2011年04月01日
DS3ってネーミングは結構失敗してるんじゃないだろうか。若い人にはDSとか言ったって実感無いだろうし、かつてのDSを知っている人にとっては、この程度でそれ?と片腹痛い思いだろう。私はそんなにちゃんとDSを知っているわけではないが、最初の印象は後者に近かった。昔の名前の怠惰な浪費と、それに相応しい悪のりヤッツケグルマ。
だから車名は単に「chic」だけで良かったと思う。「Chic」と「Sports Chic」。これ以上このクルマを上手に表現している言葉は他にあるまい。企画書段階ではMINIや500の対抗馬ということで大々的にDSを持ち出すのは理解できるが、最終的な煮詰めの段階で「よく考えたらこれ『シック』だけでよくない?」と言う人間が一人もいなかったとしたら、この先企業としてのシトロエンが少々心配だ。
Posted at 2011/04/01 11:52:37 | |
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2011年04月01日
妹夫婦がクルマを買うというので、ディーラー巡りに付き合った。
最初はトヨタでFJクルーザーとプラドを見る。これは妹の旦那の趣味。FJクルーザーは文句無しにカッコよく、インテリアも割り切った道具感が溢れていて潔い。見切りが良くて運転しやすく、助手席でも快適。だがエンジン音が例によってトヨタのアレで、もぁーもぁーと暑苦しくうなるのにガッカリ。4L級の本格SUVのくせに、大昔のトヨタの2〜3Lセダンの音がする。これはエクスプローラーのV6もそうだったのだけど、アメリカ人はこのテの音のこもり方は気にしないという事か。
一方のプラドは安っぽい応接間。コストは下げたいが高級にも見せたいという国産の悪癖が、安売りソファーのような世界を展開している。(ファンの方いましたらすみません)
次に足を運んだのはVW。ここでのお目当てはトゥーランとシャラン。どちらも一様にインテリアの質感が高いのに驚く。一見地味だが、良い意味での緊張感が漂っており、非常にクリーンなイメージだ。実際乗ってみてもシートが素晴らしく、欧州車らしいダンピングの効いた足回りと相まって非常に快適である。
セカンドシートでの試乗に限って言うなら、トゥーランとシャランとで100万近い価格差を納得できる要素は見当たらない。確かにシャランの方が少し広いが、五十歩百歩にすぎず、乗せてもらってる方としては真剣にどっちでもいい。意外な事にサードシートの広さもたいして変わらず、この時点ではシャランの存在意義が理解不能。もちろんシャランに備わる回生ブレーキとアイドリングストップは魅力だが、それだけで100万近い価格差を飲み込むのは無理。
プジョーディーラーも回った。トゥーランと同様のコンセプトの308SWが目当てである。しかし三列目シートはトゥーランに比してまったく使い物にならない。セカンドシートでさえ少し窮屈な感じがする。パノラミックルーフを開けるとグっと開放感が出てくるが、意地悪く言うとパノラミックルーフ無しには成立しないパッケージなのかもしれない。天井が低くて圧迫感があるからだ。この点、トゥーランは余裕のヘッドスペースで広々しており、オプションのサンルーフを装着しても全然余裕だろう。
しかしプジョーを運転した妹は非常に上機嫌で、VWより全然いいと言っている。対して同乗している側としてはVWの方が快適という意見で一致しており、この運転席との温度差は実はそのまま昔ながらのVWとプジョーの差である。プジョーの方がはっきりとドライバーズカーなのだ。その違いは、インテリアにもそのまま現れる。運転席周りではひょっとしたらプジョーの方がVWを上回るかもと思っても、リアシート含めた全体ではやはりVWに軍配が上がる。
そして308SWはエコカー減税対象「外」である。そうでなくとも308の1.6Lはトゥーランの1.4Lより一段高い税金区分であるし、ここ日本での競争力は完全にVWの方が上だろう。
というより、国産を敵に回しても余裕で戦えるVWの競争力には心底驚いた。妹夫婦は私と違ってクルマオタクではく、より一般的なクルマ選びの目線に近いので、余計にその競争力が身に染みたわけである。世界レベルでトヨタが恐れているのはVWだとどこかで聞いた事があるが、事実であっても何の不思議もない。
それに引きずられた形でプジョーも強烈にインテリアの質感が高まっている。ここに来て日本車は、完全に質感競争に出遅れた感がある。レクサスクラウンクラスならともかく、少なくとも大衆車クラスでは惨敗だろう。
そんなわけで妹夫婦はトゥーランにハンコを押した。一方で今回私が気になったのはシトロエンのDS3である。このギュっと凝縮されたようなコンパクトさは、かつての80年代のコンパクトハッチのデザインを彷彿させる。写真よりも実物の方が遥かに良い。ライバルのポロやMINIには感じられないマス感がある。今乗っているEクラスワゴンは3人乗ってもまだ室内空間がだぶついてしまう感があるので、こういうコンパクトなクルマに魅せられる今日この頃なのだ。
Posted at 2011/04/01 09:54:09 | |
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