2022年09月23日
みんカラで変な記事を見かけ、それを見て書いてみたくなった子供向け科学の話。
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100グラムの石は、10グラムの石に比べて10倍重い。100平米の土地は、10平米の土地に比べて10倍広い。では100℃の水(お湯)は、10℃の水に比べ10倍温度が高いと言えるのか?
実は、この言い方にはほとんど意味がない。
重さや広さは、0グラムや0平米から測っているから何倍重いとか何倍広いとか言うことに意味があるのだ。温度の場合はどうかというと、℃の単位では水が凍る温度を0℃と人間が勝手に決めただけだ。だから、0℃から測った温度が何倍違うと言うことには意味がないのだ。
意味がある比較をするためには、人間が決めた0度ではなく、「本当の0度」から測った温度を比べなければならない。「本当の0度」は絶対0度と呼ばれ、℃の単位では約-273℃だ。-273℃を0度として測った温度を絶対温度といい、K(ケルビン)という単位で示す(目盛りの間隔は℃と同じ)。
最初の質問に戻ると、100℃の水と10℃の水の絶対温度はそれぞれ、100+273=373K、10+273=283Kとなるので、100℃のお湯は10℃の水に比べて約1.3(= 373/283)倍温度が高い、という言い方には意味がある。
Posted at 2022/09/23 23:46:08 | |
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