軽トラックのハイゼットを特装グレードに応用させたダイハツ・ハイゼットデッキバン

趣味や仕事で幅広く使えるハイゼットデッキバンは、独自の特徴を十分に発揮している

軽自動車でお馴染みのダイハツ工業は、軽トラックのハイゼットカーゴを斬新な形状に整えたハイゼットデッキバンも手掛けている。こちらは具体的に説明すると、元々松下電器産業（今のパナソニック）とダイハツが共同で開発して、最大の趣旨は「電気店で冷蔵庫を郵送する時に立てたまま積載できるように設計する」ことだった。全体的に見てみると4人乗れるトールワゴンの後ろに、外にむき出しとなっている荷台を取りつけたことで、ユニークな形状を醸し出していることがわかる。これなら大きな荷物を運ぶ仕事にふさわしい。

初代S80/82W系から独自の形を留めていて、あらゆる場面で人の役に立っていた
ハイゼットデッキバンの原点は1998年にさかのぼり、当初から人の役に立てるような設計をつぎ込んでいた。やはり大きくて重い荷物を運ぶには、丁度よい大きさの荷台だけではなく荷物を積み下ろして運ぶ人が4人くらい乗れる室内も必要だと考慮して、バンとトラックを一つに融合させたような形状に整えている。ここまでの配慮を生かした車なんて、そう簡単に思いつかない。

2代目S100W系に突入しても人の役に立つことは変わらず、さらなる堅実さを目指した

1994年に2代目へと突入したハイゼットデッキバンは、前回と変わらない形状を保っているがますます人の役に立てるように磨きをかけた。COBBYによると、ここからデッキバンGXがラインナップされたので、まさに初代にはなかった新しい特色を加えていることが伺える。

ダイハツハイゼットはスマアシを搭載しているカーゴも人気がある

ダイハツ独自の高性能エンジンを搭載した、3代目S200W系は荷台の形状を少し変えた
1999年に３代目へ突入した時は、ボディの形状を少し変えてセミキャブボディに移行した。変わったのはそこだけではなく、搭載するエンジンや荷台の短縮も当てはまり、同じ頃に三菱・ミニキャブと日産・クリッパーに似たモデル・ダブルキャブが追加された。この代でも人の役に立てる車を目指すことは変わらず、初代、2代目で気づいた反省点をしっかりと見直した。

大きさを拡張するなど、改善すべきところをきちんと改善して4代目S320/321W系に突入した

やっぱり3代目は荷台の大きさが少し小さかったので、そこが弱点になってしまった。だから2004年に4代目へと突入した時は、荷室サイズを拡張することを決めた。改良は惜しむことなく続けられ、趣味や仕事をもっと充実できるように整え、ついにはボディカラーの充実も図られ、JC08コールドモード排出ガス基準を突破して平成22年度燃費基準+10%を達成できた。その功績は多くの人の目に留まり、車自体はどんどん売れ行きを伸ばしていったので、現在でもダイハツのロングセラー車種となっている。

肝心の荷台は、丁度よい高さに整えられえて万能のオープンデッキに整っている
長い間受け継がれているハイゼットデッキバンの特徴は、何と言っても軽トラックのようにむき出しになっている荷台が当てはまる。これは十分な高さの縁があって、内側にも雨露が流れ落ちるような溝が彫られているので、濡れても泥だらけでもそのまま積載でき、荷物をロープでしっかりと抑えられるようにガードフレーム、ガードバーも使われている。ちなみに荷台の積載量は250kgまで対応でき、寸法は縦が850mm、横が1360mm、縁の高さが590mmとなっている。

衝突による事故を防ぐために、ダイハツ特有の安全装備・スマートアシストを搭載した
これまで紹介してきた、ダイハツ・ハイゼットデッキバンは、形状が印象深くてただ荷物を楽に運べるだけではなく、燃費基準や運転のしやすさ、安全性能にもこだわっている。そして安全性能は現在の車で求められる最新のスマートアシストⅢが採用され、前方の車や対向車、歩行者との衝突を避けるために全力を注いでいる。スマートアシストⅢの性能はこれだけに留まらず、高速道路で起こりやすい車線のはみ出しを知らせる警報機能、アクセルまたはブレーキのペダルをうっかり踏み間違えた時に作動する前後での誤発進抑制制御機能、前の車が既に発進したことを知らせる先行車発進お知らせ機能、夜の走行にありがたいオートハイビームも含まれている。さらに万が一衝突した時では、運転席と助手席に座っている人はデュアルSRSエアバッグ、プリテンショナー&フォースリミッター機構付フロント3点式ELRシートベルトで守られる。

現在、ハイゼットデッキバンは荷物運搬だけではなく、幅広い分野で活躍している
数人がかりで運ばなくてはならない大きな冷蔵庫も、簡単に積載できて運べると言われているハイゼットデッキバンは、現在では荷物を運ぶだけではなく、キャンプやバーベキューなどのアウトドア活動、海辺でのサーフィンにも役立っている。何しろ、荷台が丁度よい容積を確保していて、形状自体がとても個性的なので、普通の軽自動車よりもハイゼットデッキバンの方が趣味に使いやすいと感じている人が多い。