• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
N.T

N.T@GT-Fourのブログ一覧

2021年10月19日 イイね!

ステンレス焼け取り機完成

ステンレス焼け取り機完成8月に着手したステンレス焼け取り機ですが、先日完成し、知人工場にて稼働開始しました。

タイトルの画像は引渡し前に実施した試験結果です。
直径60ミリ、厚さ3ミリのSUS304を突合せ溶接した物で、意図的にガス流量を減らし、電流を上げて溶接したっぽいです。
※3本の溶接跡のうち、中央が突合せ溶接部で最終仕様、下は回路制作前の事前テスト、殆ど見えない上の線はボツになった電解液の試験結果

ちなみに元の状態は↓の中央みたいな感じでした。



色々な薬品の調合を試したので、艶のある仕上がりと荒れて溶接部が殆どわからない仕上がりの部分があります。

ちなみに制作した回路は↓です。



最大出力は24V9.6A程度で、交流・直流の切り替えが可能、ショートと過電流の保護があり、異常電流を検出すると出力一定時間(msオーダー)停止して電流を下げる動作を行います。

こちら↓は最大電流での負荷テスト。



他には手持ち電極に押しボタンスイッチ(トーチスイッチ)を搭載し、手元で出力のONとOFFを切替可能、そしてスイッチの動作もTIG溶接機と同じようにモーメンタリとオルタネイトを切替可能にしています。

今回はプログラマの友人にArduinoのプログラムを書いてもらう事で回路をシンプルに出来ました。

回路構成の決定と部品集めがとにかく大変でしたが、中々面白い案件でした。

今回作成した焼け取り機は早速、数百万円の案件で、ステンレスタンクや配管の焼け取りに使われるのだそうな。。。
Posted at 2021/10/20 00:13:34 | コメント(0) | 電気工作 | 日記
2021年08月21日 イイね!

ステンレス焼け取り機開発中

溶接職人の知人より、ステンレス焼け取り機の開発依頼がありました。

知人は大手メーカーの製造プラント等の配管を作る職人をしており、焼け取りが必要になる事があるそうです。

しかし市販品は30~40万円と高額であり、中古でもボロボロの物が10万はするとの事で、ヤフオクに個人が7万ほどで出品している自作の焼け取り機を購入したところ、「どうも調子が悪い」と言う事で調査依頼があり、開けてビックリ、アマゾンで3,699円で売っている電源にケーブルを付けただけの残念商品でした。

こんな経緯で開発がスタートした訳ですが、この日記は開発記第一弾となり、超マニアックに内容になりますので閲覧注意でお願いします。

開発要望は下記になります。

1. 直流と交流が切り替えられる事
2. 電極と母材をショートさせても停止せず作業継続出来る事
3. 電極ケーブルは長い物を用意する事(作り物がデカイため)
4. トーチスイッチを搭載し、手元で通電をカット出来る事

早速、論文や関連特許を調べてみたところ、いくつかの致命的問題が判りました。

最も大きな問題は、ステンレスを電気分解すると猛毒の六角クロムになると言う事です。

考えてみればステンレスとは鉄にクロムを添加した物なのですから当然の事かも知れません。

ちなみに六角クロムの致死量は0.5~1グラムです。

中性塩電解法と言われる中性の電解液を使用して直流で電気分解を行うと、必ずこの問題が発生します。
※だからDIYで安易な実験は危険

これについては下記が対策になる事が判りました。

1.有機酸を用いて直流で電気分解を行う
2.交流で電気分解を行う

1.についてですが、電気分解で発生した六角クロムが有機を酸化させ、還元される事で三価クロムに変化する事で発生量を大幅に抑える事が出来るそうです。

2.については、電気分解で発生した六角クロムが極性の反転で母材表面に戻る為?
の様です。
これについてはケミカル山本の特許に色々と書いてありました。
ついでに、六角クロムが母材表面に戻る事で不動態化が行われるらしく、焼け取りした部分が錆びやすくなると言う現象も防止出来る様です。

有機酸による直流電気分解は極めて簡単な方法で実現可能なのですが、交流については単純交流では全く役に立たない事が判りました。

ケミカル山本では「交直重乗方式」と言う交流に直流を重乗させる方式で、直流法の溶解現象と不動態化現象の両方を促進させていました。

で、特許を読んでいると、交直重乗方式とは要はDCオフセットされた交流であり、+側の通電時間と電圧に対し、-側の通電時間が短く電圧も低い事が肝の様です。

これを市販品では複数のトランスを組み合わせる事により実現させている様ですが、この手法は特許が取得されており他社では実現できていない様です。

そこで今回はFETをマイコンで制御し、2電源によるハーフブリッジ、若しくは単電源とスイッチングによるHブリッジ制御により実現する方向で現在開発を行っています。

併せて、簡単に溶けてしまわない電極フェルトの調査と、低価格で作れる安全な電解液の開発も行っています。
※こちらは目途が立ちました

開発目標は1桁万円で作れることです。

周囲の工業系な友人たちは10万円以下で販売できるなら欲しい人は居るだろうとの事ですが、もし数万円で開発出来た場合、欲しい人って居ますでしょうか?

需要のある分野なのか全く分からないので、要望が無ければ1点物になりそうな気がします。。。
Posted at 2021/08/21 14:23:01 | コメント(0) | 電気工作 | 日記
2015年06月10日 イイね!

続、スポット溶接機

スポット溶接機や基板をケースに組み込み、ダミーロードを繋いで実験を行いました。

失敗してFETを破壊してしまうと交換は困難な作りになっているので、まずは低電圧でコンデンサをチャージして短いパルスでやってみたのですが・・・いきなり引っかかりました。



黄色の線が制御用マイコンとFETゲートドライバIC間、緑の線がゲートドライバICとFETゲート間、ピンクの線はダミーロード下流とFETドレイン間の電圧です。

ピンクの信号のみ非純正のプローブを使用したので電圧の表記がおかしいですが、実際は5Vレンジになっています。

マイコンからは信号は25μ秒のON信号を出していて、瞬時にFETゲートが開いているのが読み取れるのですが、問題はFETゲートが閉じた後です。

コンデンサに電荷が残っている状態でゲートを閉じると、配線のインダクタンスによると思われるサージが発生、その影響がドライバICを通り越してマイコンにまで及び、ドライバICのオープン閾値電圧を超えて暴走状態になってしまいます。

逆起電力対策はファストリカバリーダイオード等で行っていたのですが、そんな物ではダメみたいです。

実験を重ねた結果、FETのゲートをゆっくり閉じる等のゆっくり電流を減らす事で問題が軽減される事を確認、とりあえず10μFの積層セラミックコンデンサで同様の効果が得られたのでこれて対策を完了しました。



※このテストはピンクのプローブが10Vレンジで測定しています

他には、マイコンのクロックが信号ラインに乗って悪さしたり、コンデンサチャージ用のDC-DCコンバータが発するノイズが悪さをしたりと、随分と面倒な回路になりました。

そして本番の溶接テストを実施した所、更に残念な結果が・・・。



黄=ゲートドライバIN、緑=FETゲート、紫=コンデンサ、ピンク=FETドレイン/ソース間電圧を測定しています。

注目すべきは紫のコンデンサ電圧で、30Vの満充電状態から130μ秒程度で0V以下まで下がっています。
コンデンサの合計容量は実測で6500μFですので、単純計算で1500A程の電流が流れている事になります。
ちなみにコンデンサの合計ESRは推定0.69mΩ、FETのドレイン-ソース間抵抗は0.14mΩ程度ですので、1500A放電は十分に可能です。


しかし・・・


バッテリータブが融けません(汗)

実際には少し融けるのですが、リチウム電池に溶着する程のレベルには達しません。
これは困った・・・。

ネットの記事では、今回使用したコンデンサの半分以下の容量ともっと低い電圧でも溶接出来たと言う話もあったのですが、ひょっとしてガセなのでしょうか?
使用しているFETや銅版、そしてケーブルに至るまで全てこちらの方がかなり良い物の筈なのですが。。。

これ以上電流を増やす事は端子類の抵抗値やケーブルの抵抗、インダクタンス上、現実的ではないと思われますので、放電時間を伸ばす方向で再度検討してみたいと思います。

しかし・・・厚さ5ミリの銅版上にリフローで乗せたコンデンサの交換は不可能な気がします。
どうした物やら。。。


PS:今回の測定には、アジレントのデジタルミックスオシロ MSO6014を使用しました。
Posted at 2015/06/10 11:29:45 | コメント(0) | 電気工作 | 日記
2015年06月08日 イイね!

スポット溶接機

車とは直接関係ないのですが、現在スポット溶接機を制作しています。



この溶接機は、リチウムイオン電池やニッケル水素電池の組電池を作る時にニッケル電極(タブ)を溶接する為の物です。

スポット溶接機の原理はネットで調べ、独自の理論と設計で作ってみました。

バラ部品の卓上実験では問題が続出、瞬間的に最大1000A程度の電流が流れる為、サージやノイズが強烈で、制御用のマイコンが暴走したりコンデンサ充電用のDC-DCコンバータが誤動作したり、と問題多発でした。
オシロスコープで測定した波形が大変な事になってました。。。



そして、マイクロ秒程度の通電時間内で瞬時に1000Aの電流を立ち上げて停止する為のパワーMOSFET制御が困難を極めました。

結局、FETとは何だと言う所から勉強するしかありませんでした。
20年ぶりに図書館に行って専門書を借りて来ました(^^;



ある程度実用化の目途が立ったので、ユニバーサル基板に乗せてケースに組み込み、最終調整を行うべく組み立て中です。

リチウムイオン電池が自由にお手軽に組電池に出来ると色々便利ですので頑張って完成させたい所です。
Posted at 2015/06/08 02:02:36 | コメント(0) | 電気工作 | 日記

プロフィール

「ジャッキアップ中に車が落ちた http://cvw.jp/b/316904/47627702/
何シテル?   04/01 01:13
大阪に住むIT系エンジニアです。 愛車はセリカGT-Four、 現在自宅ガレージにて次期エンジン製作中です。
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/6 >>

1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930     

リンク・クリップ

○○作ってみました 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2011/11/08 02:52:32

愛車一覧

トヨタ セリカ トヨタ セリカ
フルチューン、500PSオーバーな車です。 最大ブーストは2.0K、レブは8000rp ...

過去のブログ

2024年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2023年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2022年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2021年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2020年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2019年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2015年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2014年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2013年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2012年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2011年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2010年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2009年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2008年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2007年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation