やはり書いておこう。
1年ほど前、ミズーリ州で13歳の少女が自殺した。
少女の名前はMegan Meier(メーガン メイヤー)。
鬱病を患っていた彼女は、Myspace(日本のMixiみたいなSNS)で知り合って仲良くなった16歳の少年に、「おまえなんか消えた方がこの世のためだ」というメッセージを浴びせられたのを最後に、自宅で首を吊った。
ここまでなら日本でもありそうなお話だが、問題はこの16歳の少年が実は存在せず、「彼女が以前仲のよかった少女の母親」がでっちあげた、なりすましの仮想人格だった事で、自殺した少女の両親はその事実を知った時、その母親の家に殴り込みに行った(当然の行動だ)が、あろう事かその母親は、自宅の芝が荒らされた($1000相当の被害だって)との事で警察を呼び、被害届けを出した。
自殺のニュースはテレビにも流れたが、この母親の名前等は一切公表されなかった。しかし近所の住人はこの経緯を全部知っており、最近になって痺れを切らせたある知人女性が、事件の真相とこの母親の実名をブログで公表した。
この母親の名前はLori Drew(ロリー ドリュー)。
全米で、いま最も有名な48歳の鬼婆である。
先週、その「Myspaceで偽の人格をでっち上げて少女を自殺に追いやった」事に関する訴えに対し、日本の検察に相当する機関?は「行為自体は如何なものかとは思うが、罪には問えない」という、不起訴の結論を発表した。
そして、2ちゃんねるで言うところの「祭り」が始まった。
先に自分で警察に出した被害届け(公文書なので公開されても問題なし)が仇になった。ネットにその調書のスキャンが出回り、それが元でDrew一家のプライバシーは、父親の勤め先、母親の自営業(ローカル広告サービス)の詳細、自宅の住所、電話番号、果ては携帯の番号まですべて晒された。
全米からの自宅や携帯への電突(笑)。
広告主への電突、苦情、何であんな鬼畜に広告を依頼するのか?等々。
父親の勤め先への苦情、「腐ったご近所さんサイト」での衛星写真などなど。
更に、本人か成りすましかはまだ不明だが、Lori Drew名義でブログが立ち上がり、事件の事細かな経緯、自殺したMeganが自分の娘にどんな酷い事をしたのか等々、自己正当化のオンパレード。そして非難のコメントはあっという間に1000件を越す始末。
成りすましの釣りだとすれば、かなり凄腕の釣り師だ。
ちなみに、英語ではこの手の釣りの事をTrolly(トロリー)と言うらしい。そのまんまだ(笑)。
今現在は、Loriの広告業は廃業、必死で守っていたはずの娘は高校を中退、旦那の詳細は不明。近所からは村八分、友人は恐れおののいてだれも近寄らず、ネットもニュースも名指しで非難。
人を呪わば穴二つ掘れ、とはよくも言ったものだ。
寄せられるコメントの大半は、
Meganには、RIP(Rest In Peace、天国で安らかに)。
Drew一家には、RIH(Rot In Hell、地獄で腐っちまいな)。
と言うニュアンス。
うちの子も小学校で「ネットいじめ」に関して、引退警察官の話を聞いたらしい。
全米の子供たちが、あんたのした事を知ってるよ。Lori Drew。
「ネットいじめ防止法」が制定された暁には、それはきっかけになった事件を元に「Lori Drew法」と呼ばれ、北米にインターネットがある限りその名は忘れ去られる事は無いだろう。
子を持つ親として、この件で何か書かずにはいられませんでした。乱文失礼致しました。英語のニュースはWired.comその他を参照下さい。
以下関連リンク:
刑事事件としては不起訴だって。民事でがんばれ。
http://blog.wired.com/27bstroke6/2007/12/no-charges-will.html
地元紙。
http://stcharlesjournal.stltoday.com/articles/2007/12/05/news/sj2tn20071204-1204stc_pokin.ii1.txt
ブログ。本人なのか、実は凄腕の釣り師なのか。いずれにせよ大漁だ(笑)。
http://meganhaditcoming.blogspot.com/
Posted at 2007/12/06 17:53:37 | |
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