2010年01月18日
地元の方にとってはニュースでもなんでもないかもしれないが、圏央道建設が高尾山の環境破壊につながるとして反対する運動のある事を最近になって知った。例えば雁坂トンネルの開通でも山の水場が枯渇し、生態系が変わってしまったという報告もあり、地中トンネルだからといってまったく予断は許さない。
ところでその中で、「外環があれば圏央道は不要ではないか」という記述があったのが気になった。これは多摩地区の方々と、我々埼玉県民との間では、少々認識に温度差があるかもしれない。多摩地区の外環はまだ建設されていないのに対し、埼玉ではほぼ全線開通している。その上で埼玉中央部から南部の交通状況を見るなら、既に外環もキャパシティ一杯であり、また埼玉中央部の脆弱な一般道インフラにも留意するなら、これは一刻も早く圏央道が開通して欲しい状況なのである。もし東京部分の外環が開通したとしても、埼玉と同じ状況になるだろう。
では多少の自然破壊もいとわず圏央道を建設すべきなのか。それも少し違うと思う。どんな道路も、新しいうちはどこでも空いているものである。新しい道路ができても数年経てば、それをアテにした物流経路ができあがり、それに呼応した土地に事業所や倉庫ができる。そうやってまたすぐに渋滞してしまう。私が今だに覚えているのが湾岸線開通当初のことで、あの時はまさかこの広大な道路がここまで渋滞するとは思ってもみなかったものだ。
結局の所、この日本ですべての人が快適に走れる道路環境など、最初から無理な相談なのである。道路を作れば作るほど渋滞する。だからこの国でハンドルを握る以上、ある程度の渋滞はライバーが我慢するより仕方がなかろう。嫌ならクルマに乗るなと、厳しいようでもそれが現実だ。
しかしどうも最近その意識が薄れつつあるように感じられるのは、駐車禁止取り締まりの民間委託以降、都市部の交通量が激減したからかもしれない。その後原油高騰がやってきてさらに交通量が減少し、生き残ったドライバーには夢のように快適な道路状況となった。その時の夢を今だに忘れられない人々がいるように感じられて仕方が無い。しかしどんなに待ってもその夢がかなう事はあるまい。
Posted at 2010/01/18 08:34:38 | |
トラックバック(0) | 日記