2012年07月12日
まあ今回こういうご縁があったので、実際パサートオールトラックを見て来た。もともとこの手の「底上げステーションワゴン」には興味があるので、ディーラーに足を運んでみる良い口実ともなった。
で、マニュアルを読みながらゴトゴトと荷室を展開していると、なぜあの記事の写真がシングルフォールド状態で撮影されたのか、理由が分かった気がした。というのは、取扱説明書の「荷室」の章を読むと、なぜかそこにはシングルフォールドの説明しか書いてないのである。ではダブルフォールドの記載はどこにあるかというと、「シート」の章に書いてあったのだが、「荷室」と「シート」の章はページ的にかなり離れている。これでは撮影担当者が「荷室」の章だけ読んで、シングルフォールドしか出来ないクルマだと勘違いしても無理は無い。もっとも他記事ではきちんとダブルフォールドの写真が載っているわけで、その辺は経験値の差なのだろう。
ちなみにS211と比べて室内高が大きそうなのは美点、リアサスの出っ張りが大きいのは悪い点か。リアシート座面が取り外し出来ないのも残念な点。リアシート下部にも荷物固定用フックがあるのが非常に好ましい。シートバックはS211に比べると驚くほど軽く、操作しやすい。ヘッドレストを抜かないとダブルフォールディングにできないが、これまた抜きやすいのでたいした苦にはならないと思う。
大きなグランドクリアランスは魅力だけども、荷室を考えると個人的に買い換えは無しかな…と思いながら、ディーラーを後にした。
Posted at 2012/07/12 09:45:47 | |
トラックバック(0) | クルマ
2012年07月12日
前回の記事に関して岡崎さんご本人に色々反論を頂いたので、それに対する私の見解をここで一回まとめてみたい。
そもそも私は、岡崎さんの記事に関してはそれほど強く糾弾したつもりはない。「こんなのはただのケアレスミス」であり、同時に「安全装備の欠如を無視している件(引用注:岡崎さんの事ではない)に比べれば屁でもない」と書いている。屁でもないというのは、挙げつらうほどでもない些細なミスという意味だ。この程度のことで鬼の首を取ったような顔で突っ込むつもりは無いが、ただし…というのが前回の主旨である。
それに加えてご本人は「ゲンコツ」という表現も気になっているようだが、これとて岡崎さん一人に向けた言葉ではない。荷室軽視の今の自動車ジャーナリズム全体に対する強い批判である。これはクレーマーと言われようがなんだろうが、荷室軽視と思われる記事が甚だしければ、相手が誰だろうと今後も遠慮なく批判していく。その代わり、今回岡崎さんがされたように直接反論があれば、必ずそれに答えていく。匿名を傘に誹謗中傷しているつもりなど毛頭無い。
岡崎さんとの議論に立ち返ろう。これは、件の写真がなんらかのミスであったという前提で成り立っていたはずである。そのミスの責任を執筆者にも問おうとする私と、撮影現場に立ち会っていないことを始めとした分業体制を理由に、その批判がお門違いであると主張する岡崎さんとの対立であった。
ところが後になって、実は岡崎さん自ら写真をチェックした上でokを出していた事が判明する。その上で別にシングルフォールディングの写真でもかまわないではないかと主張し始めた。ということは、最初からミスなどなかったことになる。この瞬間、岡崎さんとの議論の前半の前提が崩れてしまった。ミスでないのならば取るべき責任も存在しない。今目の前に存在しない責任の按分を議論しても仕方が無い。だからこの件に関しては、正直私ももう一言二言反論し足りない部分もあるが、敢えてそれはしないでペンディングとさせて頂く。そして元記事に沿ったより本質的な議題に入りたいと思う。
それは、「ダブルフォールディングできる車のレポートにおいて、ダブルフォールドした状態の写真を掲載せず、シングルフォールド状態の写真のみを掲載する事の是非」である。岡崎さんはそれを是とし、私は非とする立場である。私がそこに立脚する理由を岡崎さんへの反論を交えながら以下に述べたい。
確かに岡崎さんの指摘される通り、ダブルフォールディングを採用するクルマの中には、シングルフォールドで使えるクルマも存在する(注)。だが、シングルフォールディングを採用するクルマはどうやってもシングルでしか使えない。
つまりリアシートを折り畳んだ写真が一枚だけあるとして、それがシングルフォールドの写真であった場合、そのクルマがダブルフォールドできるか出来ないかが判別できないことになってしまう。だからダブルはダブル状態で、シングルはシングル状態で撮影しておく必要があるのだろう。
「だろう」と書いたのは、別に私がそう決めた事ではないからである。世に出回るクルマ記事で、ダブルに出来るクルマなのにシングルフォールドの写真「のみ」掲載した記事など見た事が無い。もしかしたら私の知らない所にひっそりと存在するのかもしれないが、しかし普通にクルマ好きの一読者として、webでも雑誌でも、そんなものにはお目にかかった事が無いのだ。
このような実態の中、もしどこかの評論家や編集部ががなにがしかの信念を持ち、ダブル可能なクルマでも敢えてシングルだけで撮影したとしよう。その結果読者との間に生ずるのは単なる「誤解」である。その際は余程注意深い注釈が必要となろう。それ無けかりせばただ紛らわしいだけであり、はっきり言って迷惑ですらある。
これに対し岡崎さんは、「前回」の記事でダブル状態の写真があるのだから、それで分かるではないかと言っている。「前回」の記事がどの記事なのかははっきりしないが、しかし特集記事の一つであるとでもいうならともかく、どこか別の記事を持って来て「自分の記事を読むならこっちを読んでいて当然」というような理論展開には無理がありすぎるだろう。特にwebの場合はランダムアクセスが特徴であり、ユーザーが時系列順に読んでくれる事を期待できない。実際私は最初に岡崎さんの記事を目にしているわけだし、かく言う岡崎さんもネットユーザーの一人として、同じような経験はいくらでも覚えがあるはずだ。
他にも岡崎さんはさまざまな反論を展開されているが、その多くがこの「別記事を参照していて当然」という誤った前提の上に構築されている。誤った前提に立脚した反論に反論を加えても意味が無い。それは正しく批判すべき対象から議論が逸れていくだけだ。なので私からの反論はいったんここで止めておく。必要があれば逐次追加するが、今はまだその段階ではない。
(注)…ダブルフォールディング式を採用するクルマの中には、シングルフォールド状態での使用が禁止されているクルマもあることには十分注意して欲しい。メーカーの指示を無視して使えばリヤシートを破損する恐れがある。こういうことは本来自動車評論家が註釈してくれるのが「見識」だと私は思う。
Posted at 2012/07/12 09:43:41 | |
トラックバック(0) | 日記