2008年09月13日
前回の記事で紹介した通り、私がまず重視するのは足回りである。そんな足フェチな私でも、これなら真剣に自腹切って買っても良いと思える、数少ない国産車の一つがエクストレイルである。
もともとこのテのSUVというのは、普通の車に比べてシャシーやボディがしっかりする傾向にあるから、足回りの良さも引き出されやすい。しかしエクストレイルの足回りはそれを差し引いても素晴らしい。はじめて私がこの車に乗ったのは、友人が一年落ちを150万で買ってきたというそれに乗せてもらった時なのだが、その異常な足回りの良さにしばし絶句したものだ。それまでの私は、こんなお手軽SUVの足がいいわけがないと思い込んでいたから、一体何が起きているのかを頭の中で整理するのに、少々時間がかかったほどだ。
その後エクストレイルベースの燃料電池の試験車に乗る機会を得たのが去年のこと。燃料電池のフィールよりも、相変わらず上質な足回りを提供しているエクストレイルに嬉しくなった。つい先日はアウトランダーという、エクストレイルよりチョイ上のSUVに長時間乗る機会を得たのだが、またしてもエクストレイルの良さを再確認する結果となった。
さらにエクストレイルには、汚れたスポーツ機材を思う存分積める気の利いたラゲッジをもつ。アウトランダーもその点はかなり上出来だったが、やはり丸洗いできるインテリアを持つエクストレイルは、MTBが趣味の私にとっては超絶に魅力的である。
そんなエクストレイルにディーゼルエンジンが乗るという。36.7kgというトルクはもはやスポーツカー並みで、さらに800万で売られているCDIよりもクリーンな排ガスなのだ。これからこの車のオーナーとなる人は実に誇らしげな気分だろうし、実際胸を張って乗っていいと思う。環境性能も含めてほとんど世界で最良のSUVだ。
そこで、MTである。もしこの素晴らしいクルマを、ただ単にMTしかないという理由で候補から外すとしたら、こんなもったいない話は無い。ちょっとバカげていると言っていいほどもったいない。
もともとミッション形式などというものはオプション的なものなのだから、それを車選びの条件にすること自体がおかしい。クルマにとって、ユーザーにとって、もっと大切な事はたくさんある。足回りもそうだし、自分のライフスタイルとのマッチングもそうだ。MTなどというのはちょっと練習すれば誰にでもできる事なのだから、その程度の努力を惜しんでいると、一生惨めなクルマ選びしかできなくなる。自分で自分の首を絞めるようなマネは今すぐやめて、すべての人にもっと自由になって欲しいと思う。
左右ハンドルの議論もそうで、どっちがいいとか悪いとかいう以前に、自分自身のクルマ選びを広げる為に、とりあえず両方乗っておくべきなのだ。下らない議論の勝ち負けよりも、その方がよほど重要な事なのでは?
エクストレイルディーゼルは、それがマッチする使い方である限り、何が何でも、どうしてもこれでなくてはならない理由が、きちんと存在する。だからよく考えて欲しい。何が何でも、どうしてもATでなくてはならない理由など、どこに存在するのだろうか?
Posted at 2008/09/13 16:53:00 | |
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