
皆さん、北海道マラソンのニュースを見ましたか?
私がニュースを見ていて気になったのが、女子選手の顔や首などに貼られていた、10円玉くらいの大きさの丸いテープ。
「何のテープなんだろう?」
たくさん貼られているので、ちょっと気になって調べてみました。
すると、これはファイテンのボディーケア用品であることが分かりました。
ファイテンによると、違和感のある場所などに貼ることで、その部分の筋肉のリラックスを促し、パフォーマンスアップを図る目的で使用するものだそうです。
面白いのは、選手が足だけではなく、顔や首にも貼っていること。
なぜ顔や首にまで貼るのかというと、
顔・首が張る
↓
肩が張る
↓
腰が張る
↓
足にも影響する
というように、身体はそれぞれがつながっていると考えているからだそうです。
なるほど。
単純に「痛いところに貼る」というより、全身のコンディションを整えるために貼っているということなんですね。
では、本当に速く走れるの?
ここはちょっと気になるところです。
メーカー側は筋肉のリラックスを促し、パフォーマンスアップを図る目的で説明していますが、
「このテープを貼れば速く走れる!」
と科学的に断定できるわけではありません。
トップアスリート本人が実際に使用してみて、
「自分には効果がある」
「コンディションを整えるのに役立つ」
と感じているから使っている、という部分も大きいのでしょう。
マラソンは42.195km。
ほんの少しの身体の違和感が、後半の走りに影響することもあります。
そう考えると、少しでも良いコンディションで走るために、こうしたアイテムを利用するというのは理解できます。
今回の北海道マラソンでは、不破聖衣来選手が初マラソンで2時間26分04秒の2位となり、MGC出場権を獲得しました。
一方、吉田響選手は2時間13分16秒の9位でした。
もちろん、
「テープを貼ったから速くなった」
とは言えません。
しかし、トップアスリートが身体の状態を細かく考えながら、こうした小さなアイテムまで利用しているというのは、なかなか興味深いですね。
そういえば、車にも「貼るだけ」があった!
ここまで書いていて、ふと思い出したものがあります。
それが、
車のアルミテープです。
「アルミテープ?」
と思われる方もいるでしょう。
私も最初に聞いたときは、
「そんな薄っぺらなテープを車に貼っただけで、本当に走りが変わるの?」
と思いました。
ところが、これを実際に市販車へ採用したのがトヨタです。
アルミテープで空力をコントロール?
2016年、トヨタ86の改良型で話題になったのが、
「アルミテープによる空力コントロール」
という技術です。
車の空力といえば、
ボディの形状
スポイラー
ウイング
ディフューザー
などを思い浮かべますよね。
ところが、トヨタが着目したのは、なんとアルミテープ。
しかも、目立つような大きな部品ではありません。
「こんな小さなテープで、本当に車の空力が変わるの?」
と思ってしまいます。
しかしトヨタの説明では、車が走行すると車体に静電気が帯び、その静電気が車体周辺の空気の流れに影響することに着目。
そこでアルミテープを使って静電気を放電し、車体周辺の空気の流れを整えることで、操縦安定性やステアリングフィールなどの向上を狙ったというものです。
イメージとしては、
アルミテープを貼る
↓
車体に帯びた静電気を放電
↓
車体周辺の空気の流れに変化
↓
空力特性に影響
↓
操縦安定性などの向上を狙う
という考え方です。
もちろん、これは「どこに貼っても車が劇的に速くなる」という話ではありません。
貼る場所や形状なども重要です。
どこに貼るの?
改良型の86では、肉眼では分かりにくい場所にアルミテープが貼られていました。
例えば、
フロントウインドウ周辺
や、
ステアリングコラムカバー
などです。
つまり、外から見て
「アルミテープを貼ってあります!」
と分かるようなカスタムではありません。
むしろ、目立たない場所にひっそりと貼られているのです。
そして、この技術は86だけではなく、ノアやレクサスRXなどにも採用されました。
スポーツカーだけではなく、ミニバンやSUVのような比較的箱型の車にも採用されたというのも面白いところです。
開発のきっかけが面白い
さらに面白いのが、この技術が生まれたきっかけです。
実験車両の樹脂部分に貼られていたアースを、誰かが剥がし忘れていたことがきっかけだったといいます。
そのアースを付けたり外したりして確認すると、車両の挙動に違いが感じられた。
さらに調べていくうちに、静電気が関係しているのではないかと考え、アルミテープを利用した技術へと発展していったそうです。
そして最終的には、市販車に採用されるまでになりました。
使用されているアルミテープも、何か特別な魔法のような素材というわけではありません。
市販品と同じようなアルミ素材をベースに、厚さや長さ、形状などを検討したものだそうです。
2つの「テープ」に共通するもの
こうして見てみると、マラソン選手の丸いテープと、車のアルミテープ。
もちろん、人体と車では仕組みがまったく違います。
同じものとして比較することはできません。
それでも、ちょっと面白い共通点があります。
どちらも、
「目立たない小さなものを使って、見えない部分の状態を整える」
という発想です。
マラソン選手は身体のコンディションを整えるためにテープを使う。
車では静電気を放電し、空気の流れを整えることを狙ってアルミテープを使う。
どちらも、
「そんな小さなもので本当に変わるの?」
と思ってしまうところが面白いですね。
目に見えるカスタムがすべてではない
車のカスタマイズというと、
大きなアルミホイールを履かせたり、
車高を下げたり、
エアロパーツを付けたり、
マフラーを交換したり……。
どうしても「見た目で分かるもの」を想像してしまいます。
ところがトヨタが採用したのは、ほとんど目立たない小さなアルミテープ。
そして、トップアスリートも身体のあちこちに小さなテープを貼って競技に挑んでいます。
もちろん、
「貼れば必ず効果がある」
という単純な話ではありません。
効果の感じ方にも個人差があるでしょう。
それでも、トップアスリートや自動車メーカーが、こうした**「目に見えない部分」**にまでこだわっているというのは、なかなか興味深いものです。
私も最初は、
「そんなもので変わるの?」
と思っていました。
でも、こういう話を調べてみると、車やスポーツの世界には、まだまだ知らないことがたくさんありますね。
皆さんは、
マラソン選手の丸形テープ
そして、
車のアルミテープ。
「貼るだけで本当に変わる」と思いますか?
それとも、
「やっぱり、ちょっと信じられないなぁ~」
でしょうか?
機会があれば、一度自分でも試してみたいものです。