2018年12月10日
人間追い詰められると
何とかなるものです。早朝、暗い内に出発して自宅から500km近くはなれた目的地まで行きます。
あとは、一路、自宅へ帰るだけです。帰りは、別の高速道路に入り、がら空きの高速道路を走ると、雪は降っていませんでしたが、左右の山々は白銀の世界です。手足がじんじん冷えてきます。
左右の路肩は、白く雪が積もっています。路側帯の白いラインの上にまで雪が残っているところもあります。つまり、道を外れると、雪で転倒。転倒して死ぬか凍死するでしょう。行き交う自動車は全く見当たりません。
道路脇の看板が見えます。何とか自動車道、標高最高地点。1000メートル近い数値が親切に書いてあります。最寄りのさみしいパーキングエリアにより、放水を済ませて、非常用使いきりカイロを5個、身体に装着して、必死で走ります。朝からつけてきた2つのカイロは、息絶えていたのですてます。
素早く200kmほど、この山間部を無事に走り抜けねけねば命はないでしょう。日がくれて雪が降ったらおしまいと言う事がわかります。
トンネル出たら雪!トンネル出たら雪!としつこく電光掲示板に表示されますが、幸い降雪はなし、飛ぶ雪に注意!と親切な看板にビビりますが、幸い風もありませんでした。
ただし、パーキングエリアで見ると、タイヤは白い粉がくっついて、真っ白、ヘルメットのシールドも真っ白です。凍結防止の塩です。塩をまくと、零下7度位で氷が溶けるらしい。
幸い昼一時ころ、白銀ロードに入りこんだので、まだ気温が高いです。今の内にかえらねば!ありがたい乾いた路面です。山の中のくねくねした高速道路です。
お地蔵さんがのりうつった様な表情で日がくれたら死ぬぞ!とばかりに、取りつかれた様に、日々の生活でくたびれきった心が洗われるような、白銀の山の中を、ヨーロッパ基準に合わせて近年騒音が酷くなった、トンネル内では太い、低い排気音を響かせて、不安感、焦燥感をヘルメットの中で噛み殺し、マイバイクは孤独に走り続けます。
このバイクを購入以来、初めてバイクと一体となり、取りつかれた速さで駆け抜ける事が出来た気がした、ジジイの昼下がりでした。くるぶしグリップを、自覚しない内に体得したのです。驚きました。自分で意識してないのに、足の腹、くるぶし、下腿の内側で、ギリギリとバイクを締め上げています。拳銃を握るグリップの感じです。
銃把を上方の銃の機関部分よりを握り、ギリギリと手で銃把から機関部を、絞り出す感じです。
やがて、その白銀の山の中を、やっと抜けました。オーっ!バイクが!突然、挙動不審に!
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Posted at
2018/12/10 16:04:40
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