
ECUを自分で弄っていると燃調について色々考えるようになります。
今日は自分の頭の中の整理を目的にEA113の燃調制御について少しまとめます。
なにぶん素人考えなので間違っているところとかあったら是非ご指摘ください。
あと興味ない方には超つまらない話なので先にお伝えしておきます。
まず今のECUはインマニ圧、エアフロ測定値、吸気温度、スロットル開度あたりを
元情報にターゲット空燃比になるように自分で燃料噴射量を計算して燃料を吹いています。
(これについて詳しくはまたの機会に)
その後、最近私も交換したO2センサーで”結果的に”空燃比がいくつになっているかを
測ってターゲット空燃比に対して濃ければ薄くするし薄ければ濃くする制御を行っています。
そのターゲット空燃比マップがこちら。
他にもマップがありますがここでは割愛します。
で、この濃ければ薄く薄ければ濃くという補正をSTFTとかLTFTと言います。
STFT Short Term Fuel Trim
LTFT Long Term Fuel Trim
STFTとはまさに今、リアルタイムにO2センサーのフィードバックに合わせて補正している数値。
LTFTとはSTFTの補正がある程度続いたときに学習してSTFTで補正しなくて良いようにする
学習補正です。
例えば2000rpm、スロットル開度20%のところでいつもSTFTが+2の補正をかけているとしたら
学習してLTFTで+2となり、その後はSTFTは0となる感じです。
実際にはなかなかそうはならないですが、極論すれば学習がむちゃくちゃ進んだ状態では
STFTの補正は殆ど無いと言う事ですね。
STFTはリアルタイムな話なので当然記録はされませんが、LTFTはECU内に記憶され
次回エンジン起動時も以前の学習は生かされます。
更に言うとこのLTFTはアイドル時とパーシャル時の2ステージあります。
VCDSの画面で言うとここですね。
アイドル時とは当然アイドリングの範囲なのでとても狭い範囲です。
パーシャル時というのはVCDSの画面上では1つの数字になっていますが、
実際のECU内では空燃比マップと同じだけの格子があり、各条件で学習が
されていると思われます。
VCDSでは結局どこが薄くてどこが濃いのかわかりませんが、例えば高速道路とかで
特定の回転数とスロットル開度をキープしたまましばらく走ってみて、それをさらに
何パターンかログをとってみれば多少つかめるかもしれません。
(ちなみに私はMaestro7で取ったログをエクセルの表で集計してどこが濃いとか薄いとか
わかるようにしています)
つまり何が言いたいかと言うとECUはなかなか賢くて何かの要因で空燃比が狂ったとしても、
結局はある一つのマップに収束していくと言うことです。
何かの要因と書きましたが、どこかに不具合が有る場合は論外としてその要因の一番の
原因はハードウェアの変更です。
エアクリ変えたりマフラー変えたりと言う事ですね。
ハードウェアがドノーマルの場合はオリジナルのマップはそれに合うように書かれている
はずなので、LTFT、STFTは温度等の環境変動以外あまり動かないはずですね。
色々やっていて思いますが、吸気系のモディのほうが排気系よりこのあたりの影響は
強いように感じます。
まとめますと、ECUのマップを弄らない限りターゲット空燃比はあくまでそのままなので、
ハードウェアを弄った分の補正(LTFT)はかけられていくのが当然です。
補正10とかまで行くとちょっとダメですが、2や3はあまり気にしなくていいと思います。
逆に何も補正がかからないと言う事はノーマルとあまり変わらないんじゃないかと
思ってしまいますね。
身近な例を挙げるとエアクリ変えると空気を多く吸えるようになるので、ノーマルの
噴射量では薄くなります。
つまり濃い側に補正が働くと言うことです。
濃い側に補正されれば結局はターゲット空燃比に落ち着く訳で、ザックリ言うと
「空気多くなる」+「空燃比一緒」=パワーアップ
となるわけですね。
昔の学習がされない時代の車はこの場合薄いままなので、エアクリ変えると下が
スカスカになると言われたんでしょうね。
昔バイクのキャブを弄ってたときはまさにそうでした。
ハードウェアを弄る場合はこのあたりを少し意識すると何がどうなってパワーアップ
するのかが掴みやすいと思います。
もう1歩踏み込んでそもそもマップを弄る前提に立つと状況が一変します。
ハードウェアの構成に合わせてベースの噴射量をそもそも変えてしまい、できるだけ
STFT、LTFTがかからなくて済むようにするとかなりスムーズなエンジンになります。
私がよくキャリブレーションとか言ってるのはコレですね。
このあたりはもうどっぷり泥沼です。
また、更にその人の乗り方に合わせてターゲット空燃比をパワー空燃比に近づけると
燃費は落ちますが速い車になります。
簡単にまとめるつもりでしたが結局超長くなってしまったのでつづきはまたの機会に。
(あるのか?)