私、自分でも色々やってみたいタチなのですが他人のやってる事も気になります。
折角オープンにしてくれている情報を無駄にしてはいけません。
みんカラのパーツレビューで車種指定なしでエンジンカテゴリーのリストをイイね順で見ていたら上位にかなりの数でなんちゃらバルブが出てきました。
何故かほとんどがスバルユーザーなのですが、よっぽどイイって事なのか?それともスバルユーザーは互いを褒め称えるって傾向でもあるのか?
(因みにエンジンカテゴリーでも出てくるのはほとんどオイルフィルターがどうとか、エンジンカバーがどうとかって話ばかりで機能部品はほとんど出てきませんでした)
以前からこのパーツの存在は知っていましたが、耐久性に疑問があるのと何となく漠然と「そんなうまい話あるの?」と高を括っていて手を出してきませんでした。
って事で、一度しっかり考えてみよう。
このバルブについて考える時にPCVバルブってのが出てきますが、ここでその説明は割愛するのでこちらをご覧ください。
まずこの部品を作っているところの解説はこんな感じ。
一応製品名は伏せてありますが直ぐにわかっちゃいますよね。
まあ、今回は最終的には全面否定な話でも無いので勘弁してね。
要はこのバルブを付ける事によってクランクケース内の気圧を下げて空気抵抗を減らすのが目的らしい。
まずここで勘違いしてはいけないのがこの絵を見た時に
・「加圧状態」のクランクケースにピストンを押し下げるのは抵抗になるだろう
・「減圧状態」のクランクケースにピストンを押し下げるのは抵抗が無いだろう
と考えてはいけません。
そもそも加圧状態では無いのですが、クランクケースは普通は直列気筒分繋がっています。
例えばゴルフで言うと4気筒分全部繋がっています。
膨張行程にある気筒もあれば圧縮工程にある気筒もあるのです。
下がるピストンが押しのける空気は隣のシリンダーに行くだけです。
てこの原理説もそうですが、単気筒で説明するところは何かの意図を感じざるを得ません。
PCVが開いている時と閉じている時を一緒の絵でごちゃ混ぜに説明しているところも意図を感じざるを得ません。
で、気筒数は置いといたとしても圧については本来はこうなります。
これはアイドリングもしくはエンジンブレーキ時、つまりスロットルバルブが閉まっている状態です。
まずこのメーカーの説明にもあるようにクランクケースの気圧が-0.02kpaなら加圧状態では無いですよね?
マイナスなのにどうして加圧と書いて赤で表現するの?
意図を感じざるを得ません。
確かにブローバイガスは多かれ少なかれ出ているのは確かです。
PCVバルブが無くてブリーザーホースが細かったら加圧状態になるかもね。
でもマイナスになっているのは他ならぬPCVバルブのおかげです。
スロットルバルブ全閉の時、インマニ内の圧力は-70kpa~-60kpaあたりなのが普通でしょう。もの凄く低いのです。
ブースト計(連成計)付けてる人は良く目にしますよね。
PCVバルブはココの負圧を利用してクランクケースの気体を吸っているのです。
この圧力とPCVバルブの径、ブリーザーホースの径、ブローバイガスの出る量がバランスして-0.02kpaなのでしょう。
(蛇足ですがたぶんAの場所も-0.02kpaあたりだと思います)
もし冒頭の絵の赤矢印ように「加圧状態」のブローバイガスがそのまま-0.02kpaでインマニまでやってきたらアイドリングの制御ができないと思います。
PCVバルブがもっと太かったらたぶんそうなります。
ではなんちゃらバルブを付けてみます。
装着前後でブローバイガスの量やインマニの負圧は変わりませんよね。
どうしてブローバイガスの矢印は赤から黄色になっているのでしょう。
意図を感じますね。
でも結果的にはクランクケース内は-10kpaになるらしいです。
って事は考えられるのはブリーザーホースから入ってくる空気を減らしているって事ですね。
つまりこのバルブがブリーザーホースのオリフィス的な役割をしているって事。
なるほど、どうやって-10kpaを保つのかわかりませんが、とにかく圧力が下がりますね。
圧力が下がれば空気密度も減るので抵抗も減るでしょう。
じゃあこんなバルブじゃなくてオリフィス入れるなりブリーザーパイプを細くしたらいいんじゃないか?と考えるかもしれませんが、そこはちょっと違って
これはスロットルバルブが結構開いている状態(つまりインマニ圧が大気圧に近づく、もしくはブーストが掛かってる状態)ですが、PCVバルブは閉じるのでブローバイガスの行き先はブリーザーパイプだけになります。
この状態の時、ブリーザーパイプの径が小さかったりこのバルブが変にオリフィスの役割をしてしまうとブローバイガスを満足に排出できないのでクランクケース内が正圧になってしまいます。
それでは困るので、この時はこのバルブはオリフィスではなくできるだけ抵抗なくスルーできるようになってるって事ですね。
この状態の時に限って言えば確かにこのバルブの逆止弁的な役割と脈動効果?が相まってノーマルよりはクランクケースの圧力が下がるかもしれませんね。
でもサクションパイプの負圧なんてほんの僅かなのでマイナスにはならないと私は思います。
エアクリ替えてる場合なんて特にそう。
まあちょっと疑問に思うところはありますが、ここまでは悪いものでも無さそうな。
で、ココからは私なりに考えた疑問点が3つ。
まずアエフロセンサーを通らない空気が途中で入ってくることがちょっと気になるのですが、大した量でも無いから大丈夫なのかな?ってのが1つ目。
うちのはエアフロが無いから関係ないけど。
2つ目は耐久性。
このバルブの肝心な弁の部分ですが、ザックリ言うとサックスのマウスピースを逆に使うみたいな構造です。
この絵で言うと下から上に流れるって感じ。
こう言う構造の部分をブローバイガスが通過したらそのうちギトギトになるでしょ。
オイルキャッチタンクと一体化した商品もあるみたいですが、オイルキャッチだって全部を除去できるわけではありません。
うちのなんて2個直列で使ってますが、それでも取り切れるわけでは無いです。
うちは幸いにして寒冷地では無いのでイイですが、凍結するエリアだったら更に大問題な気がする。
解凍する前にブーストかけたらオイルレベルゲージが吹き抜けるだろうね。
3つ目はノーマルより減圧したらオイルポンプは正常に機能するのかって事。
クランクケースの下には当然オイルパンがあり、オイルポンプはそこからエンジンオイルを吸っています。
-10kpa程度なら大した事無いと思いますが、オイルを吸いにくくなるのは間違いないですよね。
ある程度出力出しているときは-10kpaなんて些細なものだろうけど、アイドリング時の-10kpaは影響あるんじゃないの?
まあ踏んでる時は実際にはマイナスじゃないだろうから問題無いのかな?
ノーマルのPCVシステムだってPCVバルブの径とブリーザーホースの径のバランスを調整すれば簡単に-10kpaにできると思うんだけど、そうしていないのは何か意味がありそうですよね。
実はこの商品は特許を取っているのですが、それを触りだけ読むと「スロットルバルブ全閉時にクランクケース圧が大きく下がってエンジンオイルの吸引に支障をきたすから、このバルブを付けて大きく下がらないようにするのが目的」みたいな事が書いてありました。
アレ?売り文句と違わないか?
特許取得済み!!って書いてあるけど売り文句と違う特許ですよね。
意図を感じざるを得ません。
大きな声では言えませんが、うちのクルマはPCVバルブがごにょごにょです。
まあそれでも問題無いようにしていますが、やっぱりオイル管理とかメンテが普通ではありません。
そうなるとやっぱりうまい事できないかな~って考えてしまいます。
売り方は解せないところがありますが、まあ結果的にオイルポンプもメンテも問題無くてクランクケース減圧により回転抵抗が減るのなら、後は使い方次第かなと思いますがどうなんですかね?
と、ちょっと調べてみて書いてみましたが合ってますかね?
あっ!もしこの部品をうまい事活用するにしてもそもそもPCV機構を作らないといけないのか!?
ってか結局ブローバイをリターンさせるのが嫌なんだよな~。
でも回転抵抗が減るならアリかな~。
わからんくなってきたな~。
注:毎回書きますがこのブログは特定の商品を指しているわけではありません。
特に今回はダメな商品だと言っているわけでは無く、自分はこう考えるけどどうなのかな?って話です。
誤解の無いようにお願いします。
ココが違うって話があればぜひ教えて下さい。