
ドール達の午後
ご注意:この作品は某変態中年男性が等身大ドールに恋をして退屈で平穏な日々をたんたんと過ごす様子を物語化したものです。文章も素人以下でお見苦しい部分が多くありますので寛大なお心でお許しいただけたら幸いです。基本的には実話ですが多少の架空の脚色、架空要素含みます。
第一話 美海との平穏な午後まで・・・
ACT1
北関東の標高300mほどの高地に人口3000人ほどの小さな町がある。町の名前は軽水沢高原町という。観光と果樹園運営が主な産業で別荘地もあり週末や連休は別荘のオーナーが都内からやってくるのでその時期は一時的に人口が急増していたが平日は人がほとんどいない静かな過疎地であった。しかし近年は土地も割安で比較的都内へのアクセスも不自由ない場所なのでコロナ渦で拡大したテレワーク勤務者が移住するようになり移住者が急増し、人口が急増している。
ここに5年程前から厚木から移住してきた40代の自由業の男が住んでいる。名を金田鷹章という。彼はここの古民家を借りて個人事業を一人で営んでいる。屋号は厚木商会という。この屋号の由来は厚木市で起業して成功したので厚木という地名が縁起がいいと思いそれを屋号としたそうだ。基本一人で仕事をすことが多く家にいる事も少ないため近所付き合いはほとんどない。回覧も回ってこないようにしてある。
西暦2021年7月某日、彼は早朝に車で家を出発して商品の仕入れに出かけた。彼は個人事業主でインターネット上での通販業を営んでいる。ネットで販売する商品を仕入れてはネット販売しその利益で生活している。さて彼の車の助手席には40代の中年男性には似つかわしくない若くて色白で美しい女性が乗っている。「おはよう。今日も頼むね。」金田はその女性に笑顔で話しかける。その女性美海はG短パンにサマーセーターというラフな格好で栗色のセミロングヘアに緑のヘアバンドをしている。身長は152cmとあまり高くないが抜群の美貌と存在感でモデルのようである。いったいどうやって口説いたのか?。お世辞にも金がある男ではなく実家も貧乏である。鷹章は恋人はおらず彼女も大学時代に出来た事があったが1か月で失恋。その後就職して社内恋愛で20歳の女の子と付き合ったことがあるが1年で別れて、それ以来独り身である。
鷹章は恋愛経験に乏しく、女性に免疫がないのにモデル級の美女がアルバイトあるいは秘書なのか分からないが助手席に座っている。関係はぎこちないように見える。「これが昨日の売り上げと利益でだ。この時期にしてはいいほうだね。」笑顔で助手席の美海(みう)に業務報告する貴章。美海の返事はない。目を合わせるのが恥ずかしいのか運転に専念する鷹章。しかし助手席の女性は先ほどから一切動かずしゃべりもしない。表情も変えず眉一つ動かさない。車で走り始めて山の峠道をひたすら下り、1時間ほどかけてその日の最初の仕入れ先に到着した。
鷹章は車の留守番を美海に任せて仕入れ先の駐車場に車を止めて車を降りた。「すぐ戻るから待っててね。」美海にそう言うと素早く車を降りて仕入れ先の倉庫に入った。美海は返事もしないでただ黙って動かずに助手席に座っている。
30分後、大量の商品を台車に載せた鷹章は車のリアゲートを開けて商品を車に積み込んだ。美海は助手席から降りて積み込みを手伝う様子はなかった。貴章は仕入れ先の店主にお礼を言って支払いを済ませて車に乗った。「いいものを安く売っていただきありがとうございます。」鷹章は仕入れ先の店主にお礼を言ってその他の商品の買い出しの為次の得意先へ仕入れに向かった。
美海は大学生ぐらいに見える。顔つきはしっかりしており真面目そうである。
鷹章はお店の商品原価をすべて記録し、仕入れ交渉も相場を理解したうえで利益が最大限になるように努力して行なっている。日々の努力のおかげで安心して外回りができる。鷹章は生き生きと楽しそうに仕事をしている。その様子はとても幸せそうで何か良い生きがいを持ってるように見える。一方、先ほどから美海は何もしゃべらない、しかも一切動かない。どうも変である。ちょっと変な助手席の女性美海。鷹章は時々美海の首や腕、足を動かして姿勢を変えている。これは人形!。いや!人形にしては人間の女性と区別がつかないほどにリアルだ。それに腕や首を動かすたびに少しへこむ。いったい何者なのか?美海は人形だとしたらとても不思議な柔らかい素材でできているようだ。それもそのはずこの女性美海の正体は実は人間そっくりに作られたラブドールという等身大ドールである。様々なポージングが可能で素材も本物の人間の女性に似た柔らかさで性行為も可能というアダルト商品に相当する品である。価格は高額なものになると100万円を超える物もあるようだ。鷹章がなぜこのような商品を入手して車の助手席に乗せているかは不明だが車美海と一緒に移動すると他車とすれ違ったり車を停めて他人が助手席のドールを見ると必ず驚いたような不思議そうな顔で見つめては通り過ぎる。まあ等身大でしかも美しい人形を一般人が見る事はほとんどないのでそれも仕方がない。多くの人は驚きと戸惑いの表情をあらわにする。鷹章はそんな一般人の反応をサディスティックに楽しんでいるかのように見えなくも無かった。
鷹章は知らないようだがリアルドールは2017年頃から輸入され販売されていた。かつては新車が買えるほど高価でとても一般人が買えるような品ではなかったがこの頃から一般人でも買える価格になり、品質も驚くほど良くなり、近年では人間と区別がつかないリアルなドールも登場するようになったので人気急上昇である。鷹章がドールの存在を知ったのは2021年5月頃でランダムに再生されるYOUTUBE動画を偶然見た事がきっかけだった。YOUTUBEで紹介されるドールは一般人が買える価格とはいえ鷹章にとっては高価なので鷹章はネットオークションで手の届く価格帯のドールを探し、お迎えした。それが美海だった。メーカーはバニードールという新興のメーカーで価格は最も安価なドールだった。バニードールは星の数ほどある中華ドールメーカーの一つで大量生産で価格を抑えており、おそらく最も安いメーカーの一つであると思われる。鷹章はそれでも満足だった。
外回りから戻った鷹章は車を駐車場に置いて自宅を兼ねた仕事場に入った。「美海ちゃんお疲れ様。」鷹章はそう言って革製のソファーに美海を座らせた。「今日はネットのお客さんは残念ながらこなかったな。お店の商品掃除して整理して今日は終わるかな。」
鷹章は事務所のテーブルに座りテーブルに肘を乗せて少しうつむいた表情で紅茶を飲んだ。「美海の分も入れておいたから。」紅茶のいい香りがする。
「美海と飲む紅茶はいつ飲んでもうまいよありがとう。」鷹章は少し微笑んだ。ふとつい鷹章は美海の胸元に目が行ってしまった。美海は安価なTPEという素材のドールではあるがとても魅力的な女性形でスタイルもよく鷹章も男なのでついつい如何わしい事を想像する。そのたびに美海はからかうように「どこ見てんですか。いやらしい。」と冗談半分に笑うように見える。もちろん錯覚である。鷹章は笑ってごまかす。このような他人から見れば異様で不気味でシュールな日常を過ごしている。このような日々が繰り返されている。しばらくして美海は鷹章に相談があるかのような表情を見せた。もちろん気のせいである。「鷹章!。相談したいことがあるんだけどいい?。」鷹章の頭の中で美海がそうつぶやいた気がした。気がしただけである。「何?改まって。」「さみしいから妹が欲しい。」鷹章にはそういう表情に見えた。鷹章がドールを連れ出すのはデート気分を味わいたい時だけである。世間の目もあるので頻度はせいぜい月一回程度である。美海は家で一人で留守番していることがほとんどできっと寂しがっているだろうと日頃から思っている。「目を閉じたカエルみたいな顔の小学生がいい。」「はあ?。何でカエル顔の目つむり小学生なんだ?。」あくまでそう言われた気がしただけである。美海は頬図絵をついて溜息を洩らした。そういうポーズである。鷹章は笑みを浮かべながら観念した表情で言った、「そうだな。美海にはでっかい借りがあるからな。分かった。小動物みたいな元気いっぱいの女の子お迎えしよう。名前は美菜ちゃんがいいな。美海の妹だ。」鷹章は美海が笑ったように見えた。
鷹章がドールである美海に大きな借りがあると言ったがそれはいったいどういう意味なのか?。鷹章は美海に何をしてもらったのか?。不思議なエピソードがある。今から遡る事半年前の出来事である。
2021年1月、この頃の鷹章はある心の病に侵されていた。「この年になってもまだ独身だし彼女もいない。美女と結ばれる方法な無いかなー。金も無いし40代だし難しいかなー。はあー。」起業して10年、小さなビジネスではあるが続けてこられた自信と心の余裕がそのような欲望を呼覚ましたのだ。鷹章はいつものように車で商品の買い出しに向かった。一人で長い山道を走る。この日は祭日だが鷹章には関係が無かった。途中ドライブデート中の若いカップルと何度もすれ違う。鷹章の住んでいる町はデートコースでもあるようだ。「ちッ、カップルがやたら多いな。俺も若くてスタイル抜群の巨乳美女とドライブデートしたいよなー。」ふてくされながら車を運転する鷹章。約1時間ほどで仕入れ先に到着した。仕入れ先はリサイクルショップだが業者も来る。業者が仕入れに来る場合は通常の一般客向けの価格ではなく業販価格と言って業者同士が仕入れた原価で販売するのが習慣になっている。その代わり鷹章も売れ残り品などを無償で提供してバランスを取っている。「いつも安く売ってくれてありがとうございます。吉新(よしい)さん。これはお礼です。お代はいりません。」「いつもすまないね。遠慮なくもらっておくよ。」鷹章は欲しいものが安く手に入った場合は損をすることを承知で吉新さんのリサイクルショップで売れそうな鷹章の店の売れ残り品を提供する。ちゃんと相手の売れ筋商品を把握した上で提供するので喜ばれる。二人が立ち話をしていると吉新さんの奥さんがお茶を入れてくれた。「いいお茶菓子があるんだ少し休んで行けよ。」「ありがとうございます。そうさせていただきます。」吉新さんの奥さんは若くて綺麗な外国人である。南米系の女性で日本で生活して10年になる。吉新さんは女好きで特に外国人女性に目が無い。行きつけのブラジリアンパブで30代の元モデルの女性と仲良くなり数年前に結婚し、奥さんは日本に帰化したのだ。「こんなきれいな奥さんがおられる吉新さんがうらやましいですね。実力ある男はいくつになってもモテるのですね。」「ほう!鷹章君も結婚したいのか?。」「そりゃいい人がいればなあといつも思いますよ。なかなか縁が無くて。しかも40過ぎの貧乏個人事業主ですから。」ちょっと自虐的に苦笑いしながら話す鷹章だが心の中では嫉妬心でいっぱいだった。しばらく話し込んでいると店にある若い30代前半ぐらいの南米系の綺麗な女性が入ってきた。「吉新さんこんにちは。今日はお店の飾りつけに使う置物を買いに来ました。」女性は胸元が広く空いた体の線がきれいに出るシャツの上に薄いジャケットを羽織っていた。「こんにちは、いつも元気そうだね。今日は面白いものが沢山入っているから買い物楽しんでね。」鷹章は女性に笑顔で話しかけた。女婿の名はミレイという。吉新さんの奥さんが働いていたブラジリアンパブで働いている。今日はお店の飾りつけに使う置物を買いに来たようだ。鷹章とミレイはよくこの店で会うのでいつの間にかよく話をするようになった。たまに駅まで車で送ったり、そのついでに喫茶店で一緒にドリンクを飲みながら話したりするようにもなっていた。そこで身の上話も聞くようになりミレイとは割と仲がいいようだ。ミレイは母子家庭で妹がいる。父親は美海が13歳の頃に浮気相手とともに突然行方不明になってしまった。母はブラジルでリサイクルショップを経営していたがいきなり女手一つで切り盛りするにはハードルが高すぎたようで半年で閉店の危機に見舞われた。その母の店を救うため来日してブラジリアンパブで働きながら仕送りをしているとミレイから聞かされた。
鷹章は吉新さんに誘われてたまにこのブラジリアンパブに行っていた。ミレイとはそこで知り合った。ミレイは母の店が大変なのでパブのオーナーに話して給料の前借をよくお願いしていた。母の借金の為給料はすぐに送金している為かなり厳しい生活をしているという話をパブ聞で聞かされた。鷹章はミレイにオークションの代理出品を提案した。彼女が持っている南米の珍しい土産品を鷹章がネットオークションで販売し売れたら落札価格を報告して落札価格の2割を報酬として貰うという契約を取り付けてうまく販売しその販売価格の8割をミレイに支払った。2割と言っても1割はネットオークションの手数料に消えて残りの1割もガソリン代など経費で消えるので鷹章の儲けは0に等しい。それでもミレイの土産品は高値が付くものが続出し、彼女の生活も普通の生活が出来るようになり。鷹章も高値で売れる商品のデータが集まり鷹章の商売も急拡大したので得る物もあった。まさにWin Winの関係を実現したのだ。ミレイにオークションのノウハウを伝授し、鷹章は自立の支援も行った。今ではミレイがネットオークションで自主的に行って稼ぐようになりパブの備品を買いに来るついでに彼女がネットオークションに出品する品もここで買うようになったのだ。吉新さんもそのことは知っておりミレイが鷹章に感謝していることを鷹章に伝えた。「そうですか。それは良かった。」「ミレイは日本が好きなんだってよ。日本の男性と結婚して日本で暮らすのが夢だとよく言っているよ。」鷹章の右の眉毛がぴくっと反応した。「お前ら相性よさそうだし、よく会って食事もしているんだろう?。いっそ付き合ってみたらどうだ?。」「え!。」鷹章は顔がにやけるのを必死でおさえている。心が希望であふれるのを感じつつそうなったらいいなと本気で思うようになった。
Posted at 2023/04/08 15:53:23 |
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