お久しぶりです。
本日は気になるクルマシリーズ。
早速本日のクルマは…
MAZDA CX-80
さて問題です。どちらが本日のお車、CX-80でしょう?
正解は手前のマシーングレーのクルマですね。
お隣にあるのはCX-60ですが、ぱっと見どこが違うねんというような違いしかありません。
見分けるポイントはフロントグリル。
助手席側のほうにメッキのポイント(グリルインシグニアっていうらしいです)が3本入っているのがCX-80です。
今回のCX-80は素のディーゼルモデルのL Packageということでフロントデザインは上位グレードより少し簡素なものになっています。
横のCX-60も廉価グレードの25S S packageということで同じ仕様の外装なので余計に見分けがつきにくくなっていますね。
とまぁフロントはまんまCX-60といった雰囲気。
CX-5とCX-8のようにもう少し差別化要素があってもいいような気がします。
次はサイド。
前はほぼ60そのままでリアセクションを3列化による延長で変化がついている感じ。
写真で見たときはテールゲートの後端部分から逆スラントしている部分が妙にスラントしている印象でしたが実物を見るとそれほどでもなかったなという感じ。
全長が4990mmとほぼ5mという所まで伸びているので60と比べてもかなり伸びやかな印象を受けます。
ちなみにCX-80は素のディーゼル車でもINLINE6のオーナメントがつくようになりました。
CX-60は素のディーゼル車だと無塗装のオーナメントになるのでここは少し高級感アップ要素。
そしてリア。
パッと見はCX-60と似てはいますが、コンビランプも別物になっています。
CX-60との違いはバンパー下部。
偽マフラーの造形がなくなりました。
ちなみにCX-60はこんな感じ。(これは上から2番目のExclusive Modern)
CX-80の話に戻りましょう。
好みは別れるところではありますが、偽マフラーは好きではないのでこれはいい感じ。
ただし、これはExclusive Mode(いくら設定されているパワトレが違うとはいえExclusive Modernとややこしくてこのグレード名嫌いです)以下のグレードに限った話ではありますが、バンパー下部が両サイドだけ無塗装になるのはちょっと…
個人的にはここだけ異常にゴチャゴチャした印象。
続いて内装。
L PackageということでCX-80の中では下から3番目の廉価寄りの中間グレード。
とはいえ500万円する車です。
パッと見の見た目はCX-60と同じですね。
さすがに上位グレードほどの高級感はないですが悪くない感じ。
現行クラウンとかより”高級な感じ”はあります。
シボの感じは少し気になりますけどそこまで目くじら立てることでもないかな…
L Packageは一応上位グレードと同じ12.3インチのフル液晶メーターになっていますが、表示内容はCX-60から進化していません。
相変わらずドア開の表示はランプ1個と軽自動車並み。
オートACCは悪なのでそこまでしなくていいですが、せっかくの液晶を活かした表示という所はまだまだ足りない気がします。
後ろに人を乗せる需要の多い車種だけに半ドアがどこなのかわからないのはなんだかなぁと思ってしまいます…
ボタン類の操作性はCX-60と同様。
マツダコネクトがコマンダー操作のみなのは直感性を取るのか手元操作できることを取るのかで評価が分かれるところ。
シートはL Packageということで普通のレザー。
やはり張りが強い印象。
運転席もサイドサポート薄目でかなりゆったり。
僕は苦手な感じでした。
この辺もCX-60と変わらずでしょうか。
今回は後席も見ていきます。
まずは2列目。
L Packageということでウォークスルー付きの6人乗り仕様。
一応独立シートではありますが、思ったよりサイドが張り出しておらず、平板感強め。
広さは必要十分で、3列目を考えて少し前に出しても足元は空間があります。
アームレストはウォークスルーも考えてか少し細めで頼りない印象。
こうなるとウォークスルーを犠牲にしてExclusive Modern/Sports以上のコンソール付きの方がいいかなぁ
そして3列目。(ヘッドレストが畳まれている状態で写真撮りました…)
さすがにミニバンのようにはいきませんね。
2列目の座席があるところからフロアが1段高くなっていて、大人が乗ると体育座り確定です。
幅はそれなりにあるので2列目を少し前に出して胡坐をかいた姿勢で乗ると意外と空間がありますよ(笑)
シートバックはしっかり肩まであって安心感はあります。
ラゲッジとの兼ね合いでシートがパタッとたたむだけの構造になっているので余計にフロアと座面が近くなっています。
ちなみに3列目でもUSB-Cポートが左右に1口ずつ付いているのは高得点。
エアコンの吹き出し口もあるのはGood!
それでは走り出してみましょう。
今回はたまたま先週会った知り合いといっしょに試乗予約して行ったので運転チェックと後席の快適性チェックもしてきました。
まずは運転チェックの方から。
エンジンはマイルドハイブリッドがついていない3.3L 直6ディーゼルエンジン。
以前乗ったCX-60はマイルドハイブリッド付でしたのでモーターアシストがないのと重量増でパワフル感は控えめ。
とはいえ3.3Lもありますから全然不足はありません。
どうしてもエンジンを回す傾向になりがちですが、直6なのもあってディーゼルでありながら回転フィールは結構スムーズ。
さて、CX-60では初期モデルで新開発されたトルコンレス8ATの動きだしのギクシャク感などが問題となっていました。
実際僕がCX-60を試乗した時点でも正直今時ありえないほどの変速ショックが出ていました。
さすがに今回のCX-80では2年経ったこともあって市場からのフィードバックが集まっていることもあって、ギクシャク感はかなり減少していました。
対処方法は少しパワープレイで、CX-60よりも低速でジリジリ進むときのシフトアップを遅らせて下のギアで粘るというもの。
ディーラー敷地内で動き出したときにCX-60の時はすぐに変速してガクッ!っとなっていたのですが、CX-80は変速せずに粘っていました。
と言っても完全に変速ショックが解消したわけではなく、今度は停止直前のシフトダウンで以前よりは大幅に弱まっていますが揺れが多少出ました。
もう一つパワトレ系で気になったのが巡航でアクセルをほんのわずかに開いたときにガラガラ音がしたこと。
自分の運転の仕方だとよく使う領域でなったのですごく気になりました。
そしてもう一つCX-60で気になっていた足回り。
こちらも2年間のフィードバックがあることもあってCX-80ではセッティング変更、リアスタビライザー廃止など様々な変更を施してきたようです。
こちらについても僕の個人的な評価ではよくなっているけどまだ改善途上といった感じ。
今回は素のディーゼル車で以前試乗したCX-60はe-SKYACTIV Dなので直接比較というのは難しいところではありますが、CX-60の時のような激しい突き上げはかなり解消されてはいるものの、人によってはまだ気になるコツコツ感があるなという印象でした。
ロードインフォメーションを求めるというのならこれくらいで落ち着くのが良いとは思いますが、快適性を求められる場合はもう少し収めて欲しいところ。
後席チェックでもう少し触れたいと思います。
タイヤはサイズがCX-60と同じ235/50R20で銘柄はTOYOのPROXES Sport。
CX-60の時はBSのアレンザ001だったかと思いますが、ロットの関係なのか完全に変更されているのか今回はTOYOでした。
騒音規制フェーズ3に対応しているので当然ではありますが静音性は抜群。
ステアリングフィールはCX-60譲りではありますが、重くなっている車重などもあって反応が少しゆったり目にセットされている印象。
とはいえこれは車の性格を考えても適正な範囲じゃないかなと思いました。
ステアリングからのロードインフォメーションも結構豊富な部類でトヨタ車なら確実に消してくる路面の粒感を伝えてきます。
僕はある程度路面の粒感がわかる方が好きなのですが、トヨタ車のような感覚に慣れている方だとビリビリ振動するなぁと思われるでしょうね。
運転チェックはここまで。
運転チェックにおける僕の評価は「CX-60の初期から比べると確実に良くなっているけどもっと良くなる余地はある」といったところでしょうか。
正直、e-SKYACTIV DやPHEVのさらに重い車両でどうなるのかは興味があります。
ここからは後席チェック。
2列目に乗って同乗者目線で見てみることにしました。
なかなか一人で行くとできないことではあるので貴重な経験。
まずシートの印象ですが、やはり独立シートの割に平たい印象。
レザーで結構張りもあって滑るので姿勢が落ち着かないですね…
L Packageなのでセンターコンソールなしのウォークスルータイプということで先に触れた通りアームレストが細身で頼りない印象。
6人乗りで2列目快適仕様にしたいなら迷わず上位グレードのセンターコンソール付きを選んだ方がいいでしょうね…
そして足回りなどからくるフィーリング。
これは正直運転席より悪いです。
運転席に座っている時より路面のうねりや細かい振動が尾を引くように残っています。
足としては収まっていてもボディに残るような感覚です。
加減速のピッチングも運転席にいるときより強く感じるので酔いやすい方だと酔ってしまいそうです…
さらに輪をかけてよくないのが運転チェックで気になった微妙にアクセルを開けたときのガラガラ音。
これも運転席にいるときよりはっきり聞こえます。
後席チェックでの僕の評価は「これなら後ろに人は乗せたくない」です。
なんだか本末転倒な結果ですが、現状だと後席の快適性はまだまだ良くありません。
上を見れば700万円級まであって後席に人を乗せるために作られた車として作られているのであればここは正直譲れないところです。
さらなる快適性向上を望みます。
全てを総合した評価は「マツダがこれからラージ商品群を育てるうえで向くべき方向性を考えさせられる1台」といったところでしょうか。
例えば今のCX-80の乗り心地がいいという方はCX-60も含めてこの方向性で熟成してほしいと願うことでしょう。
また別の例で僕のようにまだCX-80でも不満が残ってるよ、という方はCX-60も含めてさらに快適性向上を求める声が出るでしょう。
さらにさらに別の例でCX-60のままでよかったのにCX-80はCX-60の良さを失ったと考える人もいるでしょう。
この乗り味が好みという方もいれば全くダメだという方もいるのはマツダの狙い通りなのかそれと
も…
マツダの明日はどっちだ!?