
『車立ち往生、3日目に 大雪関越道、なお1000台―新潟
17日午後の関越自動車道水上インターチェンジ付近の様子。立ち往生しているのは下り車線で、現在は解消している(東日本高速道路提供)新潟県などで降った大雪で、関越自動車道では車の立ち往生が18日朝も続き、発生から3日目に入った。東日本高速道路(NEXCO東日本)によると、下り車線の立ち往生は同日午前6時ごろ、約1日半ぶりに解消されたが、上り車線には正午現在、約1000台の車が取り残されている。』『』内 時事ドットコムニュース2020年12月18日12時41分より引用
電気自動車やハイブリッド車が,環境に優しく,ガソリン代を抑えて経済性にも優れていることは常識となりつつある。私も,ハイブリッド車を選択しようとはした。アウトランダーガソリン車ではなく,PHEVを買うことを検討したのだが,+100万円を投資するには,15年間ぐらい乗り続けなければ,ペイできない計算になった。10年間で10万キロメートル程度の走行なら,300万円のガソリン車を買う方が経済的になるのだ。走る曲がる止まる基本に忠実な熟れた技術を使うなら,いまだにガソリン車の方が優秀なのだ。今回,立ち往生してしまった背景には,
1)NEXCOの降雪による道路事情悪化の見通しが甘かったこと(通行禁止処置が遅すぎた)
2)大型車の冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ)が適切に装備されていなかったこと
3)電気自動車やハイブリッド車の長時間アイドリングによるバッテリー切れや燃料切れが起きたこと
などが考えられる。1と2は人為的なミスによるものだが,3について考えてみたい。自動車の選択肢として,経済性や環境性能を考えることは悪いことでは無いが,今回のように積雪で3日間もの間,車内に閉じ込められるとしたら,果たして電気自動車やハイブリッド車は,人の命を守れるだけの安全性能があるのだろうかという事だ。30年前にロシアの知人から,日本のガソリン車は寒冷地ロシアでも大人気だが,丈夫さに劣るという話を聞いたことがある。まだ,ハイブリッド車プリウスが世に出ていない頃である。どういうことかというと,日本車は,マイナス20度でもちゃんとエンジンがかかるし,走り続けられるだけの性能がある。しかし,凍った道路でひとたび衝突事故が起こると,ロシア車は,どんなにぶつけられても走ることができるが,日本車は,事故ると動けなくなってしまう…のだと。
性能が良い車というのは,ある意味,デリケートに造られていて,安全マージンが日常生活での事故しか想定されていない。ロシア車は,氷雪の中でスリップして車同士が衝突しぶつかることを想定して,エンジンルーム内が堅牢に造られているが,日本車は,エンジンルーム内をクラッシャブルゾーンとして衝突エネルギーを吸収し人が乗るスペースを守るように発想されていて,その後,エンジンを回すことを考えていない。極寒のロシアでは,もしエンジンが止まって立ち往生すれば,それは,凍死の危険があるという事なのだ。日本車は,そういうことを考えて造られてはない。同じように,今回の災害では,自動車がアイドリングのまま3日間も動かすことを各メーカーは想定しているかという事になる。ガソリン車でも,かなりの燃料消費量になるだろう。まして,電気自動車でヒーターを温め続ければ,あっという間にバッテリーの電力が無くなり,ハイブリッド車でも,蓄電するだけの余力は無くなるだろう。アウトランダーのPHEV車は,2400ccのガソリンエンジンを積んでいるので,他社よりは積雪時に強いようだが,寒冷化におけるトラブルは,ガソリン車よりは,多いのではないかと推測される。車内で,過ごすということは,それなりの車内環境が快適でなければ,精神的にも肉体的にも疲労が大きい。室内が寒く,酸素の補給ができなければ,死ぬ危険性もある。そうなると,自動車の安全性は,日常での使い勝手だけを想定していたのでは,命を守ることができないことになる。ロシア車のようなぶつけられても壊れない車重2tオーバースペックの車を造れというのではないが,ある程度の安全マージンが広い車を作ることを考えてみるべきではないだろうか。今回は,死者が出なかったが,積雪時に排気マフラー管が埋まって,一酸化炭素中毒で死ぬケースは多い。豪雪地の性能として,積雪で埋まっても一酸化炭素中毒を起こさせない装備や長時間アイドリングに耐えうる装備などの対策が必要ではなかろうか。今まで,経済性や環境性能を追求して生まれたのが,電気自動車とハイブリッド車であるなら,21世紀では,さらなる安全性能を取り入れて,より安全性の高い自動車を開発して頂きたい。
Posted at 2020/12/18 23:46:22 | |
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