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2019年12月26日

独り言 ストロークとトルクとテコの原理

独り言 ストロークとトルクとテコの原理
文字だけですので興味のない人はスルーで。


ロングストロークのエンジンはトルクが強いと言われている。

そして何故そうなのかの解説に「テコの原理」を使う方が多くいる。
クルマモノ知り系YOUTUBERにもこの解説を得意げにする人が多い。
そして誰かさんが嫌いなおべんちゃら賛同コメントも多し。

しかし私はコレはウソだと思う。
ウソと言ってはいけないな、間違っていると思う。

この件について、以前garage Kさんが書いている。
ロングストロークはトルク型!?

今回の私のブログは面倒なので図解は一切なし。
図解はgarage Kさんのブログを良く見てきて欲しい。

で、私も以前これを目にした時は”その通り!!”と思ったし今もそう思っているのだが、今一歩自分の理解が薄い感じがしていた。
結論としてロングストロークがトルクフルな理由はテコの原理では無い点や、冷却損失がその差の理由である点に異論は無いのだが。

と言う事で自分なりにもうちょっと具体的に考えてみよう。

まずそもそも燃料と酸素量と圧縮比が同じであれば燃焼室の形状は関係なしに仕事量は一緒だろう。50㏄→500㏄に爆発するエネルギーに違いはないはずだ。
(ここでは一時、冷却損失や燃焼速度、火炎の伝播、摩擦抵抗などは無視する)
だからストロークの長さ自体はトルクに影響しないはずだ。
伝わり方でエネルギーが変わってしまうならエネルギー保存の法則を超越した画期的な発明じゃないか?
シンプルに言うとこういう事だと思うのだが、もうちょっと具体的にしてみよう。

まずうちのゴルフのエンジンはボア82.5Xストローク92.8の1983.286㏄でちょっとロングストローク。
例えばコレをボア90×ストローク77.97の超ショートストロークエンジンと比べてみる。
排気量はほぼ同じ1983.088㏄。

まずそれぞれのシリンダー断面積を計算すると
ロング  3.14*(82.5/2)*(82.5/2) = 5,342.90625
ショート 3.14*(90/2)*(90/2) = 6,358.5
となる。

次にパスカルの原理的には単位面積あたりにかかる力はシリンダーが太かろうが細かろうが同じはずなので、仮に圧力をAとするとそれぞれのピストンには便宜上だが
ロング  5,342.90625A
ショート 6,358.5A
が掛かっていると表せるだろう。

で、仕事量とは
仕事量W = 力F * 変位量x
なので変位量xをストロークとすればピストンの仕事量
ロング  仕事量W = 5,342.90625A * 92.8 = 495,821.7A
ショート 仕事量W = 6,358.5A * 77.97  = 495,772.2A
こう表現できると思う。(比較したいだけなので単位は無視)
ほとんど一緒だね。微妙に違うのはたぶん端数の影響。

ではクランク軸から見たらどうだろう。
トルクとは
トルク(ニュートン・メートル) = 力(ニュートン) * 長さ(メートル)

なので先のピストンの受けるがクランクにかかるのだから
ロング  トルク = 5,342.90625A * 92.8 = 495,821.7A
ショート トルク = 6,358.5A * 77.97  = 495,772.2A
ん?さっきの仕事量の式と一緒である。

そりゃそーだ、エネルギーは一緒なんだから。


テコの原理説がおかしいのはココで、ピストンに加わる力が同じだとして説明している。
例えば
ロング  トルク = 6,358A * 92.8 = 590022A
ショート トルク = 6,358A * 78  = 495924A
こう言っているって事。
同じ排気量なのにボアXストロークの違いだけで19%も出力が違う訳無いよね?
しかも4気筒だからその差はこの4倍って事?

多くの人はテコの原理をイメージする時に自分がスパナでボルトを締めている様をイメージするだろう。
つまりスパナが短かろうが長かろうが力点には同じ力をかけられるイメージをしてしまう。
そして長いスパナの場合、ストロークも同時に長くなっている事を無視している。
もしくはロングストロークと聞いてボアはそのままってイメージなのでは?
これは単純に排気量が増えてるよね?

と言う事で、ロングストロークの方がトルクが出るのはテコの原理では無いと言う結論に至るのでした。
とりあえず適当に持論を展開してみましたが、合ってますかね?
ちょっと理解できた気がするんですが、、、。

じゃあ正しい要因は何かと言えば冒頭にもあった様に冷却損失やあとは吸気の充填効率や排気効率とか、要はその他の要因なのだろう。
この辺りは簡単な話では無いと思うのでgarage Kさんのブログを沢山読むべし。


もうちょっと言うと、ロングストロークのエンジンはピストンスピード自体の限界や吸気排気の流速の都合上、高回転が不得意であることは間違いないと思う。
また、理由はテコの原理では無いが、結果的に低回転でトルクが太いのは間違いないと思う。
なので、コレは具体的に調べてないが、ロングストロークのクルマの方が狭いエンジン回転数の範囲でキビキビ走るギア比になっているのではないだろうか。
クルマのキャラをそうして上の伸びを犠牲にしている的な。
回転を上げなくても普通に走るのでトルクフル感をより感じる的な。
実際のトルク差よりもこのギア比の差の方が人間の感覚への影響は大きいのではないだろうか。


何かの説明をする時に例え話を交える事は多いと思いますが、冷静に考えると違うだろ~って事が結構あります。
通販の謳い文句なんてほとんどこのパターンですね。
他人を疑ってかかるのはイヤな話ですが、冷静に判断できる感覚と知識を持ちたいものです。

因みにもしテコの原理説が正しいとしたら圧縮工程での抵抗や摩擦による抵抗は逆の力が働くと思うのだけど、そこについては誰も触れないですね。
ブログ一覧 | golf | 日記
Posted at 2019/12/26 22:34:28

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この記事へのコメント

2019年12月26日 23:24
また難しいヤツぶち込んできたわぁ(-""-;)

細かい事は分からないですが同じ排気量なら6発より4発の方が好きなんですよねぇ
実際によ~いドン(FJvs1G-G)したらほぼ横並びだったけど何故か4発の加速感が良いんです!
それとV型エンジンの感じが全般嫌い。V8別!
これはどっから来るもんなんでしょうかσ(^_^;)?

さて、話は変わりますが正月になるとはいえ間違ってもバンズに餅を挟んだりし出さないようにしときましょう👐

「ご挨拶」
何かと絡んで頂きお世話になりました......
いつまでも一方的フォローですが😠




コメントへの返答
2019年12月28日 9:54
え?
私たちってそんな関係だったの?
なんつって。
いつも絡んでくれるので兄弟かと思ってました。

4発の方が1発の爆発は大きいから鼓動感?を感じるんじゃないですかね。
バイクだと単気筒とか2気筒もあるから余計にそう感じますね。
蹴ってる感じと言うか。

V型の場合は気筒数と言うよりクランクの角度が影響大きいんじゃないかな~。
この辺りは詳しく知らないけど。

今年は色々お世話になりました。
お餅でパテを挟んで喉に詰まらせないように気を付けます。
来年もよろしくお願いいたします。
2019年12月27日 1:41
こんばんは^_^
》 伝わり方でエネルギーが変わってしまうならエネルギー保存の法則を超越した画期的な発明じゃないか?

まさしくその通りですね。
ユーチューブしてる人はとにかく動画作らないといけないので調べ方が浅かったりするんでしょうね。

年末ジャンボ宝くじが当たったら、私ユーチューバになって最初のネタにします♫


あと4発の方が加速が良いのは確かで、クランクシャフトの重さでしょうね。
R Bは20kgぐらいありますし、水平対向のEJなんかは特に軽い。
直6は重たいフライホイールが最初から付いてるみたいな感じだと思います。
コメントへの返答
2019年12月28日 10:05
ユーチューブの人って調べ方が甘いのはいいんですが、詳しくない人を信じ込ませようとしているのが感じよくないんですよね。
しかもちょっと軽めに穿った質問コメントしても余裕で無視みたいな。
間違ってたら間違ってたで新しい訂正動画でも上げればイイのに。

直6のクランクシャフトってそんなに重いんですね。
エンジンのピックアップの良さはパワーカーブには出ない特性だから乗ってみないとわかりませんね。
2019年12月27日 11:12
こんにちは。
私もテコの原理説はおかしかろうと思ってましたが、かといって深く考えたことはなかった事に気付きました。(^_^;)

自分はどう考えていたのか辿ってみると...
む~?あれれ?単にピストンの断面積だけで考えていたみたいですね。(^_^;)

LSもSS排気量同じだから爆発後のエネルギーも同じ。
なんとなくですけど、LSの方がピストンの断面積が小さい分、相対的に小さい変動面で受け止める事になり、変動圧(?)のようなものが大きいのではないか、と思っていました。(^_^;)
コメントへの返答
2019年12月28日 10:17
何か言いたい事はわかります。
本当に単位面積あたりに及ぼす圧力は一緒なのか?ってとこじゃないですか?
私も感覚的にはそこに少し違和感もあるのですが、理屈で言うと今回の考察に行きつきました。
なので正直合ってるかどうかわかりません。

専門家からしたらこんなの基本中の基本な気がするのですが、この点についてしっかり書かれた記事がほとんど無いんですよね。

中学の時、もっと先生の話聞いとけば良かったな~。
2019年12月27日 14:19
物凄くはしょった内容で簡単に説明すると、エンジンの主な出力に関する特徴や特性は「ヘッド」の性能で決まり、腰下は主に耐久性を司ると内燃機屋さんから非常に乱暴だけどざっくり言うならそんな感じ。
って若い頃に話を聞いて「なるほど」と感心した事があります。
ショートストロークがトルクでロングストロークで優位に立てないというハナシでしたら、ポルシェの水平対向6気筒エンジン全般に当てはまらない事になりますが、ポルシェのエンジンは総じてショートストロークであり、最も廉価版エンジンであるボクスターへ搭載されていた2.7LのNAエンジンですら排気量あたりのトルクを超える28kg・mの最大トルクをショートストロークながら実現しています。
ボクスターや911の系譜から外れたパナメーラやカイエン、マカンあたりに搭載されていたV型6気筒エンジンも、3000ccのモノはショートストロークで有名なスバルのEJ20DETよりも更に短いストロークしか持っておらず、ビッグボアなエンジンですがアイドリングに近い回転数からパワフルで、実際に乗るとそのフレキシビリティ含めて驚きます。
ロングストロークが低回転からのトルク特性に優れており、ショートストロークは高回転型なんて「常識」は、何だったんだろう?
と思う現実ばかりです。
こういうのって面白いですよね。
今度深く調べて勉強してみようかなと思っているところに、この様な記事を読んで大変楽しかったです。
ありがとうございます。
コメントへの返答
2019年12月28日 10:52
ここ10年20年でも排気量あたりの出力や燃費は向上し続けていると思いますが、エンジンの見た目からしても動弁系や補器類の占める割合がもの凄く大きくなりましたよね。
頭でっかちになったと言うか。
うちにあるゴルフも現行モデルと比べてシリンダー以下はほとんど変わらないのに悲しいかな100馬力近くも差があります。

と言うか、ポルシェと言えばフラット6だと思ってましたがV6も凄いエンジンなんですね。やっぱ餅は餅屋だな~。

たぶん物理的な限界や特性は当然あるでしょうから、ロングとショートで特性に違いがあるのは至極当然の話だと思います。
でもそれは限界域の話とかで、現実的にはもっと他の要因の方が性能差に表れやすいって事ですかね。
うちのクルマなんてややロングストロークなのに低回転でトルク弱いし、それに輪をかけて1速のギア比が低いから発進は軽自動車並みです。残念!

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「[整備] #A3スポーツバック ボンネットが開かなくなった https://minkara.carview.co.jp/userid/303458/car/566823/7165872/note.aspx
何シテル?   12/24 12:17
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