こんにちは。
また気になる車に乗ってきました。
タイトルを付けてて思ったんですが今回がその20。
三菱以外のメーカーの車のうち興味を持った車20車種に乗ったみたいです。
そんな記念すべき20車種目の車はこちら。
MAZDA MX-30
マツダのMX-30なんですが、今更?と思われたことでしょう。
ではこちらをご覧ください。
この形…あれですね。
これを見なくても詳しい方ならボディーカラーを見た時点でお察しかもしれませんね…
そう!
このモデルはe-SKYACTIV R-EVというシステムを採用したモデル。
ロータリーエンジンを発電専用で搭載しているシリーズハイブリッド型のPHEVです!
パワーユニットの話はいったん置いておいてデザインを見ましょう。
と言っても見た目自体は従来からあるMX-30とほぼ同じです。
違う点はリアのエンブレム、先ほど見せた横のエンブレム、ボディーカラー、ホイールのカラーリングくらい。
このマローンルージュメタリック/ジェットブラックマイカの2トーンは特別仕様車のEdition R専用で、通常モデルはマイルドハイブリッド車と同じカラー構成になるのでよく見ないとR-EVとはわからない感じ。
一応触れたことはないクルマなので見ていきます。
フロントは魂動デザインでほぼ全車種に採用されていたシグネチャーウィングを使わないなど”MX”をシリーズ名に使うということで少し他のシリーズとは違うテイストが与えられていますね。
MX-○といえば日本ではMX-30しかないのですが海外ではロードスターをMX-5という所もありますね。(ご存じの方にとっては何当たり前なこと言ってんだと言われますね💦)
ロードスターも他のマツダ車とは少し違うテイストでデザインされていますよね。
まぁそういうイメージと思ってもらえればいいかなと。
お次は横から
この車は特別仕様車のEdition Rなので専用のボディーカラーが映えますね。
2トーンなんですが、マローンルージュメタリックなのは横から見たときのルーフラインに当たるAピラーからDピラーまでの部分だけと少し変わった2トーンの使い方。
さらにDピラー終わりのところにはロゴ入りのメッキバーが入るなどなかなか凝った感じ。
そしてMX-30で特徴的なのはやはりフリースタイルドアと呼ばれている観音開きのドアでしょう。
RX-8のドアもこんな感じでしたね。
前側のドアを開けないと後ろ側のドアは開けられないですし、後ろを閉じないと前も閉められないという実用性は無視されたスタイル重視の造り。
そして後ろ。
後ろは前や横から見た感じよりはマツダだなという感じ。
e-SKYACTIV R-EVのロゴもよく見ないとわかりませんね。
拡大するとこんな感じ。
続いて内装。
こちらはマツダらしく質感は価格を考えると優秀。
見た目自体は従来からあるMX-30と全く同じなので何か特筆することはないですね。
メーターは相変わらずドア開状態をランプだけで表示してどこが開いてるかわからない仕様。
左右のスピードメーターとパワーモニターは針で真ん中は大きめの液晶という構成ですが液晶を活かした表示はシステムONの状態じゃないとしないようです。
エアコンの操作系はシフトノブ前にあるディスプレイに集約されています。
一応特に操作するボタンはタッチセンサーで外に備わっているのでわかりやすいとは思います。
位置的にも普通の車と変わらないのでタッチ操作という点を除けば自然に扱えるのではないかと思います。
マツダ車でいいなと思うのはシフトノブ。
パターンがP→Rは左、そこから先は下に動かすことでDに持って行く動作は従来のATっぽい感じ。
電制シフトですが初期位置に戻らない設計なのでわかりやすいですね。
これはMX-30がそういう車なので仕方ないところではあるのですが室内はやはりめっちゃ狭いですね。
リアシートは大人が乗るのはやはり少し厳しい造り。
ロータリーだから気になるなと思っていると、わかってはいるのですがこの狭さで「ちょっと…」となる方はいると思います。
と今までまでとほぼ変わらない部分はこの辺にしてメインイベント行きましょう!
欧州ではいくつかありましたが国内メディアでは試乗記事が全然上がっていないこの車に今回は試乗してきました!
ちなみにホントは試乗できるようになるのは16日かららしいです。
走り出す前にパワーユニットについて。
ボンネットを開けるとこんな感じになっています。
エンジンは12Vバッテリーの左下辺りに配置されていてあまり見えません。
注目のロータリーエンジンは8C-PH型830㏄×1ローター。
これは完全発電専用で、駆動は100%モーターで行うシリーズハイブリッドと呼ばれるタイプのシステムに外部からの充電機能を備えたPHEVモデルとなっています。
PHEVでは国産車の場合、三菱にしろトヨタにしろ同じマツダのCX-60にしても比率の違いこそあれどエンジンも駆動力になることもあるシリーズパラレルタイプですし、シリーズハイブリッド側から見ると日産のe-POWERもダイハツのe-SMART HYBRID(残念ながらダイハツの安全基準に関わる不正問題で販売停止)も外部からの充電には対応していないのでこの組み合わせは国産では唯一無二の組み合わせ。
駆動用モーターはフロントに1基搭載。
FFのみの設定です。
パワーは120kW/260N・mとこのクラスの電動車としては標準的。
バッテリーは17.8kWhとPHEVとして考えると十分な量を搭載。
WLTCモードでのEV換算距離は107㎞と三菱、トヨタのPHEV車などを上回る航続距離を実現しています。
まぁこれは1780㎏と他社モデルに比べて車重が軽いのも関係しているでしょう。
WLTCハイブリッドモード燃費は15.4㎞/Lと他社モデルよりは劣るところをどう考えるかは選ぶうえでのポイント。
実燃費は結構いいというレポートもありますので長く乗るとどうなるかはわかりません。
それでは走り出してみましょう!
直前まで充電器に接続されていてフル充電されていたこともあって走り出しは完全EVでスタート。
やはり他の電動車と比べるとトルクが少し細めなのでモーター感はあまりなく、ごくごく普通に走り出しました。
”トルクが細め”と書くとパワーが弱いんじゃないかと思われるかもしれませんが、良い言い方をするなら過不足ない感じです。
加速感はとても滑らか。
街中でも使いやすい特性です。
速度の伸び感だけは電動車ですねという感じ。
一方で減速側はかなり電動感を主張してくる感じ。
回生はパドルで2段階増やせる仕組みですが、これを回生を多くする方向に持って行くと日産ほどではないですが、回生してることがはっきりとわかるレベルの減速度が出ます。
パドルを使わない状態ではそこまで減速度は出ません。
これは三菱のPHEVと似たような感じですが、ドライバーの腕次第でかなり効率よく走れるように作られていますね。
うまく利用すればカタログ値の燃費を超えるのは難しくないのかもしれません。
では注目のロータリーエンジンはどうでしょう?
フル充電されていたこともあってエンジンが作動したのは試乗の後半になって空いたところでフル加速を試したときだけ。
ロータリーエンジンといって気になるのはサウンドではないでしょうか。
まぁRX-7などのような高回転までとどまることを知らないかのように「ヒューーーーーン」と回っていく感じをイメージすると間違いなく「なんか違う…」ってなると思います。
考えれば当たり前の話ではあるのですが、昔のは速さを追い求めたエンジン、対してこのエンジンは発電時の効率を考えたエンジンです。
昔のイメージをそのまま持ってくることが不可能です。
という前提の上でこの8Cというロータリーエンジンのフィーリングを改めて感じてみると、ローターを回転させることで動力を発生するというロータリーエンジンの構造をうまく利用して、まるで”モーターがもう1つある”ような感覚で回っているという印象を受けます。
音そのものはモーターかのようなフィーリングも相まってうまく隠されている印象でエンジンが回っていてもEV走行時とほとんど室内の音は変わりません。
振動もほぼなく、よほど細かく感じようとしない限りは気づかないのではないかと思います。
耳を澄ませば一応音はしています。
周波数でいうと昔のよりはかなり低い周波数の音です。
それでも聴こうとして聴いてみるとやはりレシプロエンジンとは違うサウンドであるのはわかるので「一応ロータリーなんだねぇ…」くらいには思えます。
個人的にはロータリーエンジンの車には乗ったことがなかったので新鮮な感覚でした。
パワートレイン系に関する感想はこの辺にしてそれ以外のところを。
まずはシート。
CX-60はちょっと張りが強すぎて嫌な感じだったと記憶しているのですが、MX-30はそもそも体が触れる部分はほぼファブリックで構成されていて柔らかく包む感じ。
やはりシートはファブリック派です。
次にステアリング。
触れた感じがかなり柔らかいのが特徴的。
革で包まれた内側にふわふわなクッション材が入っています。
太さ自体は標準的な印象ですが、中のふわふわがあることで少し細身に感じるような気がします。
コーナリング時のステアリングフィールは変な感じがしなかったのでなかなか好印象。
急な重さの変化もないし、切れば思い通りスッと動く。
さすがマツダという動きです。
そして足回り。
フロントはストラット、リアはトーションビームと現行マツダ車でも標準的な組み合わせ。
さすがにプラットフォームも熟成されたものが使われていますし、元来マツダはトーションビームでも比較的評判がいい足ということもあって乗り心地は普通に良い感じ。
クルマの性格的にも変にスポーティーにしなくてもいいと考えていることが伝わってきます。
タイヤサイズは215/55R18。
銘柄はBSのTURANZA T005A。
TURANZAというとグローバルブランドで、性能的なイメージはPOTENZAとREGNOの中間といったような感じ。
BSのカタログには”REGNOのグローバルブランド”と記載がありますが製品群を見ているとREGNOをそのまま売っているわけでもないようです。
そんな性格のタイヤなんですが、T005Aはどちらかというとコンフォート寄りの性格。
音は静かでR-EVの静粛性を損なっていませんし、当たりも柔らかくて乗り心地に貢献しています。
最後に価格面。
今回試乗した特別仕様車のEdition Rは最上級グレードに当たり、フル装備でメーカーオプションもなし。
車両価格が¥4,917,000。
諸費用なども入れると乗り出し550万円くらいのイメージでしょうか。
使えればではありますが、補助金が55万円出て500万円を切ってくるかどうかという所。
これはEdition Rでの話で特別装備が不要なのであれば車両本体価格は¥4,235,000~なので頑張れば400万円台前半から乗り出しということもできそうです。
ただし、一番下のグレードだけ装備内容がかなり劣るので現実的なところを見ると¥4,785,000で設定されている3つのグレードから好みに応じて選ぶことになると思います。
価格面でいうとエクリプスクロスPHEVとバチバチにぶつかる感じ。
ですが選び方はかなりわかりやすいと思います。
ざっくりとにはなりますが…
・後席に人が乗る需要がある、4WDが必須ならエクリプスクロスPHEV。
・走行フィールで選ぶならお好みで。
・後席はあまり人が乗らなくて、内装などの質感を重視するならMX-30 R-EV。
こんな感じでいいんじゃないかと思います。
個人的には後席に人が乗る需要がなければかなりお勧めできる1台だと思いました!