
【きっかけ】
キャンプ場でのこと。子どもがトレーラーのドアノブを見つけた途端に触り、ドアが開いてしまいました。幸い転落はしませんでしたが、ヒヤリとしました。
トレーラーの出入り口は地上から高さがある。あの瞬間を思うと、チャイルドロックは必須だと確信しました。
さらに、YouTubeでスマートロック用のベースが販売されているのを見つけましたが、なかなかのお値段。
「どうせなら、チャイルドロックとスマートロックベースを一体化したものを自作してしまおう。」
【設計・製作】
設計・製作
3D CAD/CAMエンジニアの経験を活かし、指紋認証キーパッドと組み合わせて使えるスマートロックベースを設計しました。
チャイルドロック機能の実現には、ドアノブの回転を物理的に止める機構が必要でした。
考えたのは「つっかえ棒」の要領。小さな棒をドアノブの隙間に差し込めば回転を止められます。しかし問題がありました。棒を差し込む方向(手前から奥)に対して、棒の位置がスマートロックの真下になってしまい、そのままでは実装できません。
そこで採用したのが回転運動を前後運動に変換する機構です。
スマートロックベースの側面に回転するツマミを設け、そのツマミを回すことで棒が前後に動きドアノブをロック・解除できる構造にしました。複数のパーツが連動して動くこの機構は今回が初挑戦。各部品のクリアランスと強度のバランスをとるのに相当苦労しました。

表面から見た図。黄色がつっかえ棒。紫色が側面に沿って回転するツマミ
紫色のパーツの溝に沿って黄色のつっかえ棒が前後に移動します。

裏面から見た図。チャイルドロックOFF

裏面から見た図。チャイルドロックON
【失敗と改善の記録】
設計図の上ではうまくいく。しかし試作してみると、次々と問題が出てきました。
① 台座の強度不足
最初の試作では取り付け台座の肉厚が足りず、スマートロックが動作する際の力に負けて割れてしまいました。チャイルドロック機構を内蔵しているため台座の形状が複雑になり、薄くなる部分が生まれてしまいます。肉厚を全体的に見直して、ようやく実用レベルに。
② サムターン回転部の耐久性
トレーラーのドアノブには中心に6mm程度の四角い穴が空いており、そこに角シャフトを差し込んで回す機構としました。この角シャフトには繰り返しの動作で大きなトルクがかかるため、樹脂だけでは到底耐えられません。
積層方向の見直しや、内部に釘を埋め込む補強など、できる手は全て試しました。それでも強度が足りず、最終的に角シャフト部分は全て金属パーツに置き換え、それを樹脂で覆い、スマートロックと結合するサムターン部分を作りました。
ワンオフで金属加工すると高額になってしまうため、汎用品の金属パーツを活用することでコストを抑えながら耐久性を確保しています。
失敗するたびに「なぜ壊れたか」が明確になり、その分だけ設計が洗練されていきました。完成したときの達成感はひとしおでした。
【完成・使用感】
ツマミを45度回すだけでチャイルドロックのオン・オフが切り替えられます。指紋認証キーパッドと組み合わせることで、大人はタッチ一つで出入りが可能に。
そして一番大事なこと。子どもが実際に開けられなくなりました。
あのヒヤリとした瞬間がなければ生まれなかった一品ですが、おかげでキャンプ場でも安心して過ごせるようになりました。
動作している動画はInstagramでご覧いただけます
https://www.instagram.com/reel/DXYLwtEkxpA/?igsh=MWtlZnN3aTFjbWlyaA==
【同じお困りの方へ】
現在この商品は販売していませんが、同じようにトレーラーのチャイルドロックやスマートロック取り付けで困っている方がいれば、できる限りお安く提供してお役に立てたいと思っています。
気軽にコメントやDMでご相談ください。
Posted at 2026/04/30 12:08:26 | |
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