
ロードパルで参加したイベントで、当時を知らない若い方からは、
「自転車かと思った」という感想を多く聞きました。
初めて見るとそうでしょうね。
まあ、見ての通り、ロードパルのデザインは自転車をかなり意識しています。
実はNC50という型式も「New Cycle」の頭文字だったりします。
じゃあ、なぜ自転車っぽい外観にしたのか。
ここには販売戦略が影響しているようです。
ロードパルは最初から「女性ユーザー層の開拓」を狙ったモデルです。
普通免許を持ってて、制度的には原付も運転できるにも関わらず
バイクに拒絶反応を示す多くの女性達にいかに訴求するかに取り組み、
技術的には軽量な車体、力の要らない始動方式などを取り入れました。
で、あとはイメージですね。
自転車と同じ雰囲気にすることで、
「自転車の延長」「誰でも乗れますよ」を視覚的にアピールした。
バイクは「怖い乗り物」「不良の乗り物」というイメージを真っ向から否定することが、
このデザインの狙いなのではないかと思います。
そしてそれを、あえて若者ではないソフィア・ローレンに運転させた。
(77年のロードパルのカタログ。)
(参考画像:69年のカワサキのカタログ。怖い・不良・臭そう。)
そんなこんなで、初年度25万台を売り上げたロードパル、
かつてのスーパ―カブの年間50万台には及ばないにしても、たいした記録ですよ。
そして翌年からは海外にも「EXPRESS NC50」として展開。
ペダル付きモーターサイクルの「mo-ped」に対して「no-ped(ペダルなし)」として地位を確立します。
(83年に国内で登場する「ホンダ エクスプレス(AB20型)」はまた別のモデルです。紛らわしいですが。)
ただ、このデザインの神通力も、ある程度普及してしまうと事情が変わってきます。
消費者ってのは勝手なもので、
「自転車みたいで安心」と言ってた人たちが、
いつの間にか「こんな自転車の出来損ないよりも、ちゃんとしたバイクの方がオシャレだよね」に変わっていくのです。
だから、ヤマハが対抗してパッソルを発売したとき、
足元がフロアステップであることが「ちゃんとしたスクーター」としてアピールポイントになった。
(ソフィア・ローレンがガニ股で走ってる絵面と
八千草薫がタイトスカートで乗ってる絵面の対比は結構重要なポイントだと思います。)
そこでホンダも対抗策としてタクトを発売し...泥沼のHY戦争が開戦する、と。
ああ、語りだすと止まらない。
Posted at 2026/07/25 12:44:37 | |
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ロードパル | 日記