ソナーで充分です)
後方センサーが無くても問題無く走られるクルマづくりをして欲しいです。
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冒頭からの文句たらふく、失礼しました。さて、
夢見てクルマをつくってきたマツダが、ようやくマーケットを見てクルマをつくってくれました!
CX-30の登場です!(発売は10月224日)
スカイアクティブ一連の動きが始まってから、
ファミリー層の斬り捨てが酷かったですから(ミニバンやめたり、車幅拡大しまくったり、狭い・載らない・視界の悪いクルマつくったり)、
直近では、
○羨望されたい人
○美しく走りたい人
○内装や静粛性を重視する人
○音響に並みならぬこだわりを持つの人
…のためのクルマ)をつくったり…。
(↑ MAZDA3 ですよ)
狙いをもってクルマをつくること自体は悪くないと思うのですが、なにぶん、
シングル又はアベック専用の性格が過ぎます。
Cセグメントど真ん中のクルマで、3人目以降を考えないようなクルマなんて…。
もっと、日本の子育て家族のことを考えた、ファミリーのための……。
昔、
ファミリアというクルマがありました。
公式から引用しますが、
クルマの普及だけでなく、高速化の時代を迎える、そうした世情の中でファミリアは、1963年9月に誕生した。その車名は、イタリア語の「家族」の意味で、家族が揃ってドライブへ行くという想いをこめた命名だった。
そう、
“家族が揃ってドライブへ行く”ですよ。
○お父さんが気分良く走ることができて、
(走行性能・疲れにくさ・格好良さ)
○お母さんも気分良く問題なく運転することができて、
(内装・取り回し・視界の良さ)
○子供たちがリラックスして楽しく過ごすことができて、
(乗り心地・後席居住性・開放感)
○目的地へ荷物を運んだり、おみやげを持って帰ったりできる。
(荷室容量・積み降ろしのしやすさ)
“家族が揃ってドライブへ行く”、
こんな風景こそ、“美しく走る”風景ではないですか。
そして、庶民である以上、
○家計にやさしい。
(取得・維持の経済性)
…ことも大事です。
これらの項目を、「ファミリア資質」と呼んでみます。
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新発売の CX-30の「ファミリア資質」はどうでしょう?
まだ実車は見てませんが、
公式ホームページで見てみました。
① 走行性能・疲れにくさ・格好良さ
走行性能・疲れにくさは、基本 MAZDA3ゆずりでしょうね。
デザインも、フォルム・シルエットは良いですね。
ただ、クロスオーバーって言うのですか?(街乗り用SUV?)
それを気取って、あの
黒い樹脂。
“フォーマルなジャケットに胴長靴”みたいな、かなりの違和感があります。
そして、経年劣化で白くなりそう。(青空駐車なので)
アーマオールで直るのですか?(塗る面積が広過ぎ)
② 内装・取り回し・視界の良さ
内装は MAZDA3ゆずりです。
全長 4,395mm、全幅 1,795mm、全高 1,540mm、ホイールベース 2,655mm、最低地上高 175mm
全長はショートワゴンのクラスにまとめてきましたね。扱いやすい長さです。
車幅は広いです。スカイアクティブ以来 マツダは 1.8mなら良いと考えているようで、道が広くなったわけではないのに「左右のサイドミラー両端までの幅は広がっていない」という論法を繰り出してました。(先代のアクセラでそのアピールトークを聞きたことがあります)
本当に狭い路地は、サイドミラーを畳んですれ違う時すらあるから、そんな詐術は通用しません。
①で指摘した あの
黒い樹脂 を削げば、それだけで 左右20mmずつ削って 1,755mmにできるでしょうに、ねえ。
冒頭でも訴えた視界は、写真を見る限りではまともそうですね!
後方視界については、
公式ホームページに
斜め後方の視界確保をサポート、クォーターウインドーを採用。とあります。
どれだけ見通せるか怪しい小さい窓ですが、ワゴンの造りならではですね。
サイドウィンドウの面積も狭くはなく、まともな後方視界が期待できます。
(準ミリ波レーダーに頼らない車線変更が期待できます)
③ 乗り心地・後席居住性・開放感
乗り心地は MAZDA3ゆずりでしょう。
かためで跳ねますが、ドライビングポジション命ということで。
後席居住性もまたMAZDA3ゆずりで必要最小限レベルでしょうが、視界が良い分、開放感はまともに感じることができそうです。
(後席居住性は、インプレッサスポーツ や XV が余裕ありますね)
後席のリクライニング機能は、近年なぜかどんどん無くなってきているのですが(浮野調べ。ミニバンは知らない)、このクルマはどうでしょうか?(シャトルはこの機能を備えています)
④ 荷室容量・積み降ろしのしやすさ
サブトランク込みで430Lの大容量!
サブ抜きでも、400Lというところでしょうか。
わが家基準でも、まず合格です。
開口部が工夫され、積み降ろしもしやすそうです。
⑤ 取得・維持の経済性
燃費については、新モード燃費で2Lガソリンエンジン車が 15.4km/l なら優秀でしょう。
タイヤが18インチは大き過ぎです。16インチで充分です。夏タイヤの更新費用だけでなく、冬タイヤの取得費用にも関わります。
車両の取得費用は、一番お手頃な 20S(FF)が 2,392,500円(税込)。これに諸費用がのります。高いです。
(インプレッサスポーツは 2,002,000円(税込)から、カローラツーリングは 2,013,000円(税込)から)
装備内容とは見合っていると思うのですが、快適装備・先進安全装備・大径タイヤをフルでぶち込んで乗り出し価格がアップして、「やはり私のような庶民に Cセグメントは手が届かないのか…?」と少し落ち込みます。
そして、価格アップに対するマツダの答えが
「マツダスカイプラン」(残価設定型ローン)だけなら、本当に寂しいものです。
残価設定型ローンでメリットを享受できるのは、“走行距離がほどほどで 元々3年で買い替えるサイクルをずっと続けている人”だけではないですか?
利率が低くても利子は「総額」にかかるし、走行距離に制限があります(地方在住者の大半はこれでアウト)。
「価値が高まったために3年後の残価が50%から55%に上がりました!」と言っても、それは
5%分の負担を先送りしてるだけで、得をするのは次も同じ店で買う場合のみです。
同じマツダ系列店で 3年毎に 同じ買い方を繰り返すことにメリットを見出させる、それが「マツダスカイプラン」。
これこそ
“新しいマツダ地獄”のように思えてなりません。
残価設定型ローン自体は
どの系列のディーラーでも広がっていますが、
「価値が高まったために3年後の残価が50%から55%に上がりました!」のセリフは
「正価販売を続けてきた成果」と 担当営業氏から直に言われたもので、正直なところ胡散臭いです。
残価アップは 事実上の販売促進手法 なんでしょう?
価格ダウンさせる方法はあります。
CX-30は、それなりに「ファミリア資質」を備えるものの、
クロスオーバー要素は 不要な人には不要です。
車高を普通にして、
黒い樹脂を剥いで全幅を1755mmに収め、
タイヤは16インチを標準としましょう。
この時点で SUV・クロスオーバー ではなくなるので、「CX」は名乗れません。
「MAZDA3 WAGON」はどうですか?
デザインを変え過ぎて「MAZDA3」は名乗れませんか?
では、
「MAZDA30」で良いでしょう。
さらに、
静粛性を普通程度にして、
マツダ・ハーモニック・アコースティックスを オプション選択化、
(斜め後方・後方をみる)準ミリ波レーダーも オプション選択化へ。
そうすれば、215万円でいけませんか?
少なくとも、220万円は切りそうではないですか。
2L NAのガソリンエンジンで、「ファミリア資質」を備えた、ショートワゴン。
「MAZDA30」、215万円~。
メーカーオプションは360°ビューモニターだけ選んで、値引き若干、諸費用込みで、乗り出し価格250万円まででいけそうです。
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MAZDAは ブランド化に躍起になり「高く売ること」しか考えてないように映ります。
正価販売は結構ですが、過剰な装備 や SUV要素 を強制的に盛り込んで価格を吊り上げる…私のような庶民にはついてゆけません。
そこらへんは、MAZDA2(デミオ)の製造・販売をいつまで続けるか…が
マツダ最後の良心になるのかもしれません。(スバルはとうに Cセグメント未満(軽や1.5Lまでの車の製造)を止めましたからね)
「MAZDA30」を体現するクルマが現れるまでは、MAZDA2(デミオ)こそが 将来にわたって私とマツダをつなぐ“よすが”となることでしょう。