
本当は次期ミッション検討を書くつもりだったのですが、
知合いのコメントに触発されて?セリカのPバルブについて調べたので載せて置きます。
出来ればN.T号にも調整式Pバルブは欲しいですしね。
まず、ST205の純正Pバルブは、デュアルPバルブを採用しています。
つまり2連タイプで、リアの左右は独立したPバルブが付いている事になります。
これが、ST205に可変Pバルブの取付けを困難にしている最大の要因です。
そしてST205にAP Racingの可変Pバルブを取り付けた知合いは、
部品代15万、工賃13万と言う高額な費用がかかったそうです。
Pバルブ単体なら130ドル程度の部品なのでボッタクリと思われる方もおられるでしょうが、
作業したお店は私もよく知っており、絶対にボッタくる様な所ではありません。
では何故?と思っていたのですが、調べて原因が判りました。
修理所のABS系統図を見ていて気が付いたのですが、
ST205のブレーキ配管はラリーカーらしくX型配管になっていたのです!
ちなみにX型配管とは、一般的にRV車等が採用する配管で、
2系統あるマスターシリンダー出口の片方が右フロントと左リア、
もう一方が左フロントと右リアに繋がっており、
万一配管をヒットして潰しても、ロックせずに止まり易くする工夫です。
一般的な車両は、マスター出口の片方がフロント左右、
もう片方がリア左右を担当しているのでリアに行く方にPバルブは1つだけ付いおり、
それをアフター物に交換すればOKなのですが、ST205はX型配管なので、
一般的なシングル形のPバルブを取り付けるには、
ABS無し車両でも前後独立型に配管を変更する必要があり、少々手間です。
※しかもエンジンを降ろさないと、Pバルブも配管の取り外しもかなり大変。
ではABS搭載車の場合はと言いますと...。
ST205は4輪独立制御のスポーツABSを搭載しているのですが、
ABSアクチュエータはIN2系統、OUT4系統で、アクチュエータ内で
前後を分配し、アクチュエータの後にデュアルPバルブが取り付けられています。
そしてABSアクチュエータ内部は、マスターからの入力それぞれに対して、
独立した加圧ポンプ等が設けられている為、単純に配線と配管を入れ替えるだけで
マスターからの出力をフロントとリアに独立させる事は不可能です。
そこで選択肢は4つとなります。
1.AP RacingのTWIN BORE PROPORTIONING VALVE、CP4550-1を純正Pバルブと置き換える。
2.AP RacingのCP3350-14を2個一組にして純正Pバルブと置き換える。
3.純正のPバルブを改造する。
4.ABSを取り外して前後独立配管に変更する。
一番スマートなのは1.の方法でしょう。
しかしCP4550-1は、市場にはほとんど出ていないらしく、
Googleでも全くヒットしませんでした。
本国からの取り寄せになるのでレース関係者からコンタクトしてもらう必要がありそうですし、
価格がどの程度の物なのかも判らないのでその点に不安が残ります。
2.の方法は、最も手っ取り早い方法なのですが、Pバルブに個体差があると、
ハードブレーキング時にリアの左右バランスが崩れる危険性があり、
若干賭けとも言えるので、考えてしまいます。
3.の方法は、左右のバランスを取る為に液圧計による実測が必要なのと、
一度組み付けたら変更は出来ないので、キャリパーに合せて前後のバランスを
調整すると言う今回の趣旨からは外れてしまいます。
最後に4.の方法ですが、サーキット用の車ならこの方法で良いのですが、
N.T号の走るステージでは、時としてABSに頼った走りも必要になるので、
採用する訳には行きません。
と、言う事で、現実的な1.の方法を検討してみる事にしましょう。
ブレーキ配管の製作はエンジンを下ろしてしまえば自分で出来るので、
問題はAP RacingのCP4550-1が入手可能かどうかに掛かってきます。
一体いくらするんだろう。。。
Posted at 2007/11/21 11:15:13 | |
次期仕様検討・製作 | クルマ