時を忘れるなら一時的に

とある現場での出来事を聞いてください。

その工事は少々大がかりな工事で、2ヶ月も前から通知していた。
「たった1日で終わるが、朝から夕方まで時間を要してしまう。添付した日程表に従って工事を進めるけど、都合が悪くなったら調整するから連絡をくれ。」
という告知文書と工事内容を簡素にまとめた説明書も添付して数十件分を配布していた。
そして当日、訪問先にお邪魔して対応した家主(高齢者)が言い放った言葉が
「今日が工事なの？工事日って〇月◇日じゃない？」
そして私はこう答えた
『今日がその〇月◇日です。』
「嘘は言っちゃイカンよぉ？今日は◇月〇日でしょ？」
『それは...先月の...日付...ですねぇ...まもなくラジオから日付が聞こえてくる時間なので、念のため確認しましょうか？』
～ラジオから聞こえてきた日付と時間を両者で確認～
「...いやぁ～そうだったかぁ～...」
『都合が悪ければ改めて日程調整しますが...』
「今日は暇だから、別にイイよ...」

その時の受け答えは至って普通なんたが、それ以外に目を向けると...
「これが認知症の入口か」
と言いたくなるような欠片が見られた。

尽きない話に時間を忘れて過ごすのは良い事なんだがな...