
最近ふと思うんです。
このままいくとコイツ(CBR250F)が再び路上を走れるのはいつになるんだろって。
レストアを始める前、実家に一人置き去りにした頃は全ての部品が揃っていて,
レストアをするにしても、せいぜいキャブのOHとエンジンオイルを含めた消耗部品一式交換程度で復活出来るんだろうなって軽い気持ちで考えてました。
CBRが手元から離れて約10年。
10年です。
何だかんだでCBRの事を忘れた事は無かったんですが、個人的事情からその間はほとんど実家には寄り付かず、その間にCBRがこんなにも酷い目に合っているとは思いませんでした。
いざ10年ぶりに対面すると、10年前の姿とは想像も出来ない程酷い有様になっていました。
外装を中心にかなりの部品が奪い去られ、知らない人から見ればただの鉄くず状態。
なんかね、悲しくなりましたよ。
今まで単車を禁止していた奥さんが悪い訳じゃありません。
子供が小さく手もかかる頃に、単車で何かあったらと考えるのはごく一般的な考えです。
なにせ彼女とは私がレースをしていた頃からの付き合いなんで、バイクの良い面も悪い面も知り尽くしている人ですから。
それよりも、私が怒りを覚えるのは他人のバイクの部品を平然と奪い去る輩です。
お前にとっては廃車に見えるかもしれないけど、そんなのは赤の他人のお前が決める事じゃない。
部品を売り金に換えたのか、自分のバイクに付けて使用しているのかは分かりません。
分かりたくも無いですがね。
仮に盗んだ部品を自分のバイクに付けてよく平気な気分でいられるなと。
私には無理ですわ。
罪悪感以外の何物でもないですよ。
レストアを開始した頃、あるマンガを目にしました。
「バイク擬人化菌書」
というマンガです。
その中でレストア大好きな独身のオッサンが自身の所有するバイク達とある日突然会話が出来るようになるというエピソードがありました。
車種により様々な性格を持つバイク達。
そんなバイク達とのふれあいを描いたエピソードです。
それを読んでいてふと思いました。
「コイツ(CBR)は俺の事恨んでないのかな?」
って。
自動二輪免許を取得してすぐにCBRに乗り始め、いろんな場所に行きました。
でもその頃の私はこのCBRをただの繋ぎ程度にしか考えていませんでした。
その頃の私が目標にしていたバイク。
自動二輪を取ったら真っ先に乗りたいと思っていたバイクはCBRじゃなかったから。
お金をためて初めて自分の金で買ったのは
「アプリリア RS250」
当然RS250を買ってからはコイツに乗る回数は一気に減りました。
彼女(今の奥さんね)と2ケツで出かける時以外はいつもカバーがかかったまま庭の隅で眠っている状態でした。
その後結婚する事になり、子供の出産費用の足しにする為RS250を手放す事にしました。
最初はCBRも手放す様に言われたのですが、その時どういう訳かコイツだけは手放したくないって気持ちになったんですよ。
奥さんには
「年式が古いから買い取りどころか逆に処分費用が取られるから無駄だ」
って主張して何とか手元に残す事を納得してもらった訳です。
本音はこのCBRの年式が奥さんと同い年ってのが手放したくない理由だったんですけどね(^^;
その後色々とあり親との二世帯生活が破綻。
実家を出る事になって本当はCBRも連れていきたかったんですけど、これから子供が生まれる状況で奥さんに言われました。
「単車で事故とか起こしたらどうすんの?」
「そもそも単車なんか置く場所ないじゃん」
と。
もし単車に心があったらどう感じたのかなって。
やっぱ一緒に連れて行ってほしかったのかなって。
知らない連中に無理やり部品を引きはがされて怖かったんじゃないかなって。
バイクに対する気持ちは人それぞれ。
バイクをただの道具とみる人。
家族的に扱う人。
別に他人の価値観に対してどうこう言うつもりは一切ありません。
私の価値観を気持ち悪いと思う方ももちろんいらっしゃるでしょう。
ただ、私はどうも昔からツールに対して執着する部分があるんで、ついついこういう考え方になってしまうんですよね(^^;
「物にも心はある」
って。
だからこそ この10数年の扱いに対して謝罪の気持ちも込めて出来るだけ美しい姿で復活させてあげたいと思うあまり、自分の中でハードルを上げすぎて結果として中々走らせてあげられない状態です。
今は一日も早く復活させてあげたくて誠心誠意作業を進めています。
コイツ(CBR)も分かってくれてるのかな・・・。
それとも怒ってるのかな・・・。
オリジナル部品の高騰と市場の球数の無さから当時物の部品が手に入らず、結果としてレストアというよりもカスタムになってます。
カラーリングにしても、オリジナルからはかけ離れた状態になってきました。
まだまだ時間はかかりそうです。
でも昔の様に置き去りにしたりしない。
必ず最後まで責任をもって乗り続けると心に誓いつつ、左側のサイドカウルの再塗装をしている私です(^^;
駄文失礼しました。
では(^0^)/"