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2020年11月16日

GRグラベル(等速トランスファー)の構造判明

GRグラベル(等速トランスファー)の構造判明 GRヤリスを注文したトヨタモビリティ神奈川の試乗体験イベントに行ってまいりました。
11月3日、文化の日に富士スピードウェイ、ドリフトコースにてGRヤリスに試乗させてくれるとのこと。
どのくらい乗れるのか疑問に思いながら当日訪ねてみると、かなりちゃんと踏ませてくれる様子。
コースは直線のスラローム、半径5mほどの定常円旋回、2速全開からのフルブレーキング、2速での左右の切り返しと、全て全開でOK。
むしろスピンしてもいいとのお達しで、それも全ての駆動モードを試しながら3週させていただき、楽しく運転させていただきました。
長く乗ったわけでないため多くのトライはできませんでしたが、エンジンはそれなりにパワフルでレスポンスがいい。
ハンドリングは軽さがよく分かり、楽しくなる乗り味です。
まあ、インプレッションはいろいろな方が書いているのでそんな感じです。
https://www.toyota-mobility-kanagawa.jp/gryaris-lp
楽しい試乗会を開催してくれたトヨタモビリティ神奈川さん、ありがとうございました!

ところで、会場にはオートサロンにあったシャシー周りのカットモデルがあり、メーカーのエンジニアが来ているとのこと。
早速通常モデルと等速トランスファーの違いを取材。
そこでようやく分かった真実をお伝えします。

まずGRヤリスの4WDシステムは前後でファイナルギヤレシオを変えておき、リヤデフの前にある電磁多板クラッチをどのくらいつなぐかで前後の駆動力を変えるというところがポイントです。
ところが、低μ路や低速のトラクションを最大にしたいラリー、ダートラ、ジムカーナなどレース以外の競技では、コーナーの立ち上がりで4WDの駆動力を最大にするには直結4WD(50:50)が最もいいわけです。
前後ファイナルが違う状態で直結の状態を維持しようとすると、電磁クラッチは滑り続けていることになり、電磁クラッチは割と簡単にオーバーヒートしてリヤの駆動がなくなってしまうということ想像できます。
実際に、メディアの試乗会では長く乗るとそういうことが発生していたようです。

そこで、前後のファイナルギヤレシオを同じにすれば、直結状態にしたいときは電磁クラッチを100%つなげればいいのでそこで滑りが発生せず、オーバーヒートの心配は少なくなります。
これがGRグラベル(等速トランスファー)ということになります。

ところが、もう一つの疑問点はなぜギヤによってファイナルギヤレシオが違うのかという点です。
フロント[第1速~第4速]:3.941[ 第5速~第6速、後退]:3.350
リヤ:2.277
というのがノーマルのギヤ。
これを尋ねると、GRヤリスのミッションは通常の2軸ではなく3軸で、[第1速~第4速][ 第5速~第6速、後退]というのが別の軸になっているため、減速比が出力軸で変わるということです。
フロントのファイナル前の段階で減速比がもう一段あり、その後に前後のファイナルに出力しているので、減速比が2種類になっているわけです。
通常はそこでリヤに行くシャフトに増速をかけて、前後の減速比を変えています。
ところが等速トランスファーはリヤへ行くシャフトを増減速せずそのまま出力しているため、常に前後のファイナルギヤレシオが同じになるということです。

つまり、ファイナルギヤレシオ(減速比)は等速トランスファーではどのギヤでも前後とも同じ
[第1速~第4速]:3.941
[第5速~第6速、後退]:3.350
ということになるということです。

こうなると、前後の駆動配分はどうなるかというと、
リヤデフ前の電磁多板クラッチを全部離す(全開)と駆動力は前後100:0、つまりFFということになり、
リヤデフ前の電磁多板クラッチを完全につなぐ(全閉)と駆動力は前後50:50、つまり直結4WDとなります。
電磁多板クラッチをどのくらいつなぐかでこの間(100:0~50:50)の駆動配分が得られるように制御できます。

どういう状態にせよ、駆動配分はリヤ寄りにはならない訳で、ハンドリングはコーナーではかなりきちんと姿勢を作って入っていかないとアンダーが強い傾向になると思われます。
競技ではサスペンションとLSDのセッティングがかなり重要になるかと思います。
また、電磁多板クラッチは電子制御ですから、ここのコンピュータのチューニングをするメーカーが出て来ると思われ、ここもハンドリングと速さのキモと言えるでしょうか。

付け足し
なぜレースでは等速トランスファーが必要ないらしいか?
サーキットはグリップが良くタイヤもハイグリップなので、直線で4WDは必要ありません。低速コーナーの立ち上がり、雨の中速コーナーくらいまでしか4WDのメリットはないと思われ、多くのシーンで電磁クラッチは軽くつなぐか、ほとんどつながっていない状態でもいいのかと思います。そうすると駆動力配分が可変できるノーマルの4WDの方が、ドライバーの好みや天候で面でメリットが多いと思われます。

高速コーナーだらけのニュルでは4WDよりFFの方が早いくらいで、高速サーキットほどラップタイムだけ見るとFF(FRやMRなどの2輪駆動も)有利ですね。
雨など天候などの要素を入れるとスバルWRXがニュル24Hで安定して早いので、長くいつも早いという条件が付くと4WDも捨てがたい。


ブログ一覧 | GRヤリス | クルマ
Posted at 2020/11/16 14:00:42

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