
若い人や、機械に興味のない人は初めて聞くタイプかも知れないので、少ない知識ながら、CG125で採用されているOHVエンジンについて説明してみます。
OHVとはオーバーヘッドバルブの略です。
吸気・排気のバルブが、シリンダーの上に着いている訳ですね。
「バルブが上に着いているなんて当たり前でしょ?」と思うかもですが、今でこそ当たり前の構造でも、それ以前(1940年代?)の古いエンジンには「サイドバルブ(SV)」なるタイプもありました。
最近主流のSOHCやDOHCも、バルブがヘッドの上にある点は同じと言えます。
じゃ、「何が違うの?」となると、バルブを開閉させるカムシャフトの位置が違います。
すなわち「オーバーヘッドカムシャフト」がOHCなんですね。
OHVの場合、カムシャフトが下側に付いていて、カムの動きをプッシュロッドを介してバルブに伝えます。
長い棒を使用してバルブを押し上げる形となる為、高回転ではバルブを細かく制御するのが苦手となります。(他にも欠点はあるけど割愛します)
ただし歯車などで上部のカムシャフトに動力を伝えるOHCに比べると、部品点数が少なくなり故障しにくいメリットもあります。
また、ヘッドの上側に複雑な機械部品がないので、ヘッド上方をスッキリとしたデザインに出来るメリットもあります。
(重心も低めに抑えられるかな?)
今ではバイクでOHVを採用しているのは、ハーレーかCG125くらいしかないでしょう。
でもおそらく、発電機のエンジンなんかは、まだまだOHVが残っていると思います。
低回転だけで使用するなら、OHVもOHCも、それほど性能は変わらないのです。
私も一度、分解した発電機のOHVエンジンを見た事がありますが、実に単純な構造でした。
プッシュロッドでシーソーの様な部品を押し上げ、バルブを開閉してました。
なお、youtubeのCG125の説明で、「OHVだから低速でのトルクがある」的な発言を見かけましたが、バルブの開閉方法とトルクに関連性がない事は、私の解説でもご理解頂けると思います。
CG125がOHVでも平気なのは、低回転でもトルクを出せるボアとストロークの組み合わせからです。
CGと同じボア&ストロークでOHCにしても、低速でのトルクはさほど変わらない筈です。
(細かなバルブの制御が出来る分、OHCの方がトルクが出せるかも?)
もしも高回転のエンジンを望むなら、迷わずOHCにすべきでしょう。
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Posted at
2019/06/04 00:17:52