
3月15日(日)で一ヶ月経ちました。
2,3回遠出してクルマとドライバーの慣らしがだいぶ進みましたが、まだまだいろいろ覚えなければいけないことがあります。ハイテクは有難いが歳をとると面倒に感じることがちらほら...。
今時のクルマには慣らし運転について昔ほど厳格にする必要性は言われなくなっています。
ベルランゴには1000km点検もオイル交換も指定がありません。
しても良いけど、しなくても良い?
クルマに問題が無ければ環境の為にもメーカー指定のサイクルで充分なのでしょう。
個人的には無茶しなければ普通に付き合うだけで良いと解釈しています。
ベルランゴの運転にはドライバーの慣れを必要とするような特別な何かは無いのですが、
やはり操作に関しては新しい機能やこれまでとの違いがたくさんあるのでこれらは慣れと言うよりも少々学習が必要です。
例えばクルコンとかナビとかスイッチ類とか。
先ずは、ATミッションのポジションスイッチ。
どうやらJAGUARのXJに倣ったのか?回転ダイヤル式です。
ノブを回す動作はP-R-N-Dのシーケンシャルなのでプリウスの様なジョイスティックタイプに比べれば判りやすいのですが、使いやすいかといえば答えはイマイチ。
これまでのATレバーならその位置関係でわざわざ目で見なくてもそのポジションを体が判断出来ますが、ダイヤル式はダイヤルの位置を見ながら回さないとそのポジションが何処にあるのか手の感触だけでは判らないのが不便です。いっそのことプッシュボタン式にでもしたほうが位置関係がブラインドでもわかると思うのですがどうでしょうね。
次はライトのスイッチ。
2020年4月以降に販売される新車はヘッドライトの自動点灯が義務づけられています。
既に昨年の夏以降の新車は対応しているみたいですが、ベルランゴもこれに従いAUTOがディフォルトでOFFがありません。 AUTO→Small→ONの3ポジションのスイッチになっています。
ベルランゴにはデイライトがついていますので昼の明るいときでも必ずデイライトが点灯します。
Smallのポジションではフロントのデイライトの他にテールランプとナンバー灯が点灯します。
ONのポジションではもちろんですがそれらに加えてヘッドライトが点灯します。
要するに明るくても暗くてもエンジンをかければ必ずデイライトが点灯し、暗ければスモールもヘッドライトも点灯するので、真っ暗(無灯火)で走ることが出来ない様になっています。
夕暮れ時や雨の夜に無灯火で走るクルマを時折見かけます。 自照式メーターを装備するクルマが増えたのも原因の一つですが、自分は見えるから大丈夫と思い込んでいる人が居るのも事実。
時折というよりもけっこうな頻度で見かけますが、言うまでもなく非常に危険です。 残念ながら女性ドライバーが多く目につくので、メーターが明るいが故に気付いていない方が多いのではと想像してしまいます。
自動点灯はこれらのうっかりミスや意識的に点灯しない人を減らす為に必要な装備なのですが、もっと早く義務化すべきだったと思うし、迷惑なハイビームの義務化よりも無灯火をなくす努力と啓蒙が優先されるべきでしょう。
自動点灯しないクルマはまだまだ走り続けるでしょうから。
さて自動点灯は良いとしてそれによる弊害がひとつ。
ナビ画面の昼夜表示色切換がライト連動に出来ないのです。
どうやらデイライトがつきっぱなしの為にナビに行く信号が常にSmall/ON(?)となっているようです。
クルマ側の問題かナビ側の問題なのか不明ですが、ほんとうはデイライトでなくSmall点灯時の信号を使えば良いはずなのですが、どこかで解釈が間違えている様です。
と言うのも、ディスプレイ本体はデイライト時とSmall/ONでそれぞれの明るさを5段階で設定可能なのです。
将来のアップデートで改善することを期待していますが、大した実害は無いので...。
さて、インプレッションの続きです。
1000km走ってやはり新たな発見があります。
先ず、初日で気になった緩い動きですが、だんだん慣れてきました。
たぶんこれがシトロエンの味付けなのだと思います。
ハイドロニューマチックサスペンションがどんな乗り味だったのか知りませんが、金属スプリングとストラットの組み合わせでもサスペンションストロークをタップリ取ってショックを吸収し、シトロエンらしさを演出しているのかも知れません。
荒れた路面では路面の凸凹によるショックは上手くいなされていますが、それよりもクルマ全体がゆっくり揺すられる感じがするのとブレーキング時のノーズダイブが不満です。
しかし、それ以外は殆どの路面でも優しい乗り心地でフラットライド、凸凹のショックで不快に感じることは滅多に無く、乗り心地の為に操縦性が犠牲になっているようなことも全くありません。
この良く動くサスペンションですが、不思議なことにコーナーでも殆どロールを感じません。
以前のカングーもロール感が少なかったですが、ベルランゴはカングーより柔らかい足と感じる割には動きが素直で正確、背高で重いクルマの緩慢さがありません。
ワインディングでもコーナーが全く苦にならず、むしろ水を得た魚のようにスイスイ。
新世代EMP2プラットフォームが極めて良く出来ていることに疑いの余地はなく、トルクフルなエンジンのおかげもあって、わりと速めのクルマの後ろに苦も無く追従することが出来ます。
下り坂のブレーキングでも姿勢変化が少なく元来フロントヘビーなFFとは思えない穏やかな挙動を示し、フロント外側の車輪に荷重が集中する感じがあまりしません。
もしかしたら1.5Lディーゼルは1.2Lガソリンと比べてそれ程重くないのかも...。
と、思って前後軸重の配分をカングーと比べて見るとカングーが60:40、ベルランゴが59:41とほぼ同じです。これを見ると1.5Lディーゼルエンジンの重量がハンディになっていないことが判りますし、むしろカングーよりもちょっと良いのです。
車重からすれば C5 AIRCROSS と同じ2.0Lディーゼルエンジンくらいのトルクが必要なのではと思ったこともありますが、実際に乗ってみるとベルランゴには1.5Lディーゼルが正解だと思います。