2009年09月19日
雪道では大トルクがかかってはいけないので2速発進がいいと、これはMT主流の時代からそう言われてきた。ATになってからはスノーモードとかウィンターモードとかというスイッチが用意され、これをオンにすると2速発進を選択し、雪道での発進時のスリップを防いでいたと言われている。
ベンツの場合それは長らく「Wモード」と呼ばれ、実際Wと書かれたスイッチが付いていたそうだ。ところがいつの時代からか知らないが、Wモードはいつしか「Cモード」という名称に変更され、スイッチもCのプリントに変更されている。今でもベンツのATのCモードにおいては2速発進をするというのがほぼ常識と化している。
だが少なくともうちのE320CDIに関して言う限り、Cモードを選択しても2速発進なんかしていない。この事は比較的簡単に検証できる。まずATセレクターを2速までに制限して発進。どんどんスピードを上げていって、何回シフトアップするか数えてみれば良い。2速発進しているのなら一回もシフトアップせず、1速発進しているなら一回だけシフトアップを許すはずだ。で、結果はいつも後者だ。Cモードを選択しても2速発進なんかしていないのである。
念の為取扱説明書やネット上の情報をあたってみても、Cモードが2速発進をしているというソースは見つかっていない。ただ、AMGの一部のモデルでは2速発進しているという公式情報があるから、すべての車種で1速発進しているわけではないという予測が立つ。
http://www.mercedes-benz.co.jp/e/news/news/2008/20080528_1.pdf
AMGのようにパワーが余りまくっているなら、文字通りコンフォート(C)な加速感を狙って2速発進もありうるだろう。しかしE300のようなベーシックモデルにおいてまで2速発進していると言われれば、一応疑ってかかってみる価値はある。クルマというのは案外古い常識がそのまままかり通る世界だから、下記のように自動車評論家の言う事だからといってそのまま信用はできない。
http://www.webcg.net/WEBCG/impressions/i0000021692.html?pg=3
そもそもトラクションコントロールがあるなら2速発進など必要無いのではないだろうか。 発進時に滑るような路面だったら出力を絞るという、この制御は雪道だろうが舗装路だろうが変わらないはずだ。雪道用の制御を特別扱いする必要がなくなったからこそ、名称が「W」から「C」へと変更されたのではないのだろうか。この瞬間、2速発進で固定するという考え方は、ベンツから消えたと解釈できないか。(特殊な状況下において2速発進する場合はあるかもしれないが、おそらくそれはSモードでも同様なはずである。)
以上の事、できれば多くの人に検証して頂けるとありがたい。それによってまた一つ古い常識が葬り去られる事になるかもしれない。
Posted at 2009/09/19 10:59:37 | |
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2009年09月09日
リアフロア周りの振動やブルブル感。一時間や二時間なら何とも思わないが、一日中走っていると相当ウザく感じられる。特に東北のごとき雪国は舗装も荒れているので余計につらかった。
振り返ってみてEクラスでの運転が楽しかった記憶があるのは、家族を乗せていた時だ。この時はロングドライブが、家族とのおしゃべりとか言う事ではなしに運転そのものが楽しかった記憶がある。
で今回一人旅をしてみて痛感したのだが、このクルマやはりある程度荷重をかけないとダメだ。一人で乗っていると余計にリアフロアのばたつき感が気になる。リアシートに人が乗ったからと言って急にバタつきが押さえられるわけではないが、長時間乗っても気にならないレベルまでには落ち着く。
まあ、やはり、荷車の伝統なのだろう。ルーフレールだけで耐荷重は100kgもある。ガンガン積んで安定させる方を優先させていると考えられる。その為のエアサスなのだろう。
ちなみにディーゼルユニットについては何の不満も無い。出だしのトロさも渋滞しがちな市街地ではむしろ快適にさえ思う。おおらかで、平和で、それでいて力もちなディーゼルユニットは、ベンツのような実用車には非常にマッチしていると思う。頭が重いと思われるかもしれないが、車検証上の前後荷重はほぼ50:50である。
Posted at 2009/09/09 10:43:32 | |
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2009年09月05日
プジョー308SWに試乗してきた。最も驚かされたのは1.6Lの直噴ガソリンターボエンジンである。ゼロ発進から力強い発進を見せ、そのトルクがトルコン領域を脱しても衰えない。つまりトルコンやスロットル設定による発進力の演出ではなく、エンジンそのものが力強いという事だ。はっきり言ってシグナルスタートでCDIで勝てる気がしない。もちろんスロットルをベタ踏みすれば分からないが、常識的なパートスロットルで発進すれば置いてけぼりを食らうのは必至である。
カタログを見れば、スペック的にはなんと1400回転という非常に低い回転数で最大トルクを発揮している事が分かる。一方、同308イギリス仕様のディーゼルのスペックを調べてみると、1.6Lは最大トルクを1750回転で発揮し、2Lは2000回転である。いずれもガソリンよりむしろ「高回転型」になってしまっているのが驚きだ。
たかが350回転の差と思う事なかれ、ディーゼルの1750回転というのは実際の運転ではガソリンの3000から3500回転ぐらいに相当する。敢えて高回転型というほどではないが、かといって敢えて低速トルク型をうたうような領域ではない。
さらに追い討ちをかけるように、そこの回転数に到達するまでのレスポンスは鈍重である。これはE320 CDIでもエクストレイル20GTでも同様の傾向を示す。これをターボラグと解釈する人が多いのに驚くのだが、ターボラグの原因の一つである圧縮比の低さはディーゼルエンジンには無いし、第一加給という条件であれば今回取り上げている308も同じだ。それでもディーゼルだけ低速トルクが薄くなってしまう理由は、おそらくエミッションだろう。超低回転ではEGR等の排ガス対策装置が機能を発揮できず、それゆえ多くの燃料を噴くとエミッションにパスできなくなるのではないか。
とにかくこうして現代のクリーンディーゼルはむしろ低速トルクが弱くなってしまったが、それとは逆に、ガソリンは加給によって低速トルクのカタマリとなった。都市部でストレス無く使いたいなら、これからはガソリンターボを選ぶべきであるという、一昔前の常識からするととんでもない時代になってきた。
一方、燃費に関しては相変わらずディーゼルの方が良好。しかもベンツの新しい2.1Lディーゼルは、E320CDIの3Lディーゼルに肉薄するトルク/パワーを出している。パフォーマンスに対する実燃費が良いというディーゼルの優位性は相変わらず続いていくだろう。
Posted at 2009/09/05 16:19:37 | |
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